平成18年7月10日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
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球根情勢報告 及び 05年産オランダ産百合球根在庫表
送付
平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。
7月10日付「05年産オランダ産百合球根在庫表」を送付いたします。宜しくご確認下さい。
球根情勢報告
05年産オランダ産輸入量について
山喜農園 約43,400,000球 約1.4%減少。
日本全体 未定だが6月末現在の入荷量は昨年同期間比、約7%減少。
予測の域は超えないが、約5%減少するのでは?と業界では分析している(約6〜7百万球減 少の意。すかし、L.A、鉄砲、オリエンタル合計で)。
5月末出庫分までは予測に反して冷蔵障害等の事故は無い。青カビ、リンペン腐敗、帯化、バイラスなどがソルボンヌでやや確認された。
06年産南半球産
発注状況 06年6月26日現在
山喜農園 約 7,100,000球。昨年比 約
4.7%減少(大手取引先仕入れ変更により)
日本全体 約 25,800,000球。昨年比 約27.0%増加。
11社の輸出業者に聞き取り調査を行い、10社より回答を得た。
今はまだ掘り取り選別作業中なので、今後の数字は動きます。昨年の例だと、発注ピーク時に約22,500,000球だった球数が、実際輸入された数は約20,300,000球となっています(納品率約90.2%)。
27%増加とは約5,500,000球という意味で、05年産オランダ産減少予測数(04年対比)に対して増加量が大きすぎる気がします。06年産の南半球産は来春の切花相場のためにもむしろ欠品ぎみの方が良いのではないかと感じています。
1月/5月期の日本の百合切花輸入本数は約1,100,000本ですから、国産オリエンタルの切花増加量は輸入本数が0本になってもまだ同期間の切花輸入量の4倍以上の増加となります。
作況 詳細は高知県樺村農園専務様のレポートを待つことにしますが、現在までに入った報告では、
N.Z産 アカプルコ 14/16 25%欠品
シーラ 14/16 55%欠品
ジャスティナ 全サイズ 約85%欠品
Chile産 ルレーブPUGS 16/18
30%予定より多く収穫
ソルボンヌPUGS 16/18、18/20 作況は平年作からやや良好とのことです。
イエローウィンPUGS 全サイズ 収穫はほぼ終了したはずですが、販売不振も影響しているようで、今のところ欠品報告は入っていません。
白系は全体に過剰感があるようなので欠品はむしろ歓迎です。
品質については後日レポートいたします。
06年産オランダ産(6月11〜14日出張報告含む)
7月10日現在、生育はほぼ標準まで回復したようですが、6月中旬までは10日〜2週間ほど遅れていました。
今現在の新潟県内の球根作況がそうであるように、バイラス圃場も少なく順調に生育しているようです。特に年齢制限(リンペン2作〜3作球)をしたカサブランカTYSはきれいでした。
価格は全体的には下降気味で、暴落の気配を感じる品種も出てきました(リアルト、イエローウィン、メデューサ、ロンバルディア、アクティバ、シンプロン、マルコポーロ、およびカサブランカ、ソルボンヌ、シベリア16/18サイズ以下)。
現在まで価格を下げるという情報はありませんが、クリスタルブランカの仕入れすぎに注意してください。07年産南半球産早生の白が相当増えます(ナイロビ、コンスタンタ、リアルトなど)。球根価格は06年産同品種価格の60〜80%くらいになりますから、06年産クリスタルブランカ18/20、20/UPより\40以上安くなります。
06年産南半球産の過剰感、中国マーケットに対しての不安感、06年産オランダ産の生産面積の増加予測、などが影響しているようです。
4月5日から6月21日まで在庫表発行を控えておりましたが、今後は毎月お送りいたします。
慎重に仕入を進めてください。
球根はあくまでも切花の原材料です。必要量の70〜85%は必ず確保してください(7月中に)。
06年山喜農園 試験栽培について
6月中旬までは『あまり期待』していなかったのですが、20日以降は驚きの連続でした。
イエローウィンより3日しか遅くない純白O.T(ハシェンダ)。
リアルトより早い白系オリエンタル(モントデマーサン、アーリントンなど)。
アルビソラとブランコを足して2で割ったようなマーティノン。
ソルボンヌより5日早いレディピンク(エンジョイ)。
ソルボンヌとほぼ同一開花のレディピンク(エナジー、マーベル、グラシア、レディピンクなど)。
ブルレスカは素晴しい強健種になると思います。
花持ちの良いロンバルディア、ルレーブ系の花色(カラベール、デュ・シャトーなど)。
ソルボンヌの枝を短くしたタイプ(多数)。
花粉が粉吹かない不稔性タイプ(アストリア、モンセラ、エンデュラ、カラベールなど)。
マニサより黄色が濃くて夏場でも上向き、コンカドール並みの輪付きで茎が硬くボリューム感のあるゴールドシティ(2年前から流通していた)。
また、アイスダンサー、クイックシルバーは高ECに弱く、温度変化に弱いことも確認できました。
レイクキャリーは花が小さくなりそうです。こちらよりブリアンコンが良いという意見もありました。
W.エクスプレスはやはり夏場の産地には必要不可欠な品種になると思います(球根サイズ14/16、16/18です。18/20はやや葉焼け)。
今年の試験栽培は大変収穫の多い年となりました。
到花日数の早さは、5月・6月の出張時の展示会や育種会社の温室ではわからなかったことです。
燃料高騰の折、早生種といわれるグループに厚みが出てくるのは大歓迎です。
ボリューム感があってスピードがあれば地元堀之内などの露地型産地の定植期拡大にもつながってきます。
夏場の産地の営農繁忙期分散は重要な課題でしたから、冬場だけでなく夏場の産地にも有効です。
透かし百合 オレンジに良い品種が出てきました。
ベンフィカ ベイトリクスとリガタを掛け合わせた様な品種。どちらの用途にも使える。
バリトン 早生なのに草丈伸びる。花色鮮明。花持ちが凄く良い。夏の作型に良い。
フェアフィールド L.AのR.トリニティに負けない。最初は春秋冬で試験してください。
L.A シレスタ R.トリニティの花を大きくして花色を2倍くらい濃くした感じです。
オリオロ、セベネス セベコデジールの代わりに夏作に使えそうです。
Vletter社 ピンク、赤、オレンジで深谷地区のL.Aセレクト部会にぜひ試験して欲しい品種がたくさん出ました。
Markliliy社 花持ちがVletter社の2倍以上の品種が多い。
De Jong社 複輪がつかない、草丈が伸びる営利種が多い。
昨年はちょっと『手抜き』をした独断と偏見の「百合コメント」でしたが、本年は本気で取り組むつもりです。
よろしくお願いいたします。
以上
森山 隆