平成17年3月4日
お客様各位
株式会社 山喜農園
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バンザンテン社情報
平素よりお引き立ていただきありがとうございます。
先日オランダのバンザンテン社より、チューリップ球根生産の現状についてレポートが参りましたのでお伝えいたします。以下は、バンザンテン社レポートを和訳したものです。
ここに、現在の生産面積の状況と市場動向について、皆様にお伝えいたします。
生産面積情報
すべての春に開花する球根の中で、生産面積の最大のシフトは、チューリップとクロッカスにおいてなされました。チューリップにおいては9%、面積で947haの減少となり、クロッカスでは、15%、102haの減少となりました。
この生産面積の減少を、当社では少し別の観点から分析したいと思います。チューリップについては、以下のように説明することができます。
この生産面積の縮小は主にトライアンフグループに起因するもので、486haの減少となりました。ただいずれにしてもこのグループが、最大の生産面積を誇ることに変わりはなく、5331ha(2004年は、5817ha)の生産面積となっています。またその他の、シングルレート、ダーウィンハイブリッド、スピーシーズ(原種タイプ)、フォスタリアナのグループも、相当の面積の減少となっています。
品種ごとに検証していくと、黄色の品種の減少がかなり深刻な状況であるといえます。
具体的に品種を挙げていくと、モンテカルロは354haから272ha、82haの減少となりました(2001年には、649ha作られていた品種です)。ヨコハマも、65haの減少となっています。ゴールデンアペルドーンは現在117haとカウントされていて、これは、49ヘクタールの減少を意味します。
同様に、イルデフランスといった品種も、318ha(2004年比較、43ha減少)に減少しています。紫色の品種(ネグリタ、パープルフラッグ、パープルプリンス、アッティラ等)も大きな減少がありました。
つまり、非常に大きな面積を持っていた品種のグループほど、同時に、相当の面積を減少させたといえます。唯一の例外としては、リーンファンダーマークが挙げられ、面積はほぼ横ばいとなり、昨年同様に非常に大きな面積を持つチューリップとなりました。
これらの減少させられた品種とは対照的に、いくつかの品種では面積の増加が見られます。最大の面積増加品種はストロングゴールドで、116haから145haになりました。そのほかの面積増加品種は、ダイナスティ、ガブリエラ、カンフー、シナエダオレンジ、パラーダ等です。
これらを踏まえ、2004年産の結論といくつかの比較で持って、2005年産の当社の展望を説明したいと思います。
まず、2004年産について分析した時、昨年の球根は、肥大という面では我々の予想以上に良かった、というより、むしろこれ以上ない位最高の肥大状況であったと言えます。
その結果、当社では、2004年産の球根は約3億球(通常の予測より多く)の余剰が生まれてしまったものと推測しています。それらの余剰の球根は、昨シーズンのマーケットに大きな圧力を与え、その為、球根価格は下落していくこととなってしまいました。
生産者は、彼らの余剰球根を売るために輸出市場に圧力をかけ続け、最終的には、彼らの在庫を終了させるために、価格を削って販売を始めてしまったのです。
それでも、全ての生産者が、彼らの余剰在庫を売り切ることはできず、それらのうちのいくらか(特に、ドライセール向けの品種は売り切ることが非常に困難でした)は、廃棄処分とならざるを得ませんでした。
もし、今我々が、2005年産の球根について意見を述べるとしたら、以下のような説明となります。
まず始めに、2005年産の球根の肥大は、平年並みと予想すべきと考えます。つまり、
これだけで、既に約3億球の収穫の減少を意味することになります。
第二に、947haの生産面積の減少を計算しなければなりません。これは、約4億球の減少ということを意味します。
これらを併せると、以下のように結論付けることが可能となります。もし、2005年産の球根の収量が平年並みであるとすれば、我々は、既に2004年産の球根数に比べ7〜8億球減少していることになります。我々は、この事実が、今期のトータルのビジネスに少なからず影響を与えるものと考えています。つまり今期は、より安定的で、健康的なマーケット状況になるものと予想しております。
以下は、チューリップのグループ別の面積の推移を表にまとめたものです。
グループ |
01/02 |
02/03 |
03/04 |
04/05 |
ダーウィンハイブリッド |
1,066 |
1,013 |
978 |
878 |
ダブルレイト |
403 |
414 |
420 |
403 |
ダブルアーリー |
1,220 |
1,208 |
1,090 |
1,008 |
シングルレイト |
467 |
478 |
442 |
357 |
シングルアーリー |
475 |
461 |
430 |
378 |
フォスタリアナ |
187 |
194 |
192 |
164 |
フリンジ咲 |
179 |
183 |
180 |
172 |
グレイギー |
310 |
281 |
264 |
235 |
カウフマニア |
149 |
152 |
130 |
97 |
百合咲 |
284 |
267 |
242 |
237 |
原種タイプ |
146 |
139 |
134 |
122 |
パロット咲 |
469 |
454 |
436 |
432 |
トライアンフ |
5,254 |
5,645 |
5,817 |
5,331 |
ビリジフローラ |
53 |
56 |
57 |
58 |
不明 |
139 |
139 |
168 |
160 |
合計 |
10804.78 |
11085.63 |
10981.61 |
10033.76 |
切花市場情報
クリスマス前の切花価格は、おおよそリーズナブルといえる水準で、その状況は1月の中旬まで続きました。その後価格は幾分下がり、1〜2週間低い価格で推移しました。ただ球根代にもならないというほどの悲惨な状況ではなかったように思います。2月の第一週から価格は再び上昇し、リーズナブルからむしろ良いと言えるような水準を維持し、バレンタイン以降は、本当にグッドといえる価格水準となっています。ここまでは、今期の切花シーズンは、少なくとも毎年短期とは言え必ず存在していた、どうにもならないほどひどいとか、手に負えないほど安いといったことは無かったと言えます。
今期の当初の予測は、現在の状況とはまったく違ったものでした。球根価格が暴落した事、売れ残った膨大な量の球根が切花生産に回されるのではないかという憶測、またいわゆる暦上のアーリーイースターとなっている為に、今期の切花シーズンは短くなってしまうということ、これらの市場に対するプレッシャーにより、切花価格もいつかは大暴落を起こすのではないかと予測されていました。
しかしながら、結果的には現在に至るまで、切花価格は非常にリーズナブルという水準を維持し続けています。
これらの切花価格の状況と生産面積減少の情報により、オランダならびにヨーロッパ域内の切花生産者は、今期の球根の仕入れを今から開始するものと予想しています。
別紙、最重要品種の面積動向の要約を添付いたしました。
この情報が皆様への有益な情報となることを期待します。詳細は、お手数ですがお問い合わせください。
バンザンテンフラワーバルブ社
ハンスダーメン
ヨハネスノアー
以上。