平成24年2月9日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
新 潟 県 魚 沼 市 原1280-1
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球根情勢報告
1月期南半球出張報告(森山隆)
平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。
オーストラリア・ニュージランドに、出張して参りました。
どうやら、今週・来週あたりから、12年産 南半球産 百合球根、本格的な輸出業者との打ち合わせ開始の様です。
皆様には、ご検討発注準備の程、宜しくお願い致します。
本年から、全ての球根農家を分けて販売します。
納期を入れてくれたら、こちらで各コンデションをお薦めします。(来週はチリ出張なのですが…。)
欠品時にも、従来通り産地栽培方法を示して、代替え候補の提案をします。
本当にしなきゃ駄目?厳しー!頑張ります。
レポート遅れてすみません。
@ オーストラリアは…ここ数年実行しております、いわゆる市場調査・自国で切花生産する為に、輸入した百合球根を「切花輸出目的ではなく」、「自国消費で85%以上を使う国」の、百合切花消費傾向を分析する為の研修旅行です。
最近では、私と同じポイントに興味を持ち、以前から独自の課題を設定して研修を行っていた
深谷地区(有)FLC社の社長・副社長様、及び鞄園 専務様とP.O社 エバート氏の案内で、研修をして参りました。(過去に、中国・メキシコ・チリ・ニュージーランドなどの国に同行しています。)
A ニュージーランドは…今回は南半球に出張ですから、日本は異常に寒いのに、逆に暑くて大変かなぁ?と思いながら出掛けました。
結果的には、強烈な紫外線の為、ハゲ頭と顔は日焼けしたのですが…暑くなかった…真夏なのに(日本でいえば、7月位)…標高500m位まで雪が降った…3日たっても消えない…クライトチャ-チは、昨年の地震からの復興に時間がかかっている。
まだ余震が続いている。
異常気象が続いている様です。(雪が降ったのは、百合の球根が生産されている畑から見えますが、40〜50Km離れた山に降ったもので、球根生産地に降ったものではありません。だけど涼しかったです。早朝の気温は2℃まで下がっていた。日中は40℃を超える事もあるのに…。まるで、フランスのボルドー地区の様です。)
オーストラリア
08年のリーマンショックからの影響は、薄らいでいる印象。
家電は圧倒的に韓国産、車は圧倒的に日本車でした。
中国景気に支えられている様子で、若干「バブルが入っているなぁ」という印象。
日本が嫌いな訳じゃない。
やっぱり買ってくれるお客様が大事という事。
今は日本より中国の方が上、韓国はオーストラリアとどう付き合っているんだろう?
切花生産・切花消費とも、ややヨーロッパ・アメリカのコピー。
イタリア・メキシコ・中国で感じた衝撃はなかった。
但し、この国の聞きしに勝る植物検疫には驚いたというより、ちょっと呆れてしまいました。
外国産の百合球根を輸入する時、ピートモスやその他の植物由来のパッキング材を使えない事・全てメチルブロマイド燻蒸をする事は解っていました。(最近は、メチルブロマイド消毒をする部屋の気温を下げて、球根に害が出ない様に研究していた事も…。)
※この国はオランダ産L.Aが十分にあれば、南半球産L.Aはいらないんだぁと思いました。(9年産・10年産は不足。11年産は十分にあった。)←マーケット情報ですよ!
O.Hは、必要みたいです。←何をいくらで買っているのか、調査して下さい。競争相手ですよ!特にリアルト・マーロン。
ビックリしたのは、ほとんどの球根切花、又はアルストロメリアやリシアンサスなど、最近流行りの切花が、ほぼ輸入禁止だったという事。
最も驚かされたのは、菊・バラ・カーネーションなどの指し芽で増殖出来る植物については、全てメチルブロマイド燻蒸消毒+ラウンドUP(除草剤)で消毒?して、「間違ってもオーストラリア国内で、繁殖しない様にしなければ、輸入出来ないという条件を設定していた事です。
切花の鮮度もヘチマもありません。
変な言い方をすれば、「水あげが悪い品種」が「日持ちが良い」。
だって、「ラウンドUP の吸収が悪いから…。」
オーストラリアという国が、「国を守る」為に取ってきた政策って、ある意味凄すぎると思いました。(日本で流通していた外国産農産物が、腐りにくかったのも、同じ事なのかなぁ。)
※但し、自国の農業者に対して甘いのかというと…。
40〜50件いるオーストラリアの百合切花農家(ほとんどがオランダ人だった…。)に対して、4件のオランダ球根輸出業者が、現地法人を構え、冷蔵庫を設置、それらは検疫対象エリアの環境を有していなければなりません。(15件位の球根輸出業者が、オーストラリア市場に球根販売しているそうです。たった40〜50人しか百合切花農家がいないのに…。よっぽど景気が良いのでしょうね。切花農家自らが、長期保管の為に、パッキングするケースがあるそうです。)
オーストラリア国内での切花流通に、用いられる外国産球根からの、切花が実行される切花農家の冷蔵施設・切花温室も、全て検疫作業が実行出来る環境が整備され、切花栽培が行われている最中に、国の検査官が有料で検査する。(しかも、課金方法はどの位の量を検査したから、いくらではなくて1回いくら…生産規模が小さければ耐えられない負担。)
出荷する時も、類した経費が発生する。(これまた、小ロット生産流通では、耐えられない。)
外国からの農産物を検疫という非関税障壁?で、自国を守るだけではなく、生産者にもちゃんと目に見える負担をさせている政策は、たいした物だと思いました。(対外的にも言い訳が聞く?)
この政策により、切花農家の経営規模も、決して小さくはない訳です。
メキシコの農業政策も凄いと思いましたけど、オーストラリアもなかなかだと思いました。(メキシコも球根を買う競争相手です!)
ちなみに、人口1人当り約2.5〜3本、50〜60,000,000本位、流通している様です。
百合が好きなのか?
ファッションなのか?
ニュージーランド球根生産圃場確認・現地栽培農家の生産状況
10/11年産(crop11年産現在使用中の球根)
一言でいえば、ゴア産以外(例年比、暖かかった。)のラカイヤ・ネイピア産は、11年産の場合、それらの地域としては比較的涼しく、球根の力は依然C.H産よりはあるものの(ちなみに11年のC.Hは、夏場、N.Zより暖かったそうです。)、比較的大人しい球根が出来ていると感じています。(現在までの日本の切花温室の生育状況から。)
11/12年産(crop12年産今秋以降納品予定の球根)
ゴア地区
サザンフローラ社(S.F)
今回は訪問が出来なかった。(日程の都合。)
L.A系は販売予定だが、O.H系については、今期、取り扱い予定を今の所はしていない。(久しぶりに2年間、使ってみたのですが…。)
O.Tについては、検討中。
一言でいえば、寒すぎ。
従来から考えていた通り、環境的にO.H系球根生産地としては、厳しいと思います。
但し、O.T系はO.H系よりもむしろ気温が低い生産地で作った球根の方が、燐付きが良いというケースも、確認されています。
バイラス管理等の水準を、現段階のレベルより大きく改善してくれる様なら、使い方の検討の余地は残りますが…。
ラカイヤ地区
バッカー社(B.K)
最初に、ラカイヤで球根を作り始めた球根農家。この地に対しての思いが…。
5年振りに訪問して、その変化に一番驚かされたのが、この会社です。
5年前までは、生産されている面積のうち、高い割合がオランダの自社切花用球根だったわけですが、現在では生産面積のたった7%が自社切花生産用で、93%が輸出業者への販売用球根となっていました。
一部の球根がオーストラリア市場へ独自輸出、販売先の大半がP.O社で、栽培面積の20%内外がV.Z社への販売となっている様です。(品種ごとに割合が違う。)
5年前は、オランダの一般的な百合球根栽培農家の生産圃場と比較した時、中レベルの中、又はやや劣るというイメージを持っていました。(自家温室消費割合が高かったですから…。)
今回見た印象では、オランダ球根農家比較で、上位レベルの中位まで圃場品質をあげている様に感じました。
びっくりです。
※畑が美しければ良い球根・力のある球根が出来る訳ではありませんが…結構安心出来るのかなぁと思いました。
ヴレッター系のPlamv率の高い品種に対しての考え方は大変厳しく、13年にはリド・カルーソなどの生産はしない様です。(12年は、まだ若干あります。)
育種会社・輸出業者から回転資金の前払いを大きく受けなくても、ちゃんと経営が出来る、なかなか実力のある会社だと思いました。
土壌コンデションは、同一地区で生産しているV.Z社とほぼ同様な土質で重いです。
畑により、P.h/EC・ミネラル分の割合が相当違う様でした。
V.Z社 N.Z社(無印)
N.Z最大の球根生産農家。(昨年70ha➔今年65ha。委託栽培農家を保持する…強い。)
栽植密度を狭めているそうです。(大きすぎる球根を減らす。輪付きを減らす効果を期待して…。まだ掘り取り数予測が出来ない。N.Z球根農家は、各社同様な傾向となっているそうです。)
バッカー社同様、施設の改善を図り、更に充実している様に感じた。
最大の委託農家である、ラプトレ社で約27haの生産を行っているが、この畑がV.Z社関連圃場、いや、N.Zでも、最も美しい。(将来的には、40haまで増産して頂き、圃場分散をしていく計画の様です。)
同行したP.O社のエバート氏が「羨ましい…。」という位です。(この人もラカイヤへの入植が早い。)
この委託農家のラプトレ社の圃場で、11年産のLMOVバイラス事故が起きた訳ですが、種球が全て更新されていますから、そんな事故が起きた事は全く感じさせない出来となっておりました。
バッカー社同様、ラプトレ社は、数百haにも及ぶ自社農場を保有し、これまたバッカー社同様、200ha弱の借地を有しており、5年〜10年をかけた土作りに余念がありません。
これは凄い事だと思いました。(N.Zの場合は、オランダや日本と違い、土をちゃんと時間をかけて作らないと…だって牧場ばっかりですもの。麦藁を、畑から刈りだす人が、多いそうですし…。C.Hはどうなっているのだろう?)
11年の事故は、彼にとっても大きな衝撃だった様で、薬散に対しての精度は大幅に改善していると感じました。
V.Z社 N.Z社+もう1件の委託農家であるレムコ氏の畑…両社共に、自社所有畑は持っておらず100%借地です。
あまり長期の借地計画もなされていない様で、未開発土壌で発生する問題を抱えてくる可能性があるなぁ、と感じました。
ハンス氏(V.Z社)曰く、ちゃんと認識して2〜3年の計画を、作り上げているそうです。
畑は複数の地域に分散されていて、標高差が50〜150m位しかないのに、違うなぁ、と感じました。
ラプトレ社とバッカー社が生産している地域は近いのですが、V.Z社とレムコ氏の畑は結構離れていました。
将来的には自社農場では母球生産率をあげて、開花球生産はラプトレ氏・レムコ氏といった委託農家に、中心的に作ってもらう事になるそうです。(未開発土壌が心配という意味で、借地が悪いという意味ではありません。念の為…。良い畑が確保出来れば、借地でも当然OK!むしろ、養成球 1.5〜2年栽培などを作る時には、地力の無い畑の方が良い場合もある位です。何事も計画かぁ!)
2つの心配
@ 11年産で、バイラスを出した畑からの種球は、どうなっているのか?
一部V.Z社自社農場で、集中的に生産している様です。
今回の確認では時期が、ちょっとずれたせいもあるのですが、(LMOVも見るなら12月。Plamvを見るなら2月末〜3月上旬。)事故が起きてしまった球根が、植わっているとは解らない位の状況でした。(もともと12年産シベリアの栽培面積は、減少予定だった。代わりに、コンスタンタを増加させている。)
しっかりとした抜き取り管理を11月〜12月に行った様ですし、まだ圃場抜き取り作業を継続している様でした。(当然、全てエライザーチェックを完全に行って、輸出判断をするそうです。Plamvじゃないから、検査精度は信用出来ると思います。)
0%にする事は不可能でも、逆にラプトレ氏の薬散精度の向上でも解る様に、他より頑張らなければいけないという事は、凄く伝わってきました。
A カサブランカは?
生産圃場を分散していた。
出来の良い圃場・まずまずの圃場がありましたが、少なくとも一極に養成球を又は、開花球生産を集中させてはいけないという事を、はっきり意識して管理していた様です。(当社がリスク分散の為、赤塚と津南に生産地を分けるのと一緒。V.Z社はうちの様に、分けては販売しないと思いますけどね…。)
近い将来、南半球では、ほぼ唯一のカサブランカ農家となる様です。(軸足を明確に、日本に置くという意思表示でしょう。)
更なる精度向上とリスクヘッジに努めてもらいたいと思いました。
さて、日本市場はどうやって、この日本市場がほぼ唯一の消費市場となるはずの品種を、守っていくのでしょうか?
各種苗業者・各切花産地・各市場の考え方がどの位、中長期な考えを持った取引が出来るのか?
年ごとの結果に、左右されない意志を相手側の球根農家・業者に伝えなければならない、象徴的な品種になると思います。
※昨年は、やや涼しめだったラカイヤ地区は、今年は、気象変動が少なく、順調なスタートをきった様です。
対して12月・1月が涼しかった様です。(雪が日本でいえば、7月・8月に降った様なもの。そんな瞬間的な変動で、大騒ぎすべきかどうかは解りませんが。)
雨も多い様です。
V.Z社もバッカー社も2NないしTL(2年連続栽培)の圃場の蕾もぎは、昨年と変わらない時期に行った様ですが、1年栽培については、2週〜2.5週間遅いそうです。(あくまでも昨年比、平年と比べては不明。オランダの蕾取り時期と比べれば、こんなもの…。フランスに比べれば遅い!)
生育が遅れているのに、LMOVがはっきりと確認出来なかったのは残念でしたけど…。(綺麗に抜いたのかなぁ?)
アイランドバルブス社
南島(NIS)
本年は、養成球生産のみ。
2N開花球栽培の1年目と、2年連続栽培燐片養成圃場1年目。
13年以降は、生産の中心が南島へ移動する様子。(まだ確定ではない。)
土壌は、V.Z社・バッカー社より砂っけが強い。栽培管理は、行いやすいのでしょう。
地下水位が高くて環境問題のうるさい国ですから、薬散や灌水がちゃんと行える事を心配していました。(井戸を掘って灌漑は使わない、対策は立てている様です。)
位置的には、バッカー社・ラプトレ社の近く(直線距離で4〜7km)なのですが、大きな河の反対側の為、車で40km以上遠回りをしないと、栽培現地には行けませんでした。
土質は良い様に見えましたし、栽培している圃場品質も、この土地で初めて栽培したとは思えない見事な出来に見えました。
この会社は、ネイピアという気象条件が良くて、球根が良いのか?
栽培技術が他の農家より良くて、球根が良いのか?
どっちなのだろう?
その見極めは、まだつきません。
気になったのは、Vletter社の委託栽培品種割合が多い事です。
今は、汚染度の低い球根が多いけど…どうなのでしょう?(11年産カサブランカ O.A社 生産分 輸出停止という、とんでもない欠品も出ていますし…11年産 N.Z産 カリビアンも…。エライザーチェックの段階では、低かったのに…。いったい、いつ広がったのだ?ちなみに、カリビアンNIS 12年産開花球生産圃場は、全量圃場廃棄しておりました。バッカー社同様、各圃場の位置など、相当気を使っていました。)
※11月/12月の畑・1月の畑・3月の畑・6月/7月の畑、自分自身でそれぞれの時期に、調査出来れば…。
輸出業者さん頑張って!
だから信用出来る輸出業者って、必要なのですね〜!
一週間、見る時期が違っても、印象が変わってきますからねぇ。
とても一時期だけ見ても、判断がつかない…。(オランダには年4回行って、輸出業者と共に確認しています!)
ネイピア地区
アイランドバルブス社
北島(NIS)
12年産開花球は、北島のみでの生産。
5年前に生産していた地域。
随分違う所に生産圃場が移動していました。
V.Z社・レムコ氏同様、栽培地だけでなく、冷蔵庫・球根処理施設、全てレンタルでの経営です。
圃場品質は素晴らしい、の一言です。
土壌は津南の赤土火山灰土ではなくて、堀之内の褐色黒ボク土・火山灰土に似ていて、堀之内とは違って、物凄く腐植が豊富な畑でした。
5年前の土質は、もっと細かい土だった様に思うのですが…すごく良い土だけど、火山灰土の球根養成ですから、南島の栽培管理方法と違って当然です。
開花球の生産面積は、V.Z社・バッカー社と比較すると、一番少ないです。(22ha位?)
どうしてもコスト高になってしまいます。
圃場を管理している元V.Z社職員だったエド氏に、案内して頂きました。(この人も5年前よりずっと大人になっていた。)
V.Z社とは、土地条件の違いもあるせいだと思いますが、両方知っているから、比較する事が可能なエド氏曰く、球根栽培の仕方は明らかに違うそうです。
大変興味深い話が聞けました。
アイランド社のN.Zマネージャー?であるゼイン氏は、まだ30代なのに5人の子沢山だそうです。
エド氏も若くて美人なガールフレンド(リンゴ栽培輸出農家勤務で、結構良い給料をもらっている。)と同棲中。(素敵な小さな家に住んでいました。)
南島ラカイヤなんていう、田舎に移動する事は女性人は大反対で、ゼイン氏は子供もいるので、迷っている様子。
じゃあ、なぜ南島に?
アイランド社のオーナーであるオランダの球根農家
パーター氏・トラップ氏(今回初めて南島で会いました。)も、その莫大な投資には及び腰、V.Z社・バッカー社が投資を進めていた時は、1EURO=1.8〜2N.Z$、現在は1EURO=1.6N.Z$、費用はN.Z$で発生するが、資金繰りはEUROで行われる。(大体1.75N.Z$位が、丁度良いレートとの事。)
為替環境だけでも、やや不利なタイミング。(N.Z$高!)
クライストチャーチ復興事業は、日本同様大幅に遅れていて、まだ建築屋はそんなに忙しくないが、半年から1〜2年後は、建築単価も上がってくる様だし、資材代も…。
家族の為には環境の良くない南に、なぜ今、移動するのか?(ネイピアは、住みやすそうでした。地震と津波は恐い様ですが…。)
エド氏曰く、ネイピアには百合の球根を作るのに、適した土地を探すのが大変。(C.Hは、大丈夫なのか?ドキドキする。)
良質な畑の確保が、出来なくなる事を心配している。
バッカー社やラプトレ社の様に、数百haの自社所有・数百haの安価な借地計画など、北島では夢のまた夢。
自分達は球根生産会社の職員、会社の将来を考えなければ、今やらなければ手遅れになる、強い会社にしたい、勤めていきたいという、強い意志を感じました。
オランダの球根経済環境も必ずしも良くない中(むしろ悪い…)、高齢のトラップ氏は技術的支援は出来ても、出資というところまでは…。
経営層の若いパーター社とN.Zにいる職員、Vletter社・P.O社のサポートが必要。
※だけど、バッカー社をはじめ、他のP.O社と取引する世界の球根農家は、焼きもちを焼かないのかなぁ?
引っ掻き回してばかりじゃ、「おいしい所取り」のままじゃ、まずくない?
オランダでは、そういう取引は出来ても、南では?
球根農家には、本当に儲けてもらいたい。
どこまでVletter社やP.O社又は、世界のN.Z産球根を消費していく国が、この農家を支えていけるのか?
P.O社とバッカー社の様な、良好な取引関係を作っていってほしい。
P.O社・Z.P社とソネの関係の様に…行き過ぎ?
出来れば、育種会社や複数の輸出業者が関与する様な、毎年取引相手が結果的に、変更されていってしまう時計ゼリ型農家には、なってほしくない。(それじゃあ、安定した球根生産が、出来る訳がない。)
オランダ産流通じゃないのだから!
オランダでも流行らないですよ、そういうやり方!
※今は最もアイランドバルブス社にとって、激動の時なのでしょう。
パーター社の畑は、オランダでもフランスでも素晴らしいそうです。
N.Zでも、もっと大きく、良くなってほしいと思います。
ネイピアもラカイヤ同様、昨年よりも涼しめ。(摘花時期からの判断。)
すでに、10年産よりも11年産の方が、やや輪付きが0.5〜1.0燐位、少なくなっている様に感じていますので、12年産も想定通り、輪付き過ぎにならなければ良いなぁと思いました。(埼玉の結果での考察、暖地はちゃんとついている?やっぱりこの産地の球根は、遅い作型向き?)
どうなりますか?
今はまだ品質は?肥大は?力は?を分析するのは時期早々ですが、せっかく仕入れを遅らせている訳ですから、よくよく品種構成・サイズ構成を考えていこうと思いました。
彼らの戦略が当たる様にみえます。
丁度良い力の球根になってくれれば、肥大しすぎなければ良いがと、願っていますし、そうなる様な気がしています。(まだ分析は早すぎる…。でも…。そんな雰囲気は感じています。)
※一方、チリの夏場の天候は昨年に引き続き、今年も暖かい。
ラカイヤとピュエウエ(PUGS)が逆転している様だそうです。
こちらも期待出来そう。(VDB社 ウイルム氏分析。)
※5年振りに行って、改めて思った事。
オランダは気象変動が比較的少ない。(あることは、ありますよ!だからコンデションを分けて、球根を販売しているのだから!)
一方、フランスもニュージーランドもチリも、その気象条件から品質の良い力のある球根は出来るが、変動はやたらでかくなる訳だと思いました。(昨年からのフランス現地調査を含めての考察。)
98年に初めてN.Z・C.Hに行った時に、「恐ろしい。」と感じた事を、改めて思い出しました。
N.ZもC.Hも、作況を30〜40%も平気でぶらせてしまう位、様々な意味で変動要因が多い。(気象要因だけでなく…。)
面積の増減なんて、あまり気にしても意味がない。
オランダ産は1人1人の農家では、事件・事故が起きる事があっても、国・産地全体ではここまでぶれない。
私のC.H出張は、来週以降となりますので、細かい報告は、帰国後に…。
N.Zでも、こうなのだから、どんな見方になるのか?…ドキドキしています。
そして、凄く楽しみでもあります。
12年産南半球産全体概要
(C.Hの状況・栽培面積などは、あくまでも聞き取り調査です。)
N.Z産は
|
10年産 |
11年産 |
12年産 |
13年産(燐片養成面積からの予測) |
|
129ha |
147ha |
147ha |
152ha |
各社、増減ある中で、V.Zが減らしていました。
バッカー・アイランドは横ばいです。
C.H産は
|
10年産 |
11年産 |
12年産 |
13年産(燐片養成面積からの予測) |
|
287ha |
300ha |
262ha |
328ha |
合計 |
416ha |
447ha |
409ha |
480ha |
ソネ社が、Plamv対策の為なのか、91ha➔65haと大幅に減少。(エリアを絞り始めているとの事?オランダ切花農家委託栽培面積も減少。)
サザンバルブス社も、減少。125ha➔115ha(会社から遠隔地、広域な生産、委託栽培も。来週の出張では、二日間、この土地で宿をとる。)
他は、横ばいです。
ソネ社の栽培面積減少の意味は、国際市場に大きな意味を持つ。←特にアジア市場に影響大。P.O・Z.P社の考え方。(プラス効果に働くと思う。)
※いずれの数値も、P.O社 ジョンベルバート氏の、独自の聞き取り調査より、開花球栽培面積のみだそうです。
くれぐれも目安としてくれと、強調されていました。
面積減少から分析すれば、球数減少か?
それが、そうは簡単にはいかないのです。
定植間隔・栽植密度が違います。
種球サイズが違います。
そして、作況による変動が起きてしまいます。
加えて、10年産・11年産南半球産流通と状況が違うのは、11年産のオランダ産にかなりゆとりがある事、加えて、中国・台湾・メキシコ・ベトナムなどの、新興消費国の切花農家が儲かっていない事。
各国の球根輸入業者は、11年産オランダ産自身の、未販売在庫を心配しています。
まだそれらの国の輸入業者の仕入れ契約準備は、昨年までと違い、始まっていないとの事。
一部品種・一部切花農家直接販売している輸出業者は、もう始まると言っているケースもあり。(コンカドール・マニサ・ロビーナなど。)
日本も、もう1ヶ月位、遅れてくれて取引きスタートした方が、本年の切花市況もよく解るし、何よりも、12年産オランダ産球根取引のスタートを、定植作業が完全に終了してからの、5月〜6月以降スタートにもってこれる。(今年は、これが凄く大事。南が予測より早く始まっても…。頼むから急がないで…。)
12年産 オランダ産は、極端な面積増加をさせてはいけない。
現在、中国・台湾・ベトナムに出張中のP.F ONINGS社 フランス オーニングス氏によれば、新興国中、最大の中国・メキシコは、南半球産 取引開始を3月、「女性の日」が過ぎてから、と設定している様です。(なんで日本は急ぐの?ある意味、空気がよめていない…。)
12年オランダ産については、6月以降、オランダの「リリ-デ-ズ」が終了してから…。
よくよく状況を見据えて、今週・来週辺りからのスタートとなります。
必要な産地(農家)・品種・サイズ・コンデションは、昨年と若干傾向が変わる様ですが、作況予測・面積増減・Plamv問題・V.Z社事後対策などの理由により、重要性の高い地域の品種サイズは、かなり減少すると考えて下さい。
何でもよければ、どこでもよければ、数だけは、いくらでもありますが…。
それじゃあ困る!
動く時は一斉に動きますから、ついていきましょう。
まとめ
※最近の日本向けの品種・花色の減少傾向。(世界の球根栽培面積の中で。)
※Plamvに関わる、予測出来ない事故。(そして突然の生産停止。オランダ産
マレロ、12年産開花球、あるんですかねぇ?)
※11年産だけでなく、ここ近年南半球産で、最も日本シェアの高いV.Z社の事故。(日本中の会社で、ここから球根を買わない会社は無い…。)
これらを考えた時、南半球産の球根農家と、どういう風に付き合っていけばよいのか、考えさせられる年となっております。
11年産の最大のポイントは、流通集約リスクと、リスク分散のバランスを、改めて考えなければならないという事が、様々な場面で確認された年になったと思います。
生産地分散が、良い様に感じますか?
それでは、どの様に…?
※隔離免除以前の新潟産・北海道産の不安定感、隔離免除後のオランダ産の安定感、N.Z産・C.H産、そして将来流通予定のフランス産などは、気象変動が大きく、インフラも充実していない。
オランダ産の様な訳にはいきません。(流通期間がオランダ産に比べて短い為、経済変動の影響も、受けやすくなってきております。球根生産者の経営も年によって不安定。)
それぞれの国、地域の生産地、生産方法の特徴を掴み、輸出業者と力を合わせて、どの様な取引方法で、彼らを支え続けていけるのか?
そこが重要なテーマとなってくる様に思います。
単年度の結果では、はかりきれない…。
判断してはいけない…。
現在までに、輸出業者から聞き取った内容を、出張報告に付け足し、報告致します。
※明日以降、早目のご対応をお願いします。(頑張って確保します。)
以上
不明な点があれば、お問い合わせ下さい。
※追加情報
N.Z産 V.Z社関連(一部バッカー社含む。)
カサブランカ…かなり対応出来ると思う。
リアルト…1.5〜2年が減って、1年が増える。オーストラリアに注意。
シベリア…減少する。N.Z産シベリアは、足らなくなる気がする?
マーロン…減少する。オーストラリアに取られてしまった。
レクサス…増える。
ロンバルディア…増える。
マウレナ…減る。
サンナ…減る。
パンドラ…減る。
ジャスティナ…減る。
マルコポーロ…減る。
ティアラ…増える。
シグナム…増える。
アクティバ…横ばい。
ビビアナ…横ばい。
アカプルコ…横ばい。
コブラ…減る。
ルレーブ…調査中。18/20バッカー。使えますよね?
コンスタンタ1N…増える。
コンスタンタ2N…調査中。
ルシック V.Z 3/8…ぜひ導入検討願います。ルシック85%位、ルレーブ15%位、若干ぶれると思いますが…。低加温温室に向いている。フェニス・リド・カルーソ・マーロンも全然足らない。
※現地にて、球数ベースで聞き取りました。
※他、農家、業者からの聞き取りは、不正確すぎるので、まだお伝え出来ません。