平成17年10月29日
お客様各位
株式会社 山喜農園
新潟県魚沼市原1280-1
TEL 025-794-2455
FAX 025-794-4168
2006年産南半球百合球根 価格表送付について
(\138/140 = 1EUROにて計算)
平素よりお引き立ていただきまして誠にありがとうございます。
05年産の納品もちょうど50%くらいまで進みました。今のところ順調です。
なお05年産は¥136=1EUROで計算しました。まずまずの為替管理ができたと思っています。
(販売期には¥138/140でご案内していた)
近年の南半球産の取引き開始時期
02年産 11月上旬取引き開始。品薄時代。
03年産 11月上旬取引き開始。品薄時代。
04年産 2月上旬取引き開始。定植後、約5ヶ月。オランダ産でいう7〜8月だから、開始時期としては遅い。
05年産 12月上旬取引き開始。当社自身、地震の影響が無かったとはいえない。
輸出業者に待っていてもらった。
06年産 10月中旬取引き開始。やや早いが、定植中ないし定植直後。
オランダ産でいう4〜5月くらいだから適正な時期。
本年もいよいよ始める時期になったようです。
生産流通状況
ニュージーランド産
日本においてはどちらかといえば評価の高いのはNZ産。主要品種であるソルボンヌ、シベリア、カサブランカについては驚いたことにやや面積減少。コンスタンタ、シーラ、ウィレクアルベルティ、ティアラ、ルレーブについては横ばいからやや増加。
マルコポーロ、シンプロン、リアルトなどは日本以外のマーケットでの需要も強いため増加傾向となっている。
重要性が高い品種・サイズについては確保を進めて欲しい。
品種選択のポイントはいくつか考えられるが、まず到花日数。燃料価格が高騰している状況なので重要なポイントになる。
この時に気を付けて頂きたいのが上根の強さ。特に低温伸長性のある品種を選んで頂きたい。
早生の品種は一般的に上根が弱い品種が多いが、ルレーブ、コンスタンタなどは大変優秀(逆に高温にはもの凄く弱い)。
CH産との兼ね合いもあるが南半球産使用作型は品種特性と球根産地別の特性を考えれば、初期に比べれば作期は大幅に拡大できる(NZ産の評価が高い理由は上根の強さにある)。
中生から晩生系の品種(一般的に根が強い)ソルボンヌ、シベリア、ウィレクアルベルティなど、耐凍保管性のある品種を使えば、西南暖地では1月中下旬、中間地で1月下旬、東北・北陸では2月上旬くらいまで使用範囲が拡がる。
抑制栽培を行う感覚で温室の設定温度を考えればオランダ産よりも到花日数の大幅短縮が期待できるし、品種と球根導入産地が適切なら、品質を維持し出荷時期計画も立てやすくなる。
一方、植え付けの前進化は物理的・技術的に難しい。
休眠は破れている品種はある。しかしニュージーランド・チリともに比較的、夏が暑く秋の温度の下がりが遅い産地が多い。このため、球根の充実を考えて掘り取り期は以前より遅くなってきている。
日本ではほとんど知られていないが、ヨーロッパではフランス産の球根があるがその掘り取り期はオランダ産よりもかなり遅くなっている。早い作型にこの球根を使っても良いことは無い。
「06年産南半球産百合球根価格表送付について〜平成17年10月29日」
やはりどんなに早くとも9月最終週(使用品種は本当に制限されるが)〜10月の第1週あたりからと考えて欲しい。
05年産は品揃えができたのは10月20日以降だった。
10月28日現在、
NZ産 1,868,300球/4,594,225球 が出荷されている。(41%)
CH産 1,759,917球/2,864,757球 が出荷されている。(61%)
繰り返しになりますが、南半球産でもNZ産は作期拡大のためには重要度が高いと考えられます。
重要性が高い品種・サイズは早く確保してください。
チリ産
生産量、生産品種数の多さと生産農家数の多さ(NZ産と比較して)から世界的に消費されている(NZ産はわりあい日本及びアジア集中。距離の影響もあるでしょう)。
生産量は大幅に増加予定。日本マーケットで重要度の高い品種でも潤沢になってきている。
世界市場では南半球産の知名度は上がってきてはいるものの、オランダ産中心の経営から南半球産導入を行うのは日本ですら数年かかった(オリエンタル切花農家が12ヶ月間球根定植をしない国=品質重視市場)のですから、ここにきて増殖速度が消費拡大速度を超えてしまう傾向が生まれるように感じています(いわゆる過剰感。品種によりサイズにより)。
本年より産地の違いを明確にするために品種コードを分けました。
通常通り品種名のみで記載する球根は、日本市場で最も流通数の多かったソネ社および、気象条件・土地条件が似かよった産地の球根に適応します。品種名の後に『PUGS』といれたのはピュエウエ地区にて生産される球根に付けました。サザンバルブス社を中心に気象条件、土壌条件、種球条件などに明らかな違いが認められて、なおかつ当該産地の取り扱い量が増加するからです。
当社が国産球を扱う場合、使用目的に合わせて県別・産地別・掘り取り時期別に販売していますが、いよいよ同様な方法を取れることになってきたようです。
球根価格も重要ですが、最も重要なのはおのおのの球根の特性をよく理解して、いかに高い切花品質を作ることが重要かと思います。
バルデビア産
ソネ社およびヴレッタ社 生産面積はまだ確定していないが、仮に増加しても十分な処理能力を有する。
オランダ輸出業者とのコンビネーションもよく取れていて、書類関係、物流関係ともにバンザンテンNZ社、バッカー社、サザンフローラ社と同等のレベルにまで上がってきている。(以上、ニュージーランドの球根会社)
04年産の豊作時、05年産の凶作時でも情報面、流通面でしっかりした仕事ができたことは高く評価できる。かかわるオランダ輸出業者も専門職員をおき、輸入者に大きな不安を与えなかった。
早い納期分の対応では、この凶作・数量変更の中でよくこなしたと思う。この点はすごく重要なポイント。
10月〜12月上旬(東日本では11月末)の作型では、納品の精度と到花日数の速さが活かせるのではないかと思います。
この会社しか作っていない品種では12月上旬以降の定植も考えていかなければなりませんが、品種選択とサイズ選択は十分検討いただきたいです。
ピュエウエ産
サザンバルブス社 本年より、品種名の後に『PUGS』と付けて販売する球根。過去2年間の取り扱い実績ではNZ産の球根にも負けていない。気象条件、土地条件から考えると適応できる作型はかなり広くなる。NZ産と併せて可能な限り広い作型で使って欲しいが、心配な点が無いわけではない。まず、栽培面積が昨年比35%以上増加するということ(準備が追いついているか?)。種球条件はリンペン栽培が主体だが増殖速度が速すぎる。時間をかけた力の強い球根ができて欲しいが…。
3輸出業者以上が関わっているが、サザンバルブス社側は良く頑張ってくれていると評価できるが、輸出者側の対応が追いつくかどうか?
05年産は3輸出業者合計で約2,600,000球の対日輸出が行われる予定だが、06年産は本年10月末日現在、1輸出業者のみで5,000,000球を超える販売状況とのこと(本年、事務処理で失敗が多かった会社。その割には販売順調)。
03年産、04年産の結果から急速に人気が高まり、処理能力を超えることになれば02年産、03年産のソネ社のようなトラブルも心配される。
幸いNZ産同様『強い球根』ができてくれることが期待されますから、使用時期としては11月上旬〜1月中旬(西日本)、1月中下旬(中間地)、2月上旬(東北・北陸)ぐらいで考えていただければと思います。
ロスアンジェルス産
サンハーベスト社 サンデ社の品種が多い。遅い作型でも力を発揮するはずの気象条件。
その他の産地
現在あまり検討していないが、一部の重要品種が生産されているので扱うことになると思うが、調査中。
※ 04年産、05年産では日本が輸入したイエローウィンは全数量把握をすることができた。06年産については生産量の大幅増加と日本以外の消費開拓を目指して独立販売方法が選択された。したがって各輸入業者が独自に輸入することになるようですから球数の把握はできなくなります。
昨年よりは少し早めに始まることになりますが、気象条件、作型に合わせた産地の球根を導入していただくには早めに動いた方が良いと考えます(仮に後半に価格が下がっても)。
よろしくお願いいたします。
森山 隆