平成18911

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球根情勢報告

 

平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。

 

 830日より94日までオランダ出張してまいりました。

 現地球根肥培状況と合わせてご報告いたします。

 

オランダ産ユリ球根

 

05年産

 

 7月/8月の球根出庫が大変多かった。その分、9月/12月期の球根出庫が減少する予定。(確定的)

 8月いっぱいの球根出庫は比較的クレームは少なく驚いている。

 9月以降から8月出庫分の品質不良報告が始まってきた。(青かび、腐敗、凍害、ブラックノーズなど)

 

 日本全体では7月末までの輸入分は減少傾向になっていたが、8月単月の輸入量が約13,400,000球となり、過去最大の単月輸入量となった為、昨年同期間比では増減無しとなった。

 なぜ8月単月の輸入量が大幅に増加したのかの理由はわからない。9月/11月にも例年であれば600700

万球くらい球根が輸入されているが、仮に例年通りであれば、04年産の輸入量と変わらないということになる。

 透かし/LAの輸入量が下げとまったのであれば歓迎であり、オリエンタル系が減らないのであればマイナス要因となる。(南半球産オリエンタルが増加しているから。)

 

 

06年産

 

 98日現在約34,200,000球受注、昨年同期間比で約95%となっている。最終的に05年産と同等の数字になるかはまだわからない。

 

 LA・鉄砲ユリは注文が比較的早い様で、透かし百合・オリエンタルは比較的遅くなっている様です。

 すでにご案内させていただいておりますように、オランダ産百合球根の今後の価格動向は不透明な部分が多いです。

 

 下げ要因は@面積増加(オリエンタルについていえば球根が暴落した03年の栽培面積を超えています。)A為替要因B世界的な燃料代高騰C中国マーケットの不透明感

 

 

 一方、上げ要因も出てきました。作況についてですが、83094調査時では昨年よりも肥大が悪いように感じられました。

    例 8/10サイズが植えつけられたソルボンヌは普通16/18サイズぐらいになっていなければならないのに14/16が中心である。7月の異常高温のため球根がほとんど太っていない。8月に200mmを超える雨が降った為日照量不足となり、これもまた球根を太らせない要因となっている。

 

 9月/10月の68週間の天候でどれだけ作況が回復するかわかりませんが、18/20サイズがあまるほど出荷されてくる事はちょっと考えにくい情勢にはなっている様です。(天候が良くなれば作は回復することができます。天候次第です。)

 

 為替状況は、一時TTSレートが1EURO/\152.0を超えて、EURO統合以来の高価値を更新している状況が続いています。

 06年産オランダ産百合球根取引に適応する為替は非常に厳しい情勢となっていますが、少なくとも9月末日までにいただく(これまでいただいたご注文も含め)1EURO=\142.0/144.0で計算できるよう調整中です。逆に、101日以降については1EURO\142.0/144.0は適応不可能となる情勢です。

9月期在庫表については1EURO=\142.0/144.0にて発行予定です。10月以降は現状だと\147.0\149.0くらいにしないといけない状態です。この場合、9月末日で一旦為替レートを決定して円貨価格を決めます。その後の注文分については新レートでの円貨価格決定となります。

 

 

オランダ産チューリップ

 

06年産  98日現在約5,800,000球受注。昨年比約19%減少しています。全国的にも、1020%くらい減少が見込まれている様です。

 

     休眠打破が平均で12週間の遅れとなるようです。

日本向けの品質基準がクリアできないロットが多発して球根は大きく欠品、変更作業が発生しています。

     フザリウムも多い年となっているようで、品質にもやや不安を抱える年となっています。但し現在まで着荷した球根のみた目は良い球根となっています

 

 

南半球産百合球根

 

06年産

     発注ピーク時7,300,000球(球根買いすぎと判断しまして掘り取り前の35月期にペナルティーを払ってキャンセルをしました。)

     掘り取り直前の626日の段階では7,100,000球でのスタートとなっています。現在ほぼ欠品報告作業は終了し、約6,750,000球確保となっています。(内約100,000球在庫)

     従って欠品率は約4.9%となっております。

 

     日本全体では掘り取り直前の626日調整時では25,800,000球が確保され、明らかに過剰球数となっていたようです。(05年産の輸入量は20,3000,000球でした)9月7日に再調査したところ、球数は22,493,000球にまで減少していました。従って欠品率は約12.8%となった様です。

 

過剰だった輸入業社在庫もほぼ一掃された様です。業界には現在約7080万球の在庫があるようですが、これは在庫率が約3.5%という事になり量的に適正なものかどうかわかりません。

 

     先日約2ヶ月間かけて日本花卉球根輸出入協会、JA北魚沼、宮城県尾鈴農協様の協力を得て北は北海道、南は鹿児島まで全国の主要27市場の「百合切花販売流通状況」を調査しました。

 

 

     日本全国では現在160社を超える市場があり05年の売上は鉄砲百合を除く透かし百合+LA+OHOTの合計では約262億円となっています。

     流通本数は、154,233,000本となっていました。

     そして、その平均単価は\170.0となっています。

 

     今回27市場の協力を得まして021月〜066月までの「品目別」の月次流通本数と売上を調査させていただきました。(鉄砲百合は調査していない)

     全国で初めて透かし百合、LA、オリエンタル(OTLO含む)品目別の数字ができたと思います。

   *27市場で流通本数   74,082,122- 全国の約48

        販売額  \12,749,887,185-全国の約48.7

        平均単価 \172.0-    全国平均\170.0-

       となる資料です。(後日参加市場の許可を取ってから発行します。)

 

 

     資料によれば南半球産増加に伴い3月〜5月のオリエンタル切花流通量が確実に増加していることがわかりました。合わせて、出荷市場分散化が進んできたことが見て取れました。これは冬場の産地、冬場の時期に強く出ている傾向と思われます。市場手数料自由化、市場統合の流れにあっているかはその販売先により、正しいか間違っているかわかりません。ただ残る52%市場は平均単価が約168.0-だった事は事実です(27市場平均が\172.0だったことにより)

 

球根入荷状況

     すでに75%以上の球根がNZCH両国から出荷されています。品種にもよりますが納品も開始され始めました。全般的にやや芽伸び傾向を示している様です。様々な意味で作期拡大及びオランダ産球根定植時期調整いただきます様よろしくお願い致します。

     なお為替レートは1EURO=\141.0で計算いたします。

 

 

国産百合

 

06年産 新潟県産早堀り

      作況不良、収穫率、肥大率ともに近年では最も良くない。

 

    小清水産早掘り

      作況やや悪い。販売が順調だった為、9月中に売切れてしまった。これは生産が始まって以来の速さとなった。

 

    新潟県産遅掘り

      作況が回復しなければあまり良い年にはならない様です。

 

 

以上 情勢報告でした。

詳細はお問い合わせ下さい。

 

 

                                         森山 隆