平成181117

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球根情勢報告

 

平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。

 

 1031日から117日までオランダ/イタリアに出張してまいりました。

 最近の球根情勢をご報告いたします。

 

オランダ産百合

05年産

 

球根出庫も残すところ約450,000球となりました。10月末〜11月中旬までクレーム・事故集計を行いました。金額的には昨年の約50%ほどで済みそうな状況です。

 

シベリアの葉先傷害(凍害)が金額的には一番大きな事故となっています。この事故は凍害なのですが、「いつ」「どのステージ」で発生したものなのかが不明な為、未だ原因調査中です。(保障処理は実行してあります。)

 

  日本全体の球根輸入量は10月末現在146,862,000球(植防速報値)で04年産の入荷と比べて約1%減少となっています。

 

 

 06年産

  透かし百合  作況悪く16/1820/UPサイズ大幅欠品。イタリアなど大球使用国では、球根不足で大騒ぎになっています。10/1214/16サイズにはさほど不足感はない様ですが、球根価格は明らかに上昇に向かったようです。

         当社だけの傾向ではなく全国的傾向と思われますが、輸入量は相当減少するのではと予測しています。

 

  LAハイブリット  透かし百合同様作況悪く16/1820/UPサイズ大幅欠品。イタリア・スペインなど大球使用国では球根不足で大騒ぎになっています。10/1214/16サイズにはさほど不足感はない様ですが球根価格は明らかに上昇傾向に向かったようです。(透かしより強い)

 

      注意 西日本を中心とした傾向のように思いますが、LAの新規需要が生まれているようです。これは暖地での9/10月(11月)のオリエンタル系切花生産が地球温暖化の影響のためなのかここ23年厳しい結果が出ており、難しいオリエンタル系を避けてリスクの低いLAにシフトするという動きのようです。

 

         オリエンタル切花とLAハイブリット切花では切花生産販売方法がまるで違います。無計画に生産してもしっかりとした切花販売先が確保できていない生産はだめです。

皆の迷惑になります。

 

 

埼玉県深谷地区の様に3ヶ月〜半年〜1年前から市場に生産計画を提出し頻繁に打ち合わせを行い価格を形成していかなければいけません。いきなり市場出荷しても値はつきません。

くれぐれもご注意下さい。

 

  鉄砲百合   作況悪い。ホワイトヘブンの18/20は売れ切れ欠品となった。ホワイトフォックス、ホワイトエレガンスはまだ大丈夫のようです。

 

  オリエンタルOT 作況についてはまだわかりませんでした。

 

         透かし、LA、鉄砲百合とも作況が悪く、大球サイズの欠品が出ていることから球根市場はナーバスになっています。世界的にはオリエンタル球根は過剰感があり8月くらいから10月まで3ヶ月連続球根価格は下り続けました。10月末以降、透かし、LAの掘り取り結果が出始めてから「オリエンタル系の大球も欠品となるのでは?」との予測が出始め少なくとも「底値に到達したのでは?」という雰囲気のようです。

 

         代表的な品種の価格の動きは以下の通りです。

 

 

      カサブランカ  一番わからない。球根は売れてないようで、残るはずなのに価格が下ってこない。作が悪いという予測?

 

      クリスタルブランカ わからない。球根は売れていなくて残るはずなのに、価格は一度見直されて下げたが、更なる下げはまだ起きていない。

 

      シベリア    まだ底値に到達していない。作は悪くとも球根は売れていない。中国マーケットが買える水準まで下らないと「本当の底値」とはいえないというのがオランダ業社の考え。シベリアMAK、シベリアMAKTLは当社としては品質重要と考え在庫を作りました。

 

      リアルト    底値に達して価格上昇に向かった。05年産からの切花成績が良かったので消費は伸びるようです。価格はいまだにシベリアより安いので試験導入してみてはいかがでしょうか?

 

      ティアラ,シンプロン,ルレーブ,アクティバ,ロンバルディア,メデューサ,W・アルベルティetc.

            底値に張り付いたまま。上昇の気配はまだ感じられない。このままの価格で売り切れてしますように思う。

 

      コンカドール,マルコポーロ,パンドラ,シーラ,ジャスティナ,コンスタンタ、ノバセンブラ、ロビーナその他各育種会社の新品種

            価格に動きは無くほぼ売り切れ状態。むしろ欠品が心配な情勢。

 

      イエローウィン   価格がつかない。いくらが妥当な価格なのかまだわからない。

 

      ソルボンヌ   完全に底値に到達した様子。球根価格は上昇に向かい始めた。(市場価格約370.0ユーロ/当社在庫338.0ユーロ)

もしソルボンヌの作況が悪く、球根価格が上昇したまま販売終了すると、その他の色物オリエンタル系にも動きが出てくると考えられます。当社は相当数のソルボンヌの在庫を作って欠品が発生しないように準備しました。(その他の品種の欠品にも備えて)

 

 

  休眠打破の遅れ

      透かし百合、LA、鉄砲百合、オリエンタル系全般的に遅れています。掘り取り作業、選別作業、輸出業務も10/2週間遅れとなっています。(年内はほとんど球根が入らない)

 

       透かし、LAについては1220日過ぎまで球根は植えないほうが良い。

 

オリエンタル、OTについては品種品目、コンディションにもよるが(ターボ球)120日頃まで植えないほうが良い。

とにかくオランダは暖か過ぎなのです。(品質の為にも不安です。)

 

 

今回のオランダ出張は合計10名で行ってまいりました。

(切花農家6名・農協1名・普及員1名・当社より2名)

球根掘り取りの時期のオランダ輸出業社、球根栽培農家の作業を実際に球根を消費する日本の切花農家に見ていただけたことは私どもにとって本当にありがたいことです。来年の海外出張は以下の予定です。

 

   1月中旬 ニュージーランド (圃場品質調査)6日間

   5月上旬 オランダ  (新品種発表会)8日間

   6月上旬 オランダ  (育種会社選抜の状況、圃場品質調査)5日間

   7月下旬 チリ     (作況調査・球根品質調査)8日間

   9月上旬 オランダ  (作況調査)5日間

   12月上旬 オランダ  (作況調査・球根品質調査)5日間

 

 お勧めは6月と12月のオランダです。ぜひ参加してみてください。

 

 

 

国産百合

06年産

 津南遅掘り  選別終了。作況普通。暖かいので芽が小さい。

 K遅掘り   掘り取り開始・選別作業中。作は良くない。

 小清水産   選別作業中。作は良い。芽形成も良い。肥大し過ぎの傾向。

 

 

南半球産百合

06年産

 9/10月の球根出庫が昨年よりやや増加。特に9月が大幅に増加した。逆に10月出荷は減少している。(作型の前進化?)

 11/2月の球根出荷予定は昨年並み。(全国的には昨年並みから1/2月が増加?)

 

在庫球数約60,000球(輸入数の1%)

 

 06年産オランダ産の休眠打破が遅れているので12/1月定植用に使って欲しい。

 

 

 

以上、情勢報告でした。

 

詳細はお問い合わせ下さい。

 

                                         森山 隆