平成19823

お客様各位

株 式 会 社  山 喜 農 園

新 潟 県 魚 沼 市 原1280-1

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球根情勢報告

 

 

 

07年産南半球産百合球根流通状況(その2)

 

 

 

平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。

 07年産南半球産の823日現在の掘り取り結果をふまえ、下記レポートいたします。

 

 

 

日本

 

 

当社

 

 

 

 

ピーク時発注数

実輸入数

欠品率

ピーク時発注数

実輸入数

欠品率

 

Crop 02

14,000,000

11,897,000

15.0

6,300,000

5,600,000

11.0

Crop 03

14,500,000

12,082,000

16.6

5,200,000

5,000,000

3.8

 

Crop 04

不明

16,079,000

不明

6,000,000

5,850,000

2.5

Crop 05

23,850,000

20,289,000

15.0

7,700,000

7,450,000

3.2

 

Crop 06

25,804,450

22,083,000

14.4

7,100,000

6,750,000

4.9

 

Crop 07

26,581,100

25,756,550

3.0

6,777,950

6,643,950

2.0

 

 

Crop02の当社欠品率の高さは土付き事故の為

Crop04の日本のピーク時発注数は未調査の為不明

 

 

 

日本全体の欠品率からみれば当社欠品率は明らかに少なくなっている。

 実際のところ当社も全国並みの欠品報告をもらっているのだが、とにかくしっかりとした情報アンテナを張って、作況と各輸出業社毎の販売在庫状況をフォローし続けた結果、代替確保がうまくいったのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 国別/産地別輸入量  

 

 

 

07日本全体

 

山喜農園

 

 

 

 

 

 

 

 

 

球数

産地構成比率

当社産地別シェア

07球数

産地構成比率

06球数

産地構成比率

05球数

産地構成比率

04球数

産地構成比率

N.Z

ワイウク

(暖かい)

0

0%

0%

0

0%

0

0%

0

0%

0

0%

N.Z

ネイピア

841,550

3.5%

28%

236,975

3.5%

0

0%

0

0%

0

0%

N.Z

ラカイヤ

15,987,515

62%

29%

4,597,925

69.0%

3,099,065

46%

4,203,525

57%

1,785,925

31%

N.Z

ゴア

(寒い)

1,150,000

4.5%

15%

172,400

2.5%

294,250

4%

388,075

5%

307,250

5%

 

N.Z合計

17,979,065

 (70%)

(28%)

5,007,300

 (75%)

3,393,315

(50%)

4,591,600

(62%)

2,093,175

(36%)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

C.H

ロスアンジェルス

(暖かい)

366,125

1.5%

23%

83,975

1.5%

177,500

2.5%

55,600

0.1%

134,550

2%

C.H

バルデビア

2,889,935

11%

33%

955,550

14%

1,567,130

23%

1,412,752

19%

2,259,990

39%

C.H

オソルノ近郊

143,150

0.5%

17%

41,000

0.5%

89,900

1.5%

347,265

5%

441,125

8%

C.H

ピュエウエ

(寒い)

4,378,275

17%

13%

556,175

9%

1,510,215

23%

1,021,350

14%

905,300

15%

 

C.H合計

7,777,485

 (30%)

(21%)

1,636,700

 (25%)

3,344,835

(50%)

2,836,967

(38.1%)

3,740,965

(64%)

南半球産合計

25,756,550

(100%)

(26%)

6,644,400

(100%)

6,738,150

(100%)

7,428,567

(100.1%)

5,834,140

(100%)

 

    日本全体、山喜農園両方とも、チリ産の、オソルノ近郊とピュエウエ地区の数字が不正確。     

(どちらの産地なのか不明な供給がある。)

 

 

 07年産における日本全体の各産地構成比率はきわめて利にかなっている。

 

 暖かい産地であるネイピア、ラカイヤ、ロスアンジェルスの合計が67.0%に達している。推定された西日本、東日本のN.Z産の需要をほぼ満たしている。

 

到花日数が早いという素晴らしいメリットはあるが、ボリューム感・輪付き発根能力に不安を感じている、ゴア、オソルノ、バルデビア近郊、ピュエウエの合計は33.0%に留まっている。

 

 各産地の品種構成は当然違っていて、例えばラカイヤ地区にはまだVletter系の新品種は全く生産されていない。それらの品種が必要なら、選択肢は唯一バルデビア地区となる。したがって東日本の切花農家においてそれらの品種を選択することは、栽培上の難易性を高めることになってしまう。新潟の荒川、岩手の百合研究会などは悪条件の中で「どの品種」が栽培可能か一生懸命研究している。

 

 当社取り扱い分の産地構成比率の変遷は非常に興味深い。暖かい気象条件で作られた球根の価値が日本市場においてはそれだけで高いという事は、すでに02年〜03年頃にはわかっていた。(ちなみに他のアジア諸国、台湾、中国も完全に気がついた様子で圧倒的にラカイヤ産の人気が高い。)

 

 05年産、07年産は良い比率になっているが、04年産、06年産は「産地」を重視すれば決して良い構成比率とは言えない。この問題が起きてしまう理由は「その年々の各産地毎の作況」が原因。ラカイヤ産が良くても作が悪ければ十分な球数は確保できず、当然別の産地での手配を行わざるを得ない。これは球根という『農産物=種苗』の普遍的な特徴だと思います。

 

 東日本での事例を中心に考えをまとめていますので、どうしてもN.Z産の方に力が入ってしまいますが、「暖かい地域」で作られた球根には、それはそれで問題はあります。代表的な例が、当然暖かいので「アブラムシ」の飛散は寒いところに比べれば多くなります。したがってバイラスの進行は寒い地域に比べれば早く進みます。幸いラカイヤ地区の農家は自分たちの弱点もちゃんと理解してくれているので、きちんと対策を講じてここまでの所はまずまずの結果が出ていますが、例えばカサブランカなどでは問題になるケースも起きるわけです。

 

 

 

 

 以上のことから、当社の場合球根発注時どんな優先順位で購入決定しているかというと

 @ どの生産地で作られているのか

 A どんなタイプの球根農家か

 B 輸出業社は

 C 品種は

 

という事になります。

 

 言い換えれば、お客様から頂いたご注文は(品種は)どの輸出業社から、どの球根農家が、どんな気象条件で作った球根を確保すれば良いのかという様な順番になるわけです。(当社の仕入決定優先順位とちょうど逆になる)

 切花農家の皆様にも自分が確保したい品種はどの産地で作られているのかという事は実はものすごく重要なポイントです。又切花農家の皆様は「どの作型に」「どの産地の球根を」という考え方も持っていただきたいと思います。

 

 そうすることで9月上旬〜2月中旬まで、安定して南半球産球根が使えるようになれば推定27,000,000球くらいまでは消費できる様です。(1月上旬〜5月末間での推定オリエンタル切花市場流通本数が36,000,000本だったとした時=切花市場流通実績より)

 

以上

 

 詳細はお問い合わせ下さい。

 

 

森山 隆