平成21年3月31日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
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球根情勢報告
09年産南半球産百合球根価格表送付にあたり
平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。
09年産南半球産百合球根価格表を送付させていただきます。今回送付いたします価格表は、例年のご案内の仕方と違います。よろしくご確認下さい。
適応為替レートを通常2本立てとして、可能な限り「変動してもできるだけ、(1EURO=\160〜170.0になっても\150.0-で計算)有利なレートで計算できる様」に努めてまいりましたが、昨年9月以降の金融ショックの影響を少なからず残している状況と、先行きがあまりにも不透明な情勢の中で、変動リスクを残したままでは安定的な供給ができないという判断で、今回の価格表は、1EURO=\130.0-1本立ての案内とさせていただきました。(3月30日現在TTSレート 1EURO=\131.69-)
当社の状況は、現在までのところ約7,760,000球(NZ産約4,900,000球。CH産約2,860,000球。)確保されており、(08年産最終取り扱い数約6,900,000球。)皆様からのご注文は、約6,720,000球の受注となっています。大変ありがとうございます。
日本全体でのオランダ産百合球根の動き07年産/08年産
約131,900,000球(植防検疫数)/115,000,000〜118,000,000球
(2月末主要輸出業社聞き取り)
前年比約12.8〜10.5%の減少が予測されています。
(2月末までの入荷数は前年比約8%の減少となっている。今の所、輸出業社の減少予測値より減
少の仕方は少ない。植防検疫数3月16日調べ。)
当社の状況は、約38,300,000球/約35,200,000球(内約34,900,000球受注)
現在までのところ前年比約8.1%の減少を見込んでいます。
(3月末までの当社入荷数は前年比約5.6%の減少となっており、当社全体の減少予定値より少
ない。当社の場合、早期輸入率が増加した事になる。)
日本全体では、21世紀以降で一番輸入量の多い02年産の輸入量の、約165,800,000球からみると、
仮に08年産が118,000,000球輸入されたとしても、約29%の減少という事になります。(但し南半球
産がこの減少の穴埋めをしています。)
09年産南半球産百合球根については前年取り扱い実績よりも多めの在庫を確保したことになります。
理由は3つ。
@昨年発注ピーク時、約7,500,000球確保した球数が結果的に、約6,900,000球しか入荷できなかった。
A確保してあるCH産球根のうち、
Southanbulb社 |
約 |
1,100,000 |
球 |
Sone社 |
約 |
970,000 |
球 |
Vletter/Sone社 |
約 |
586,000 |
球 |
その他 |
約 |
200,000 |
球 |
となっている。
この内、Southanbulb社産の球根については、輸出業社レベルで目下農家との契約交渉中。発注数すべて入荷できるかどうかまだわからない。大きな不安要素となっている。
Bオランダ産透かし百合/L.Aハイブリットから、南半球産透かし百合/L.Aへの使用球根産地移動がいよいよ本格化してきた為。(増加部分の大きな所はL.Aの増加となっています。)
* 参考:N.Z産は輸出業社と農家間の契約はすべて結ばれている。
当社確保状況は
V.ZN.Z社+Bakker社 |
約 |
3,470,000 |
球 |
P.O社Bakker社/Vletter社含む |
約 |
785,000 |
球 |
P.O社Islandbulb社/Vletter社含む |
約 |
560,000 |
球 |
D.J社 |
約 |
90,000 |
球 |
となっている。
南半球産百合球根の生産地と取り扱い輸出業社は以下の様になっています。
N.Z産 V.Z N.Z社 V.Z社取り扱い(全輸入業社) ラカイヤ地区暖かい
Bakker社 P.O社及びV.Z社取り扱い(ほぼ全輸入業社)
Island Bulbs社 P.O社取り扱い(全輸入業社) → ネイピア地区暖かい
Southanflora社 D.J社取り扱い(全輸入業社) → ゴア地区 寒い
C.H産 Sone社/Vletter社 P.O社 Z.B社 バルデェビア地区
VWS社取り扱い(当社の場合) 暖かい。雨多い。(秋の気温地温の下がりが悪い)火山灰土。
Southanbulbs社 P.O社 Vdb社 広域。
VWS社取り扱い(当社の場合) 様々な気象条件・土壌条件。
Sunharvest社 P.O社取り扱い(当社の場合) → ロスアンジェルス地区暖かい
Sun and Breeze社 P.O社取り扱い(当社の場合) オソルノ地区・ピュエウエ地区近郊。
Chilianbollen社
GAV社取り扱い(全輸入業社) 夏秋の気温・地温のメリハリがある。
すでに多くの切花生産者の皆様は、各球根産地の気象条件・土壌条件から予測される、各々の特徴を生かし、使用用途に合せた球根導入を行っている事と思います。
ご案内の様に、今までVletter社新品種については、バルデェビア地区の生産しかなかった物が、N.Zラカイヤ地区・ネイピア地区、C.Hピュエウエ地区・オソルノ地区にも生産が拡大されてきています。可能な限り、日本各地の切花産地の気象条件・作型がカバーしてもらえる様、育種会社・球根農家にもお願いしていくつもりです。
特に、ラカイヤ・ネイピア地区については、P.O社/Vletter社との連携が重要となってきます。(農家はBakker社とIslandbulb社)今年はカリビアン、カルーソ、ベラドンナの3品種だけですが、2〜3年以内には、ラカイヤ・ネイピア地区の気象条件が活かせる品種導入が進んでくると思われます。(日本中に養成球販売を行っている当社のノウハウが役に立つ場面。日本だけが消費地ではない。球根栽培/販売は長期的視点に立たないと…。)
南半球産球根は、生産農家数が少なく、各々の地域で、気象条件・土壌条件が大きく違う、球根が切花用に使用される作型も北半球産に比べれば、世界市場に対してかなり制限されています。気象条件によっては、使わない国は全く使わない。又は全消費量の10%以下という国もある。
日本の南半球産消費割合は、全輸入量に対して07年産で約16%。08年産で約17%(推定)となっている。(当社の場合08年産で16.4%)この数字はあくまでも透かし/L.A/鉄砲百合すべての系統を含んでの数字であり、O.H/O.Tのみとするとすでに24〜27%くらいと推定されます。(当社の場合オランダ産養成球割合が高い為21%となっている)
台湾などでは、南半球産比率を増加させすぎて、(安い球根を輸入業社が競って輸入しすぎた。切花農家が悪いのではない。)切花出荷の作型集約が進み、冬場の切花価格低迷がここ2年間続いているようです。(対して日本は市場調整力が高いのでは?
O.H/O.Tを前年比3,000,000球減らしている。約12.5%減。どうしてですかね?)
日本の切花市場の1月〜5月期、消費能力と各国・各地域の、球根生産状況・品種構成などが、相当高い精度で伴ってこないと、これ以上の輸入量増加は危険なのだろうなあと思います。厳しい経済状況の中で、このことを意識した輸入状況整備がいよいよ重要になってきました。取り扱う球根品質管理も輸出業社との連携を良く取り、「良い物」を、というよりも「素性のはっきりした物」を、取り扱って生きたいと考えています。
南半球産は、栽培農家が自ら母球管理して、栽培している球根もあれば、オランダから母球を輸入する、又はオランダ産養成球を種球として輸入した中での、1.5年栽培・2年栽培など、様々な球根栽培方法が実行されています。過去の履歴だけでは品質の裏づけにならない様々な要因があります。
私達の立場では輸出業社とのさらなる信頼関係の構築、そして津南の方々が「TYS」を作った時の様に「輸出業社と球根農家の関係性が良好なものとなる」為の取り引きを、心がけていくのみです。
P.O社は圃場調査報告から、C.H産イエローウィン・N.Z産シベリアの一部分の対日供給を、断ってきました。(少なくとも当社に対して)
本年もよろしくお願いいたします。
詳細はお問い合わせ下さい。
森山 隆