平成16年11月1日

お客様各位

株式会社  山喜農園

新潟県魚沼市原1280-1

TEL. 025-794-2455

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球根情勢報告(1)

 

 

 平素よりお引き立ていただきありがとうございます。本日(11月1日)より住所が魚沼市に変わります。

 

 

新潟県中越地震について

 

 

 今回の地震について、皆様に大変ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。また、お見舞い・励ましのご連絡をいただきましたことを感謝いたしております。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

 地震関連情報としてFAX/ホームページにて3回ほど状況をお伝えしてまいりました。未だ余震が続いておりますが、これが最後の地震報告になってほしいと願っています。

 

 地震が地球の修正作業だとしたら、向う100年は中越地区に地震が無いことを祈っています。

 

 

冷蔵庫内保管球根の状況

 

@N.Z.産チューリップ(箱植え凍結球)

 品種により、芽伸びにともなう葉傷み等が心配されましたが、地震の影響によるダメージは無く、10月29日にJA越後中央様よりトラック便を仕立てていただき、全量引き取り完了しました。

 

A04年産オランダ産チューリップ

 地震発生時、冷蔵球/無冷球合わせて約600,000球保管されていましたが、約5,000球が混種のため出荷不能となりました。

 

B03年産オランダ産百合・国産百合

 地震発生時、約1,500,000球が在庫されておりました。倒伏による被害は約1,400球ほどでした。地震前にいただいていた出庫指示分、10月25日(月)〜29日(金)分は全量出庫が完了しています。先週出庫指示いただいていた分、または既にいただいている11月1日(月)以降出庫分についても、随時作業を進めておりますが、完全回復にはもう少し時間が掛かります。ご迷惑をお掛けします。

 

C04年産南半球産百合球根

 地震発生時、約 2,000,000球 が在庫されておりました。倒伏による被害は約25,000球でした。地震前にいただいた出庫指示分、10月25日(月)〜29日(金)分は11月1日・2日に出庫予定です。先週出庫指示いただいていた分、または既にいただいている11月1日(月)以降出庫分についても、随時作業を進めておりますが、完全回復にはもう少し時間が掛かります。ご迷惑をお掛けします。なお、先週出庫予定分については、10月の冷蔵賃適応といたします。

 

 

 

Dその他

 芍薬の定植作業、鳴子百合の掘り取り作業など、天候による影響もありますが、計画よりやや遅れ気味となってしまいました。先週の土曜日には津南産遅掘りの入庫が始まっています。球根の肥大は良いようです。本日より調整作業に入ります。

 

 

道路の復旧状況(11月1日現在日々復旧が進んでいます)

 

 関越自動車道は練馬→新潟県魚沼市小出インターまで上下線とも開通しています。国道17号線から252号線に入るルートも仮復旧が進み通行可能となりました。ほぼ正常回復となっていますが、マンホール等の浮き沈みがあり、まだ荒れています。国道252号線から117号線→北陸自動車道へは、いくつかの迂回路を設置し、大型車通行可能となりました。上信越道/中央道についても同様です。

 

 今後、降雪時除雪作業のための道路路面整備が急がれるところです。

 

 

04年産 輸入球根入庫状況

 

@オランダ産チューリップ

 先週入庫予定の球根は、11月2日に当社到着予定となっております。その後は予定どおりのスケジュールとなります。

 

A南半球産百合球根

 先週入庫予定の球根は11月2日,5日,6日に入庫予定となっております。こちらの入庫作業が一番遅れてしまいました(道路状況と冷蔵庫内の復旧作業が一番大変で、入荷待ちをしていたことにより)。完全回復は順調に進んでも11月8日くらいまで掛かる予定です。早めの出庫指示をいただきますよう、よろしくお願いいたします。折り返し出庫可能日をご連絡いたします。

 

 

04年産オランダ産入庫計画

 

 早いもので、来月早々にはオランダ産球根の入庫がスタートします。後ほど報告いたしますが、オランダの球根栽培農家の掘り取り放棄(大球販売不振による)などがあり、確保の遅れが起きるようです。既にご注文いただいている分、または新規発注分で2月上旬までに納品を計画されている方は、大至急納期指示をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

 

03年産 百合球根事故処理について

 

 10月中にいただきました球根品質不具合分については検討を行い、事故処理額の確定作業を進めております。11月第2週には郵送にてご案内いたします。処理案について疑問な点等ございましたらお問い合わせください。

 

 その後発生した事故についても大至急ご連絡ください。甚だ恐縮でございますが、当社は11月が決算月となっております。本年の事故は期中に処理を行い、できるだけ来期には回さないよう努めてまいりたい所存です。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

球根情勢報告(2)

 

03年産高温保管アイリス,04年産新堀アイリス(共にオランダ産)

 

 一部5%〜10%の間で腐敗が出るロットがあったようですが、少なくとも過去2年間の品質に比べれば良くなっています。取引輸出業者を変えず、品質向上/改善に努めてもらった結果が出せる年になればと、お客様と共に願っているところです。

 

 

04年産オランダ産フリージア

 

 取扱い数は大幅に減少し、本年約300,000球となっています。国産フリージア球根の供給の安定から、新しい品種、国内での球根生産が限られている品種についてのみの取り扱いとなっています。

 

 当社自身積極的な営業はしていません。切花農家自身の研究で新品種が導入され、試験されている状況です。球根品質が不安定なため、取り扱う業者も切花農家も必ずしも儲かる商材ではありませんが、切花市場における有利性確保のためにも継続させていきます。

 

 

04年産オランダ産チューリップ

 

 当年取扱い予定数 約7,400,000球、前年比約2%減少。ドライセール用は大幅増加しました。営利栽培家向けは約7%減少となっています。

 

 全国的には、9月末日までの入荷数は前年比約22%と大幅に増加しているようです。当社のドライセールの増加と同じ動きだと考えています。営利栽培家向けの取扱い減少は、全国の動きと一致しているかどうかはわかりません。当社の場合、11月/12月切花出荷用球根が激減し、1月中旬以降採花用は微増となっています。

 

 

05年産N.Z.産チューリップ

 

 調査が遅れています。申し訳ありません。ただし、本年の採花状況,市況結果を見てからの検討で充分に間に合います。結果を見てからの検討で良いのではないかと思います。

 

 

04年産国産鳴子百合 中里産,津南産,堀之内産(自社生産分)

 

 本年の作況は産地によりまちまちですが、約70万芽取扱い予定です。近年では多い方で、見た目の品質は、まだ自社生産分の掘り取りが済んでいないためわかりませんが、農家からの出荷品は良いようです。予定どおり出荷できればと期待しています。

 

 05年用,06年用の定植作業は終了しています。

 

 

04年産国産芍薬 見附産,赤塚産,津南産,堀之内産

 

 本年の作況は産地/品種によりそれぞれ違いますが、まずまずではなかったかと思います。3年前から生産用株の全面温湯処理を進めてきています。元々ネマトーダに強い「春の粧」「氷点」の生産量が増加しており、それらの品種については温湯処理が遅れていますが、その多品種については80%以上処理を進めてきました。品質改善が進んできています。

 

 05年産,07年産用の定植作業は85%終了しています。

 

03年産国産百合

 

 球根出荷はほぼ終了しています。輪付きの悪い品種がありました。種球持込なのか原因がわかっていませんが、ソルボンヌでネマトーダの発生ロットがありました。バイラス発生は近年では最も少ない年だったようです。

 

 

04年産国産百合

 

県内産早掘り球

 ほぼ販売終了。生産球数の減少と作況の悪さから、品薄感があった様子です。促成切花用球根については4℃で保管中です。

 

県内産遅掘り球

 10月30日(土)に津南産の入荷が始まり、今週より調整作業に入ります。着荷状態では良い球根に見えます。地温が下がっていないようなので、12℃にて保管しています。

 

03年産オランダ産百合

 

 追加報告事項はありません。

 

 財務省統計によれば、前年02年産9月末日までの入荷量との比較で約3.5%、約6,000,000球入荷量が減少しているようです。最終入荷数も減少となるようです。

 

 

04年産オランダ産百合

 

※鉄砲百合

 球根販売不振により、圃場廃棄面積が全体の25%にもなる情勢だそうです。

 

※透かし百合,L.A.

 球根販売不振により、圃場廃棄面積が高い割合で発生しそうとのことです。詳細はまだ掴めておりません。発注済の球根がきちんと納品されてくれればと願っています。

 

 10月中旬の輸出業者訪日時のコメントでは、昨年比50%以上の注文を受けている輸出業者はほとんどなかったようです。大幅に取引が遅れているのか、それとも透かし百合/L.A.の対日輸出量が激減するのかもしれません。

 

 当社の状況は発注が昨年総取扱い数の約 78%

       受注が        約 70%

 

 透かし/L.A.の2大産地である埼玉県深谷地区及び新潟県魚沼地区(旧堀之内)が、計画維持のために早期発注が進んでいる関係で、全国平均よりは進んでいるようです(輸出業者コメント。事実は不明)。

 

※オリエンタル/

 O.T.ハイブリッド

 球根価格の高騰が続いておりましたが、どうやら高止まっている情勢のようです。一部Turbo球を除き、掘り取りは始まっていませんので、作況についてはまだ報告が入ってきていません。輸出業者の訪日時調査では「前年比90%〜95%の取引進捗状況なのでは?」とのことです。

 

 当社の状況は発注が昨年総取扱い数の約 90.0%

       受注が        約 86.5%

 

 となっており、全国の動きとほぼ同等からやや遅れ気味となっているようです。これは04年産南半球産取扱い数の増加と05年産南半球産およびオランダ産導入計画の変更を予定しているため、調整が行なわれているのが原因と、お客様からは聞いています。導入計画の調整はまだ続いているようです。

 

 

 さらに分析を進めれば、03年産オランダ産は全国的には約5,000,000球〜6,000,000球の輸入減少がほぼ確実な情勢ですので、当社の取り扱い数の前年比約2,000,000球の増加は調整の遅れを意味していたのかもしれません。営利切花用球根を専門に取り扱う業者としては取扱い数減少は残念なことですが、切花農家の経営基盤が品質面/計画生産確立を中心に強化されるのであれば「それも有り」と考えています。

 

 

 今後ともよろしくお願いします。

 

 

04年産南半球産百合

 

 特別な報告事項無し。

 

 

05年産南半球産百合

 

 世界的なオリエンタル系球根不足の年を迎える情勢ですので(04年産/05年産オランダ産)、南半球産の生産面積は微増の予定ですが、球根価格は大幅に上昇するようです。260〜300EURO/1000球当たりだったソルボンヌ16/18〜18/20サイズは、産地にも因りますが15%〜35%もの値上がりとなるようです。カサブランカ,シベリア,シンプロン,イエローウィンなど流通の中核をなす品種については、ほぼ同様の傾向を示すようです。元々高めの設定をされた品種の価格は中核品種の価格にやや近付き、日本の切花市場においてソルボンヌ,シベリアよりも評価が出にくい品種については04年産並みの価格となるのではとの予測です。本当は「04年産オランダ産の球根作況」そして「04年産南半球産からの切花作況」がわかってから、来年2月くらいからの取引開始となれば良いのですが、全体的な不足感から04年産よりは早めの取引となるようです。

 

 

 以上、「地震の影響」と「球根情勢報告」ということで、やたらと長い文章となってしまいました。

 

 詳細はお問い合わせください。ありがとうございました。