平成20年5月9日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
新 潟 県 魚 沼 市 原1280-1
TEL. 025-794-2455
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球根情勢報告
2008年オランダ産百合球根価格表送付にあたり
(第一版5月9日付発行)
平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。
1990年代の前半には価格表(第一版)の発行が、5月/6月ぐらいになるのは普通の事でした。(当時は75%〜85%の仕入れを終わらせてからの発行が当たり前だった。)
2000年代になってから発行が、5月の連休明けまで遅れたのは、昨年に続いて2回目になるのではないかと思います。
重要な品種でも、まだ仕入れ価格が決定出来ていない品種もあります。(カサブランカ:TYS最大の生産者であるワールドフラワー社が生産をやめた、マレロ:クリンク社など、優秀な品質の農家と価格交渉中、などの理由により)
価格表のページ数が20枚になったのも過去最大となっています。(見積中の品種、仮に確保出来てもサンプルケースのみという品種が相当数含まれていますが・・・。)
表紙から説明文だけでも、13ページもあります。
こちらの情勢報告と合わせて、確認の為によく目を通しておいて下さい。
やや長めの情勢報告となります。宜しくお付き合い下さい。
生産状況
定植作業ほぼ終了。
定植開始はかなり遅れたが、その後天気に恵まれ作業は順調に進んだ様子。
定植後の天候は寒暖の差が随分ある様だが、全体としては暖かめとの事、定植遅れを回復させる為には重要です。
各々の品種事に、「はたして農家は植えてくれたのかどうか?」作業に追われている農家との連絡が上手くつかず、不明な品種も多々ある。極めて、不透明な状況です。
球根流通動向
当社の受発注契約状況
3月/4月のオランダ輸出業者の訪問を経て、協議を進め仕入れを開始しました。
4月末日現在、日本全体では約30〜35%の発注がされているという分析となっています。(P.O社・V.Z社・D.J社・Z.P社の分析)
埼玉の大手切花生産会社のグループは、すでに昨年対比90%の発注が実行されているそうです。(輸出業社コメント)
やはり大手の切花農家は基となる球根確保については「しっかりとした仕入方針」を持っているのだなぁと感心させられます。
当社においても、比較的規模の大きなオリエンタル系切花産地については、こちらからのアドバイスもあり、早めのスタートを切って頂きました。
例:堀之内花卉園芸組合・昨年比90%、津南・100%、十日町・85%、庄内みどり農協・必ず必要と思われるソルボンヌ・シベリアなどの特殊コンデションを中心に約55%(例年仕入れが遅い産地だが、中心品種についてはやはり85%以上。)
東北の大手オリエンタル系切花生産会社についても、少なくとも当社が納品させて頂く分については60〜90%近くの確保状況となっている様です。
発注球数 受注球数
07年産 20,070,000球 10,189,000球 07年4月末現在 前年最終取扱い予定数の52.5%発注
08年産 21,611,000球 15,755,000球 08年4月末現在 前年取扱い予定数の56.6%発注
発注ベースで 7.8%増
受注ベースで54.6%増 となっています。(4月末日現在前年同月比較)
これらの動きは、のちほど触れる為替管理の為にも本当に助かります。ありがとうございます。
一方で、当社の直接取引きをさせて頂いている最大の産地である埼玉県深谷地区のお客様には、こちらからのアドバイスもあり、注文を遅らせて頂いております。理由は、透かし/LAについては、相当慎重な仕入れ計画を進めなければならないからです。
「人間の真理ですがお客様からの注文が入れば、どうしたってオランダにも発注してしまいたくなるものです。」
私の性分ですが、空売りは絶対したくありませんから。
全国の確保率(主要輸出業者分析)に対して、埼玉大手切花生産会社グループと一部当社のお客様の動きは、儲かっているかどうかは別にして、明確な目標と原価計算がしっかり出来ているという事なのだと思います。
深谷地区の切花農家の皆様が、透かし/L.Aの注文を「待ってくれているのは」、しょっちゅう失敗はしていますが、「うちの事を信用してくれているのかなぁ」と感じています。ありがとうございます。
球根販売業者は、日本の切花農家に球根という商品を販売するという意識でなくて、日本の切花農家の必要とする原材料である「球根という農産物」の「仕入れのお手伝いをする」という所から、考えをスタートさせないと上手くいかないのだろうなぁと、こういう状況だから尚更、強く感じています。
球根価格動向
当社の07年オランダ産百合球根価格表 第一版 (H19年5月2日発行)がもし、お手元に残っていたら今回の価格表と比べて見て下さい。
適応レートは1EURO=¥157/¥162で計算されていました。(最終的には1EURO=¥156/¥153とやや円高レートで計算出来ました。)
今年は1EURO=¥151/¥153で見込み価格をご案内させて頂きます。(出来るだけ円高レートがつかめる様、当社部長が頑張るそうです。奴は去年のあの為替情勢の中で、オーストラリアドルとスイスフランで結構稼いでくれました。)
注目して頂きたいのは、当社仕入れ価=FOB価=オランダ港渡し価格/1,000球の価格です。
代表的な品種についてだけ、比較してみます。
|
サイズ |
07年産 |
08年産 |
|
|
ギロンデ |
12/14 |
95.00 |
88.50 |
|
|
モナ NO.40 |
12/14 |
125.00 |
125.00 |
|
|
ルノアール |
12/14 |
115.00 |
90.00 |
|
|
ベルメール |
12/14 |
95.00 |
75.00 |
|
|
ナボナ |
12/14 |
110.00 |
95.00 |
|
|
ブラックアウト |
12/14 |
119.20 |
115.00 |
|
|
リガタEVR/リガタV.Zセレクト |
12/14 |
135.00 |
125.00 |
|
|
セベコデジール |
14/16 |
121.95 |
105.00 |
|
|
セベネス |
14/16 |
160.00 |
130.00 |
|
|
パビア |
12/14 |
107.88 |
85.50 |
|
|
セラダ |
12/14 |
98.00 |
80.00 |
(記録的安さ) |
|
アルガーブ |
14/16 |
110.00 |
105.00 |
|
|
サムール |
14/16 |
112.50 |
105.00 |
|
|
カプレット/カプレットS-ES |
14/16 |
135.00 |
135.00 |
|
|
トロピックダイヤモンド |
14/16 |
165.00 |
155.00 |
|
|
クーリアー |
14/16 |
115.00 |
110.00 |
|
|
ゲリットザルム |
12/14 |
110.00 |
105.00 |
|
|
ブライトダイヤモンド |
14/16 |
150.00 |
128.70 |
|
|
リトーウェン |
14/16 |
170.00 |
148.00 |
(世の中にはまだ無い価格。) |
|
バティステロ |
14/16 |
167.14 |
145.00 |
|
|
ファンギオ |
14/16 |
127.00 |
105.00 |
|
|
アドバンテージ |
14/16 |
170.00 |
120.00 |
|
|
ロイヤルトリニティ |
14/16 |
135.00 |
117.80 |
|
|
ロイヤルトリニティ |
16/18 |
149.15 |
137.50 |
(記録的安さ=価格上昇すると思われる) |
|
インディアンダイヤモンド |
14/16 |
135.00 |
135.00 |
|
|
ルレーブEVR/ルレーブV.Zセレクト |
16/18 |
201.00 |
205.00 |
|
コンデション毎の価格差は |
ソルボンヌEVR/ソルボンヌN-ES |
18/20 |
300.00 |
236.90 |
| |
昨年と変わらないが随分安い。 |
ソルボンヌTL |
18/20 |
330.00 |
267.00 |
スタート価格としては記録的な安さ。 |
|
シイラ |
16/18 |
435.00 |
380.00 |
N-ESの価格は世の中に |
|
ビビアナ |
18/20 |
395.00 |
425.00 |
|
無いと聞いている。(現在時点) |
ロンバルディア |
18/20 |
200.00 |
218.00 |
| | |
|
メデューサ |
16/18 |
175.00 |
190.00 |
すでに価格上昇してきている。 |
|
ウィレクアルベルティ |
18/20 |
218.00 |
240.00 |
|
|
シベリアEVR |
18/20 |
280.00 |
233.30 |
コンデション毎の |
|
シベリアMAK |
18/20 |
295.00 |
245.00 |
価格差が減少。 |
|
シベリアTL |
18/20 |
309.55 |
258.20 |
スタート価格としては記録的な安さ。 |
|
シベリアMAKTL |
18/20 |
320.00 |
270.00 |
|
|
ノバセンブラ |
20/UP |
510.00 |
440.00 |
|
|
ロビーナ |
18/20 |
423.40 |
320.00 |
|
|
ロビーナ |
20/UP |
523.70 |
375.00 |
|
|
リアルトEVR |
18/20 |
262.00 |
225.00 |
|
|
リアルトTL |
20/UP |
315.00 |
285.00 |
|
|
グルーワイン |
18/20 |
379.95 |
381.00 |
|
|
アボカド |
18/20 |
400.00 |
400.00 |
|
|
ニンフ |
18/20 |
375.00 |
360.00 |
|
|
イエローウィンEVR/イエローウィンN-ES |
18/20 |
185.00 |
235.00 |
|
すでに価格上昇してきている。 |
イエローウィンTL |
18/20 |
220.00 |
250.00 |
|
|
カサブランカTYS |
22/24 |
360.00 |
317.00 |
| | |
コンデション毎の |
カサブランカEVR |
22/24 |
300.00 |
295.00 |
価格差が減少予定。 |
|
カサブランカTYS |
14/16 |
見積中 |
186.00 |
|
|
クリスタルブランカ |
18/20 |
325.00 |
257.00 |
|
世の中に無い。自社判断価格。(現在時点) |
個人的には、数字を分析するうえで、前年比較というのは「間違いの元」という考え方ですが、今回は2つの事がいえそうなので、あえて行ってみました。
透かし百合/LAは去年よりかなり安いです。
07年産12月時点の最大暴落時の価格とほとんど変りません。
という事は、スタートの価格が球根農家にとってみれば、すでにいくつかの品種は、「赤字」からのスタートということになります。
こんな事が本当にあっていいのかと思いますが、たった今の現実です。(世界情勢)
後半は、頼むから価格上昇してくれと、本気で思います。
球根は、安ければ良いという物じゃないでしょう。これじゃあ誰も球根を作れません。
モナNO40・リガタV.Zセレクト辺りの価格が、農家のギリギリの価格だと思って下さい。
オリエンタルは去年よりも安い物、高価い物、ほぼ同じ価格の物となっています。
ウィレクアルベルティ・イエローウィン・ロンバルディア・メデューサなどは、もう昨年の様な赤字価格ではスタートが切れないのです。(すでに上昇傾向。)
今の価格が「腕の良い」、「生産能力の高い」農家が作れるギリギリ価格だそうです。
オリエンタルの球根価格で最も注目して頂きたいのは、特殊コンデション N-ES・TL・MAK・TYSと、標準ないしEVRコンデション球の価格差が、昨年までと比べて、随分減ってきている事に気が付くはずです。
特殊コンデション球根も導入するのに躊躇する事なく、これなら大丈夫という価格になっているのではないかと思います。
特殊コンデション球根は、球根農家がギリギリ原価割れしない仕入れを行ったつもりです。(特にソルボンヌN-ESは本当は245EUROにすべき所を、当社及び当社仕入先が頑張って作った価格です。他にも数品種、そういう品種があります。)
勿論、EVRや、標準球についても可能な限り「良い農家の球根」、「良いロット」を輸出業者から確保する為に設定した仕入価のつもりです。
「もしかしたら後半、価格が下がってしまう品種。そういう農家の球根。」に対しては、非常に厳しく、残念な事なのですが購入する立場の人間からはどうする事も出来ません。
なんとか生き残ってほしい農家・輸出業者と、「粛々と前に進んで行くしかないのかなぁ」という考えに基づいての仕入価設定となっています。
良い農家の球根価格を買い支えれればと、願いを込めた仕入れ価格です。
「早く球根を確保した人に、品質的、価格的、有利性」が、維持出来る年となってくれればと思います。
品種名の後に付くマークの変更と内容の説明(目指す取扱い品質)
NO.40(ナンバー40)
モナについてのみ、D.J社が系統選抜したロット。
埼玉深谷地区の成績を見れば、他の農家の球根とはまるで違う事が良くわかる。草丈同一作型で10cm以上高い。採花期間のバラつき少ない。それなのに、標準球と対して価格差が無い。
V.Zセレクト(ヴィゼットセレクト)
リガタについては、そもそもV.Z社自社生産品しか無い。
07年産まで4ロットあった物のうち2ロットに絞った。
ルレーブについては、V.Z社自社生産品で、ロイター社ないしオリエンタルアンダイク社のどちらかは不明だが、それらの球根を原母球として、系統選抜を行ない、更にメリクロンをかけて再スタートさせたロット。
オランダ産とニュージーランド産がある。
06/07年産で好評だったオリエンタルアンダイク社産より、やや草丈が伸びるとの事。(ちなみにD.J社経由で買ったオリエンタルアンダイク社産ルレーブは、08年では生産停止となった。08年産のEVR球はP.O社扱いのロイター社産の球根となる。)
アクティバについては、栽培後期に低温に遭遇しても花シミ症状を出さないロットをV.Z社から選んで頂いたつもりです。
コブラ・ティアラなどもそうですが、やはり育種会社であるV.Z社の品質が1番安定していると思います。
D.Jセレクト(ディージェーセレクト)
インディアンダイヤモンドで使っていますが、やはり育種会社であるDe Jong社に任せるべきと考えました。残念ながら他社よりちょっと高価ですが、07年産で、ほとんどの会社が欠品しているのに(安く買いすぎると往々にしておきます。)、D.J社だけは欠品0球だっただけでなく、開いてしまった穴を埋めてくれました。実績はあります。
T(ターボ)
2年連続、燐片ないし、極小球養成球据え置き栽培早掘り。(早掘り=リスクの高い事を農家にしてもらっている。J.W社・V.Z社はやっていますが、他業者は絶対やりたくないそうです。)
促成作型についてのみ使用。標準球より根が強い。
TL(ティーエル)
2年連続、燐片ないし極小球養成球据え置き栽培遅堀り。
抑制作型についてのみ。品種により、又はその球根が栽培された年の気象条件にもよるが、目安として3月末〜8月末までの解凍。定植日ベースで9月15日くらいまでがベスト。
奇型花・花飛び・葉焼けの発生率が、夏場の作型で国産球並みに少ない。
一部輸出業者で間違った考え方をしている人がいるが、遅い作型になると凍害、アンテナ咲き等のリスクが標準栽培の球根より高まるので注意。
標準球より明らかに根が強い。(高温に対して、高E.Cに対して。)
2N(2エヌ)
2年連続、燐片ないし極小球養成球据え置き栽培普通堀り。
輪付きの悪い品種で有効。
標準球より一般的に輪付きが良くなる。
例えば、ビビアナで有効。シーラ14/16サイズなどで有効。作型はほぼ全期間有効。
Turbo・TL・2Nの共通のウイークポイントは、その球根栽培方法から(2年据え置き栽培)ウイルス罹病率が、EVRに比べてやや高くなる可能性がある。
本当に信頼がおける農家の物を扱いたい。(例えば、V.Z社自社生産品。)
標準球より明らかに根が強い。(高温に対して、高E.Cに対して。)
TYS(ティー・ワイ・エス:津南雪美人セレクト)
EVRコンデションの球根で生産者はオリエンタルアンダイク社・バルガー&ブランク社・ブラウワー社・エチテルト社・ホップマン社の生産。
津南の切花農家の皆様と、4年間の時間をかけて開発した。
燐片2作球(養成球)3作球(開花球)を約束してくれている球根。
狙いは多輪多葉ロットの混入を防ぐ。
P.O社・V.Z社・D.J社・J.W社が窓口です。
他、良品質マルコポーロ(J.W社扱い)で有名なランゲダイク社が、ワールドフラワー社の球根を母球として、増産を始めたロットがある。(まだ量は少ない。)
もともとのランゲダイク社のカサブランカは、4年間追跡したが、TYSにする事は出来なかった。
今年はEVRで販売するが、来年はワールドフラワー社母球分については、TYSに昇格出来るかもしれない。(V.Z社推薦)
ワールドフラワー社は「合わないからカサブランカ生産は辞める」そうです。(2年据え置き栽培球だけは残っている。)
10/12・12/14・14/16・20/22・22/24サイズは採算ベースなのだが、16/18・18/20が元割れなのが我慢出来ないとの事。大変残念です。
この動きが起きた為、TYSコンデション14/16サイズの欠品が決定してしまいました。
クリスタルブランカ約32〜35haをこの1社のみで生産していて、そちらの方が儲かるとの考えだそうです。
クリスタルブランカは08年産からはZ.P社1社の販売体制が解消となり、複数の輸出業者が取り扱う事となる様です。球根価格は乱高下する事になると思います。(ちなみに、07年産Z.P社のクリスタルブランカ総取扱い量は約12,500,000球だったそうです。)
N-ES(エヌ―イーエス:エヌ―エクストラセレクト)
EVRのコンデションで、ソルボンヌ・イエローウィンなどで最近よく発生する病気が、可能な限り入っていないロット。
ソルボンヌについては、P.O社・V.Z社2社で650,000球、Vdz社1社で30,000球、18/20サイズベースで確保していますが、正式に「どのロット」なのかを決定するのは、 6月/9月の出張時、圃場確認後です。
イエローウィンについては、P.O社・V.Z社の2社で確保してもらっています。
S-ES(エス―イーエス:エス―エクストラセレクト)
カプレットで使っているマーク。
実はV.Zセレクトという呼び方でも構わないのですが、木子養成球からの開花球生産と燐片養成球からの開花球生産があるうちの「燐片養成球生産からのロットを限定して扱おうと考えて、S(スケル)ES(エクストラセレクト)作ったマークです。
EVR(イーブイアール)
この説明が一番難しいのです。
オランダでは、球根のウイルス濃度についてランク分けがされています。
90年代後半、当社がこのロゴを使い始めた時は、養成球についてだけ使うはずだったのです。(確かに最初はそうしていた。)
この生産農家レベルにおけるウイルス濃度のランク分けはリーフテストによる物だけです。(従って、検査したタイミングのデータが元で、その後のウイルス羅病については公式には検査されていません。)
SとかSEクラス(ランクが上)の球根は営利切花栽培用へは、ほとんど出回りません。(農家がその品種を辞める時、時々市場に出回ります。過去にあれだけ駄目だったマッサという赤の透かし百合が、ロウソクの消え際の様に、急に良くなった事を覚えている人もいるでしょう。今年のオリエンタルアンダイク社のルレーブがやたら良いのは、ルレーブの生産を辞める為、S同等クラスが販売されたからだと思っています。)
※注意
時々リーフチェックレベルですが、SE同等クラス(SやSEは温室や網室で生産されなければつけられない。証明書が発行されない。)の品質を営利切花用レベルで納品してくれる農家がいる事はいる。(そういう農家を探しているのです。)
日蘭協定に基づいて、日本に輸入されてくる球根はウイルスについては「実質0%」という事になっているのです。
「B・K・D」、「オランダ植防」の管理システムが、日本国によって認められた、という事なのです。
この法律にケチをつける事は絶対にしません。
当社のEVRというロゴは90年代後半に、特にカサブランカ養成球の品質を向上させる為に、対オランダの球根業者・農家に、緊張感のある仕事をしてもらう為に「EないしEE」の証明書が間違いなくみせてもらえる取引きにしたい=特に輸出業者に、良い農家の球根を差別化してよこせ、という意味で作ったのでした。
その後、本来それは難しい事のはずなのに、切花用サイズの球根や、始めからS・SE同等クラスの品質しかない球根にまで、EVRという言葉が使われ始め営業対策上、当社も他社同様EVRというロゴを使う様になってしまったという流れです。(ちなみにオランダ輸出業社のコメントは「このおかげ」だけとは言いませんが、バイラス管理に対しての意識は、特にカサブランカを中心に、とても上がったという評価はしてくれている様です。)
分かって頂きたいのは「安い出物があるよ」という球根を買うのではなくて、とにかく良い農家の球根を買いたいという事で、なんとか差別化がはかれればと思って行っている事なのです。(安い物をごまかして高く売る為ではない。球根業界は他業種より、ちょっと真面目です。)
最近では「リーフテストではまだ危ない」という事で、特にカサブランカTYS養成球については、P.O社・V.Z社・D.J社・J.W社は全社的に燐片からのエライザーテストをやってくれています。(4種類のバイラスについて。)
多くの輸出業者は、ほぼ全てのオリエンタル系の、エライザーテストをやってくれています。(中国に輸出実績のある会社、輸出実績のある品種は基本的に全て1種類のバイラスについて検査しています。)
しかも彼らは、こうした努力を営業セールストークに使っていません。
本当に地道な品質改善・品質確保に向けての努力をしているなぁと思います。
「EVR」でも「EES」でも「セレクト」でも、呼び方は何でも良いのです。
それぞれの「輸出入業者の品質を高めたい気持ちの表現だ」と思って下さい。
ところで、その他の説明をさせて頂いたマークは、意味がちょっと違います。
生産される球根は、栽培地の立地条件や気象条件・栽培方法・種球の管理方法で、全く違う球根になってしまいます。
各々の特性を正しく理解して、各地の切花生産地で適作に使って頂く事によって、切花品質の向上・収益向上に繋がってくるはずです。
球根品質の差別化だけではなく、+αだと考えて下さい。
無表示
特別なマークが付ける事が出来ない位、量の少ない品種にはつけていません。(何年か前からV.Z社の新品種にEVRと付け始めていますが、本当に意味が無い。V.Z社自社生産球根は、ほぼ全てEEないSE同等ないしS同等クラスの品質しかないのです。温室で球根栽培していませんから、S.SEの証明書は出ませんが。)
古い品種でつけてない場合は、2つの理由があります。
付けられないぐらい悪い球根しか無い場合(又は、良品質球が当社ルートでは見つけられない)と、付ける必要が無いぐらいウイルス濃度が低い球根しか無い場合です。(リーフテストレベル。)例えば、リアルト・ロンバルディア・メデューサ・シンプロンでバイラス症状を見たことがありますか?その他の品質上の問題が発生しても、ウイルスは見たことがありません。これらの品種群の中で、良い球根をリーズナブルな価格で買おうと言う努力は、新しい品種以上に、一生懸命頑張らないといけないわけです。(古い品種ほど難しい。)
MAK、Amalanなどの生産会社名付きの販売
球根生産会社をはっきり示したロットの差別化。
東日本では、アマランのカサブランカから生産された切花は多輪多葉を、指摘されるケースがあるので、当社は積極的には扱っていません。(リクエストがあった時だけ。)
MAKのシベリア・マザーズチョイスは明らかに、他のオランダの球根農家と生産方法が違います。
とにかく、母球管理と養成球管理のレベルで、明らかに他農家のやり方と違います。
燐片養成球から燐片をかく。初めて聞きました。(もう1件MAKのやり方を採用している農家がいますが、その球根もすごく良い。Holland Lilie curture社のシベリアの事。Z.P社・P.O社・V.d.b社が得意先。間違いなく平均以上の品質。)
彼らの球根は明らかに価格も違う。(高価い)
その努力も認めて多少余計目に払う様にしています。
ところで、MAKのシベリア18/20サイズは全部で約2,700,000球位ある様です。
うち、当社扱い分が見込みで約1,850,000球の予定です。
現在までに約1,300,000球受注となっています。
ご理解頂き大変ありがとうございます。
再び球根価格について
セラダ12/14 80EUROとは、輸出業者相手先渡し価格の農家の手取り価格は、¥4.5〜6-/1球当り という意味です。
ソルボンヌN-ES18/20 236.9EUROとは、¥18.75/19.75/1球当り という意味です。
1EURO=¥152で計算した時。
こんな価格で球根農家が再生産出来る訳がありません。
今の価格水準とは、そういうレベルなのです!
それもトップクラスの球根農家の価格がですよ!
※球根価格が下がってしまっているのは、オランダ球根農家自身も、悪かった所も一杯あるんですけどね。(自業自得)
※球根農家の価格がこんなに安いのに、切花農家に渡る時の価格は「そんなに安くないぞ」、と思う人はぜひ、当社6月・9月・12月、特に12月の旅行に参加して見て下さい。
よーく理由をお見せします。説明させて頂きます。
為替管理について
今や日本において、FOB価開示型・適応為替レート開示型の、見込み価格をお客様にご案内をする会社は、少数派となってしまった様です。
当社はこのやり方が5年〜10年という長いスパンで考えてみても、自社マージンを低く抑えられる事と、約18ヶ月かけてその年の為替管理が出来る事が、必ずいつも円高レートだけ拾えるわけではありませんが、最終的には最もリーズナブルな管理が出来ると信じています。
1992年産(先代社長時代)に為替管理失敗による球根代金追加請求、¥65,000,000をさせていただいた事は、絶対忘れません。(もし追加代金をお支払い頂けなければ、今頃どうなっていたか・・・。)
94年産 ¥120,000,000 差益還元
95年産 ¥ 65,000,000 差益還元
98年産 ¥120,000,000 差益還元
04年産 ¥ 23,000,000 差益還元
07年産 金額未定 (\10,000,000〜\20,000,000の間をなる予定。)
計 ¥328,000,000 それなりにお返ししてきたつもりです。
あくまでも、原業(球根生産仕入販売)で頑張っていくつもりです。
本年適応予定の1EURO=¥151/¥153もかなり頑張っているつもりなのですが・・・。(5月8日PM20:00を過ぎてから、思い切って決めました。後は、部長の腕と私の決断力次第。時の運ですけどね。)
5月9日〜5月16日 オランダ出張予定。
5月17日〜5月19日 高知・津南 樺村農園様リリーフェスタ視察、台湾輸入業者案内の為。
しっかり勉強してきます。
本年も宜しくお願い致します。
以上
森山 隆