平成171224

お客様各位

株 式 会 社  山 喜 農 園

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球根情勢報告

 

 平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。

 

 H17年中は大変お世話になりました。

 

 本年も昨年同様、全国的に様々な気象災害に見舞われ大変な年となってしまいました。

「災害が起きる事」を前提にした仕事をしていかなければならなくなったのでしょうか。

 

 「農業」「切花園芸」情勢も大きく変化してきています(政策的、経済的、流通状況)。実感は沸かないかも知れませんが、私達の業界も「底」はうった様に思いますし、今後の方向性に「見極め」のついた方々は「施設」又は「人的」な投資が始まる様です。

 

 ちょうど日本経済のバブル崩壊が1992年頃だったなら、10年以上経過して新しい経済の仕組みに向けて投資意欲が出てきているのに似ています。

 

 1996年〜98年が我が業界のバブル期だったとしたら、90年代〜98年に実行された「あやまった投資」=「不良債権」の処理も進み、生き残った人達がこの次の10年〜15年先を考え始めるタイミングを迎えつつあるという事なのだと思います。

 

年齢的には35才〜49才位の方々で、本年、当方に視察に来て頂いた中で15件位の方が施設増加、法人化に向けての相談を受けました。これは昨年まではなかった動きです。

 

 H17年に私自身、新しく取り組んだ事は間接的な取引をさせて頂いていた産地である北海道、九州、千葉、長野などに訪問して来た事です(多くの産地には初めて伺いましたし、5年〜10年振りに伺った所もありました)。

 

「百聞は一見にしかず」で市場や業界で言われていたイメージとは随分違っていた部分も多く大変勉強になりました。同行して頂いた種苗業社の方には「産地訪問時の見方」の違いに驚かれた様子で、お互い収穫の多い年となった様です。この事は2年振りに出張してきた中国についても同様です。

 

 又、オランダにも4回出張してまいりました(本年は南半球方面へはチリに1回のみ。来年はニュージーランド1回、チリ1回、掘り取り期に出張予定です)。

うち2回は、地元・魚沼市(旧堀之内町)、津南町の農協・農家の方にも参加して頂き、5月期以外の実際の球根生産流通現場を見て頂きました。

 

 3年連続同じ球根栽培会社の栽培圃場、施設を見て頂き「交流」とまではいかなくても「私達の思い、願い」が少しは伝わったかなという手応えも感じています。これは、カサブランカ養成球品質を向上させる為には大きな効果があったと信じています。

 

 基本的には何も変わっていませんが「原点回帰」して「見直しを図る」事が出来た1年だったと思います。

 

 

 

 

 H18年は、当社百合試験栽培の充実を計り、より多くの方々にお越し頂き交流を深め、業務の改善、取り扱い品種の充実、球根品質の向上につなげて行きたいと考えています。

 

 H18年もよろしくお願い致します。

 

 

オランダ産アイリス球根

 

 04年産(抑制用)

2,000,000球 取扱い。昨年比約21%減少。

  1ロットで5%〜10%の腐敗事故が確認されました。

  同一ロットでも使用作型、当該球根を使用した切花産地、施設条件等で大きく事故率が違った様です。

  全体的にはここ数年では最も球根のコンディションは良かった様です。

 

 05年産(促成用)

200,000球 特にコメントは無い。

 

 05年産(抑制用)

導入検討中。

  すでにVAN ZANTEN社、JAN DE WIT社から報告が入っており、抑制用に確保してある球数は昨年より

  激減してる様です。

  早めの対応をお願い致します。

促成      抑制      合計

オランダ産アイリスは 01年  未調査          10,480,337球    ―

             02年 11,849,700球  11,318,505球  23,168,205

             03年 10,919,980球  11,355,620球  22,275,600

             04年 11,788,015球   8,554,915球  20,342,930

             05年 12,852,497球    未 定     未 定  

              昨年比:(9%増加) :(24.7%減少) :(8.7%減少)

  トータルの輸入量は減少して来ている。

  抑制球が激減、促成球が増加傾向となっている。

 

  アイリス切花の輸入量はまだ定まっていない様子で年間輸入量は大きく変動しています。

             02年  4,405,710本(内12月単月輸入量 1,949,670本)

             03年  2,999,811本(   〃       998,601本)

             04年  4,891,590本(   〃      1,565,500本)

05年           2,700,000本(11月末まで。12月分は含まれない)

※ アイリスの切花は、12月と3月の2ヶ月でその年の切花輸入量の73%内外を占める様です。

 

 

オランダ産フリージア

 

 05年産

昨年同様欠品が相次ぎました。

  しかしながら、切花農家がそれらの欠品に対して品種変更を受け入れてくれました。

  結果として事故率が下がり、品種更新も進んで来た様です。

 

 

 

 

 

 

 

N.Z.産チューリップ

 

 05年産

日本全体で 約970,000球 入荷

一部ステージG到達が大きく遅れた品種がありました。

  これにより、箱内定植作業が通常の年より大幅に遅れ、一部ロットが極端な芽伸びを引き起こしてし

  まいました。

  同一ロットを使用していても、切花産地毎に採花率は様々な様です。

  利益率はともかくとして、12月末に集中的に生産計画を立てた産地の採花率が最も高くなった様です。

 

 06年産

導入検討中

大幅な輸入量の増減は起きないと思います。

 

 

オランダ産チューリップ

 

 05年産

※ 10年振りに 1,200,000球 前後の取引が復活したお客様がいます。

  この為、全国の動きとは一致しません。

  当社取扱い数   約 7,200,000球 昨年比 300,000球 減少

  内ドライセール用     40,000球 昨年比 420,000球 減少

  営利栽培家用   約 7,150,000球 昨年比 100,000球 増加

 

 営利栽培家用

  アーリー/プラスチック/Turboなどの超促成   2,160,000球 昨年比 210,000球 増加

  標準球                      4,990,000球 昨年比 110,000球 減少

 

 全国

  7月〜11月までの輸入量 193,846,000球 昨年比 23,700,000球 減少

月次推移で見ると  7月 〜9月まで  昨年比   18,890,000球 減少

                           10月は 昨年比  5,317,000球 減少

                           11月は 昨年比   467,000球 増加

 

  日本全体のチューリップ球根輸入量と月次輸入量を商品の動きと捉えれば…

  ・ドライセール用    減少

  ・超促成営利栽培家向け 減少

  ・1月中旬以降切花用  横ばい 

となる様です。

  ほぼ輸出業社のコメントと「一致」した流れとなっています。

 

 作況

  一部10月中に植え込んだコケット、Gラプソディとそのスポートは、日本サイドの定植時環境が主因と

  思いますが、ややボリューム不足等があった様です。11月以降定植分については新潟県内、埼玉県深谷

  地区のみの確認となりますが、ここ数年では考えられない位の良い出来になりそうです。

  青カビ腐敗が少なく、発根も順調です。

  切花相場が安定してくれる事を願うばかりです。

 

 06年産

検討中。今年は輸出業社がゆっくりとしています。

 

 

 

国産百合球根

 

 05年産

作況は悪かった(全国傾向)。

  販売は順調です。

  04年より力が少ないと思います。

  小清水産はまだコメント出来ません。

 

 06年産

販売スタート

  驚いた事に、ドライセールマーケットが品質について話し始めました(差別化して商品化)。

  本年は合計12回以上のミーティングをホームセンターのバイヤーや卸問屋の方と行いました。

  まだ一部百合、水仙などについてのみですが、これらの動きが球根類全般に広がり、当然切花について

  も結び付いてくれればと願っています。

  品質対価格の2極化がはっきりすれば切花農家の目標も立て易くなるはずです。

  建築業界も大騒ぎになっていますが「中身」が評価される時代はすぐそこまで来ている様です。

  「ふんどしを締め直して」頑張りたいと思います。

 

 

オランダ産百合球根

 

 05年産

 

 作況

あまり良くない様です。

 

 品質

まだコメント出来ません(昨年は12月にオランダ出張したが今年は行かなかった)。

 

 流通状況

中国マーケットの動き方次第

  中国百合業界は切花価格が低迷し、元気がありません。

  今後の05年産オランダ産百合球根流通にどの様な影響を与えるかは分かりません。

  (06年産のスタートにはかなりの影響を与えると思います。)

   当社取扱状況は

 

12月末受発注状況

最終取扱い数

05年産

05年産

42,922,450球発注 1222日現在

41,690,175球受注    〃

未定

未定

04年産

04年産

約 42,485,000球発注

約 41,384,000球受注

約 44,023,000

03年産

03年産

約 45,045,000球発注

約 43,473,000球受注

約 46,330,000

02年産

02年産

約 43,913,000球発注

約 42,246,000球受注

約 44,396,000

01年産

01年産

約 40,923,000球発注

約 40,133,000球受注

約 43,519,000

 

 

 

 

  03年産/04年産では、約5%の減少となっていますが全国的にも約9.7%の減少ですからこの流れで良

いのだろうと思います。

  05年産の最終取扱い数が最終的に何球になるかはまだ分かりませんがすでに分かっている事は、当社が

  取扱う輸入百合球根(南半球産含む 国産含まず)の総販売球数の平均価格が98年産以来、久しぶりに

  50円台に戻ったという事です(50.8円 流動的)。

  過去2年間の平均価格は41.7円、42.9円でしたので約20%の価格上昇となっています(為替の影響分

  は約2.2%)。

  当時の切花価格と現在の切花価格は実はあまり変わっていません。違いは当時より市場流通平均品質が

  大幅に良くなっている所ではないでしょうか。

  この点を踏まえ、品質を維持改善し生産計画と販売計画の強化をお願い致します。

 

 06年産

  準備中

 

 

南半球百合球根

 

 05年産

  取扱い数 7,450,000

  1222日現在、球根出庫は残すところ約 460,000球 となっています。

  取扱い数に対して約6.2%という事になります。

  昨年は、12月末で約3.5%位が年越しの出庫となりましたから幾分増加した様です(良い傾向だと思い

  ます)。

  品質については、ニュージーランドもチリも04年産比較で良くなっている様です。

  特にソネ社の輪付きは随分良くなった様です(但し葉枚数はやや少ない ニュージーランド産、

  De Jong社扱い分もやや少ない 但し到花日数は短い)。

  まだ9月/10月出庫分しか分かりませんが事故は昨年も少なかったですが、更に減少すると思われます。

  昨年は12月/1月の低温に苦戦された方がおられた様ですが、くれぐれも温度を下げ過ぎない様、お願

い致します。

 

 06年産

  1222日現在      7,140,000球 発注

           6,720,000球 受注  となっています。

 

  昨年よりかなり取引きが進んでおります。

  本年は大手取引先の仕入変更により当社はやや減少を予測していますが、これは全国の動きにはまった

  く当てはまりません。

  当年は11件の輸出業社にコンタクトを取って調査した所、約 24,670,000

  の注文を日本市場から受けているとの事です。(H171222日現在)

  05年産ではピーク時で約 22,300,000球 程の球数が確保され、(H1735月期)実際の輸入量は約

  20,000,000球 程となる様です。

  06年産の日本市場の需要増加の要因は埼玉県深谷地区の大手切花農家グループが、昨年比 1,000,000

  球以上のオランダ産から南半球産への変更が実行される事が一番大きい様です。

  日本市場の消費力はどの位あるのか、まだ見極めはつきませんが、いずれにしても冬場のオリエンタル

  の平均品質は相当良くなって来ると思います。また、この南半球産使用作型の増加はオランダ産球根の

  流通数、各々の産地の作型などに、様々な影響を与える事になると思います。

  夏場の産地の方も「自分たちには関係ない」ではなく、全体の動きとして流れを掴んでいて欲しい所で

  す。

 

 18日より12日まで中国(上海、昆明)に出張してまいります。

 宿根草生産の生産計画の為です。

 後日、ご報告致します。

 

 

 

 

 以上、H17年最後の情勢報告になると思います。

 大変ありがとうございました。

 

 H18年もよろしくお付き合い下さい。

 

 ありがとうございました。

 

森山 隆