平成18年3月13日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
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球根情勢報告
平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。
H18年を迎えて早3ヵ月も過ぎてしまいました。
昨年暮れの24日に「情勢報告」を行って以来、これだけの期間「球根流通」についてご案内しなかった事は「ホームページ」を立ち上げて以来、無かったように思います。
大変長い冬眠期間となってしまいました。
昨年暮れから、61年振りとも言われる大雪に見舞われた事、更には、中国マーケットのガタツキはあったにせよ、記憶に残る所では98年、99年産以来の球根不作に見舞われ、修正作業に大変手間取ってしまいました(05年産オランダ産百合球根)。
早いもので、06年産オランダ産チューリップ、百合の受注期を迎えようとしています。それらを中心にご案内させていただきたく、よろしくお願い致します。
N.Z.産チューリップ
05年産
ステージG到達が極端に遅れた品種があった。
この為、芽形成の早い品種は遅い品種に合わせた入荷を行わざるを得なかった。
結果として芽伸びが発生し、上位等級率を落としてしまった品種がでた。
06年産
掘り取り、カウント終了、納品予定数の確定が行われた。
05年産とは違い、芽形成のバラツキはほぼ無いと言ってよい。
昨年は、通常の年より1ヶ月以上遅れての入荷となったが、本年は順調な入荷となる予定。
05年産では、約1,000,000球が全国の輸入数となっているが、本年は更に増加する予定。
ただし、国産球、オランダ産プラスチック、アーリー、ターボ球とバランスを取った入荷となるはずな
ので、10月〜12月期の切花生産本数が増加するとは言えない。使用する球根が変わるだけだと考える。
オランダ産チューリップ球根
05年産
近年では、もっとも作況の安定した年となったようです。
事故は非常に少ない年となりました(あくまでも全体傾向)。
残念ながら、当社においては隔離検疫が免除となった80年代後半以来、初めて「海上コンテナ輸送中の
事故」に遭遇してしまいました。
本年3海上コンテナ輸入した無冷蔵コンデションのうち、1本のコンテナで湿度調節と換気回数設定に不具合が合った為「酸欠」による「不発芽」、「エチレン障害」による「奇形」、を多発させてしまいました。
対象となった球数は約150,000〜200,000球でしたが、大変なご迷惑をかける事となりました。
チューリップ球根輸入開始以来、今まで一度も経験が無かったのは「運が良かった」のでは無く、球根
輸入開始以来、船会社に維持していただけた輸送品質が平均以上の物だった事は、疑いよ
うのない事実です。(日本郵船様)
球根事故については、大きく分けて3つのケースが有ると考えています。
@ 球根生産時の作況による品質のブレ、及び関連して温度処理の不整合。
A 輸入時、出荷期間中、保管中の不具合。
B 納品後、切花農家サイドでの着荷後の球根管理、及び定植前後の管理。
今回はAに当てはまる事になるようです。
今後は、この様な事故を起こさぬ様、細心の注意を払って管理に努めていく所存です。
ご迷惑をお掛けしまして申し訳ありませんでした。
12月下旬以降、定植作型については「無冷蔵輸入」及び「9℃輸入」での流通を検討しています。
よろしくご検討ください。
06年産
すでにプラスチック、アーリー、ターボ球、標準球、価格表発行・発送済です。
ご確認下さい。
切花市場側は、危機感を持ち始めています。
05年暮れから06年4月までの推定切花出荷量は60,000,000本台の前半から更にそれを下回ってくるかもしれません。これはピークの96年(約123,000,000本)から見ると約50%まで減少してしまった事を意味します。
チューリップ単作で500,000本の切花を実行しても確保できる売上、所得は、相当厳しい水準になってしまっています。現状の市場が求める品質は依然低くありませんから諸外国からの輸入切花では消費者に受け入れられるものにはなり得ません。
やはり国内で生産された物でなければその他の草花との商品競争には勝ち残っていけません。
どうしても国産チューリップ切花が必要なはずです。
日本市場が絶対必要な本数が果たして何本くらいなのか、また、最低量まで減少すれば価格は回復するのか、06/07年産球根からの切花で見極めがついてくる様に思います。
慎重に計画を立ててください。
オランダにおける生産流通状況は、
1) 栽培面積減少 約9,600ha(久しぶりに10,000haを切りました)
2) 日本向け輸出可能ロットの減少(約8,500ロットが申請されている)
昨年は、約9,500ロットのうち約4,000ロットが輸出されたと聞いています。
品質検査が一段と厳しくなりました。
日本マーケットは厳しい品質要求がなされます。大量生産志向のオランダ球根産業にとって魅力的
なマ−ケットではなくなりつつあります(オランダ球根生産会社、一部の輸出業社)。
これが一番こわいのです(申請ロットが減ってきていると言う事は日本向け輸出意欲が低下してい
る、もしくは品質基準が日本のニーズと合っていない)。
3) ヨーロッパ切花市場はアフリカ大陸での気象災害の影響で安価な切花の輸入が減少(ミニバラ、カーネーションなど)、この為、チュ−リップ切花価格が安定していました(25〜60,000,000本/1農家当り、という大型切花生産が主流になりつつある。日本市場ではとても適用できない切花品質しか生産されていない)。
以上の様な理由により、球根価格はやや高価となっています。
この為、ドライセールマーケットに対して小さくて安い球根の輸出が抑制されるであろうと言われています。
切花市場にはプラスに働いてくれればと願っています。
営利栽培家向け球根は、真面目に品質追求する会社から買いたいものです。
南半球産百合球根
05年産
特別な報告事項は無し
06年産
ニュージーランド産…作況は良さそう
チリ 産…地域によりバラツキ有り
オランダ産百合球根
05年産
大きく欠品する事になった(98年産、99年産以来)。
考えられるだけの手を尽くして約43,300,000球の確保となっている。昨年(約44,000,000球)
昨対比 A・H減少、L・A増加、鉄砲百合微増、O・H微減となっている。
05年産は作況は悪かったが、中国市場の不安定から日本市場に在庫を振り向けた輸出業社が数件あった。
元々、日本市場にしっかり球根販売していた会社ほど欠品率が高かった。
「どちらが優秀?」と言えば、結果的に納品してくれる会社がありがたいわけだが、本気で日本市場を
考えてくれた輸出業社は真面目な仕事をしてくれていたはずなので、引取り量が減って少し可哀相だと思いました。
「長い目で見てどちらの仕事が私達にとって適切だったか?」
絶対忘れてはいけないと思います。
06年産
・透し百合L・A
仕入れ開始してください。
良い農家の球根は輸出業社の仕入れ営業がどんどん進んでいます。
価格変動は作況による所ですから秋以降動きがあるかもしれませんが、しばらくは安定から上昇傾向となります。
・鉄砲百合
絶対必要だと思う量は買ってください。
・O・H・O・T
作型毎、使用目的毎に様々なコンデションの球根があります。
日本全体では、オランダ産球根の消費量の伸びは無いように思います。
16/18〜22/24まで基本的に球数は充分にあると思います。
L・Aも同様ですが、用途が明確に決まっている以上その目的を充足していく事が大切だと思います。
その点を重要視して導入、検討願います。
本年より一部コンデション毎の名前を変更します。
どちらの呼び方でご注文いただいても結構です。
受注後、ご説明させていただきます。
前 新
備考
EVR EVR EないしEEの種球から生産した品質証明書を見せてもらえる取引き。
セレクト セレクト モナの一部、カサブランカの一部ロット限定。
NO40 NO40 モナのみにつけている名前、育種会社であるDeJong社の選抜ロット。
T 2E リンペンないし極小養成球2年連続据え置き栽培早掘り(1月〜3月定植向き)。
− 2N 〃 普通堀り(リン付き向上)。
(1月〜9月定植向き)。
TL 2L 〃 遅堀り(切花栽培環境が植物に
とって良くない時、
南半球産なら
12月下旬〜2月中旬頃。
オランダ産なら
5月下旬〜9月下旬頃。)。
− TYS 「津南 雪美人 SELECT」。EVRコンデションに加えて更に球根年令を限定した。
現在4ロットのみ対象、今後増えてほしい。
主にカサブランカ養成球を中心に考えている。
MAK MAK シベリアの育種会社であるMAK社の選抜ロット。
以上、情勢報告でした。
ありがとうございました。
森山 隆