平成15年12月28日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
新潟県北魚沼郡堀之内町原1280-1
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球根情勢報告
本年も大変お世話になりました。
一般経済界ではバブル崩壊後10年、「失われた10年」といわれておりますが、私達花卉園芸業界、特に切花業界ではH10年約4,200億円の売り上げをピークに、H13年に3,500億円前後まで売り上げを落としてから「遅れてきたバブル崩壊」という言葉で表せるくらいの「未曾有の減収期の真っ只中」といえる状況ではないかと思います。
この2年間なかなか「目に見える回復」が感じられません。
花卉園芸を一部の趣味家/業務需要という限られたマーケットのものから「一般消費材にしたい」という願いから、素晴らしい健闘をしてきた鉢物/苗物(エンドユーザーにより近い商品)も、ある意味そのことに成功したといえるようで、景気の低迷の影響を色濃く受けて厳しい時代を迎えているようです(球根ドライセールマーケットも同様です)。
一般経済界ではごく一部に「明るい兆しが見え始めた」とのことですが、当社の先代社長の言葉を借りれば「世の中の景気が上向くとき、そこが園芸界のどん底だ」と伝え聞いています。「種苗生産販売業」を家業として私で4代目を迎えますが、就業して10数年、先人の行なってきたことをもう一度思い返す時だと思います。
平成年代に入ってからの園芸バブル経済状態を、10代/20代/30代/40代/50代/60代/70代各々の世代でどのように感じ過ごしてきたかは当然違うと思います。今の厳しさの受け止め方も人それぞれだと思います。
最近の目まぐるしい変化の中で(本当に変化しているのでしょうか?)「先が見えにくい」「1年後・2年後すらもわからない」といわれる事がありますが、「明日来る明日」も「1年後に来る明日」も「10年後に来る明日」もそれほど違わないと思えます。「10年前の自分」が今日の自分とどれだけ違っているかといえば「何も変わっていません」。強いて言えば、10年前の自分は「10年後何をしているか」とは考えていなかったようです。「明日はどうなるか」と考えるより「10年後何をしたいか」と考えれば、この次にすることの答えが見えてくるのではないかと思います。今日「昨年12月28日発行の球根情勢報告」を読み返して、そんな感想を持ちました。
来年もよろしくお願いいたします。
オランダ産アイリス
02年産抑制球
切花相場は厳しい展開となったようです。03年11月17日発行の情勢報告から現状まで、大きな変化はありません。
03年産(04年抑制作型用)
先日、大手の切花産地からの発注が入りまして、現在約2,500,000球の取り扱い予定となっております(前年比99%)。花卉園芸業界が厳しい中、実績を落とさない「継続する力」のある生産地は凄いと思いました。「ブルーマジック」という品種の凄さも改めて感じます。
ニュージーランド産チューリップ
03年産
報告事項無し。
04年産
12月27日付で「見込み価格表」を配布しました。ご確認ください。
オランダ産チューリップ
03年産
流通状況
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9月時点での全国輸入数予測 |
215,000,000球 |
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11月 〃 |
205,000,000球 |
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12月27日現在での 〃 |
215,000,000球 |
(10月までの輸出統計より推測)
後半に営利向け(2月〜3月切り用)と公園栽培向け輸入が増加したようです。
販売状況
品質
一部の不具合を除けば、前年比較で大変品質良好といえます。
出庫状況
現在までに約95%出庫。残り約350,000球。全国の流通とリンクしているとはいえません。
04年産
例年と時期をほとんど変えず「バンザンテン社/ヤンデヴィット社プラスチック栽培価格表」「ヤンデヴィット社アーリー球価格表」を発行させていただきました。ご確認ください。
「バンザンテン社アーリー球価格表」「ハークマン社ターボ球価格表」は年明け早々の発行予定です。
ニュージーランド産同様1EURO=¥133−で計算していますが、為替の動きは大きく変動しています(どちらかといえば円安傾向)。
作付け環境は前年同様良好。面積も大きな増減は発生していません(作況により吸収できる範囲の増減)。
国産百合
03年産
現在、促成温度処理された球根の出庫が始まったところです。抑制用についてはプラスサイドの温度処理を行っています。
04年産
1月早々に最新価格表(改定第3版)をお送りします。養成球の事前確保量を少なめにしてありますので、リスト以外に購入を希望される品種がありましたらお早めにお知らせください(種球03年産オランダ産確保の都合上)。
オランダ産百合
02年産
特にコメントはありません。
03年産
鉄砲百合
今年は取り扱い数が増加する年です(当社のみの動き)。予定どおり01年産並みの水準となりました(98年以降隔年で増減を繰り返しています)。
透かし百合
前年同様減少傾向です。
前年とほぼ同様の取り扱い数となるようです。過去3年間で透かし百合の減少と相俟って急速に増加しましたが、透かし+L.A.を併せて計算すると前年比でやや減少する見込みです(当社のみの動きかもしれない)。
オリエンタル+O.T.ハイブリッド
南半球産の減少については何回かご報告させていただいておりますが(やや減少/あくまでも当社のみの傾向。全国ベースでは増加しています)、オランダ産については横這いからやや増加となる予定です。各産地の切花出荷期の調整/見直しが原因であってほしいと考えています。
全品目ともに欠品報告は極めて少なく、受注した球根に対する納品率はかなり高くなるようです。年内に約4,800,000球到着予定で前年より約1,000,000球減少しています。これは12月/1月のオランダ産使用の減少と、掘り取りが約10日間遅れていることが原因のようです。着荷状況は昨年よりさらに良い球根になっているように見えます。
12月27日現在、03年産南半球産と合わせて約48,400,000球となっており、前年同期とほぼ横這いからやや増加となっております。
04年産
まだ検討できません。考えたくもないです。
参考:山喜農園及び日本の状況(資料1)
(H15年11月17日付発行情勢報告をH15年12月27日に追加・修正)
(ニュージーランド) (チリ) (オランダ)
当社輸入状況(N.Z.産 +Chile産 + N.L.産)及び98年産〜03年産百合球根弊社出荷状況及び予定
(単位:1,000球)
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12月出庫 (N.Z.+Chile+
N.L. ) |
1月出庫 |
2月出庫 |
3月出庫 |
4月出庫 |
5月出庫 |
6月出庫 |
98年産 |
( 130+3,270) |
4,000 |
2,700 |
4,300 |
4,300 |
3,400 |
3,800 |
99年産 |
( 1,350+2,750) |
4,900 |
4,600 |
4,600 |
2,900 |
3,600 |
4,400 |
00年産 |
( 2,450+2,750) |
4,400 |
2,700 |
5,000 |
3,300 |
4,000 |
4,100 |
01年産 |
( 3,500+2,100) |
4,300 |
2,900 |
4,500 |
5,200 |
3,100 |
3,800 |
02年産 |
( 5,600+2,100) |
4,300 |
3,200 |
4,400 |
4,600 |
3,200 |
5,600 |
03年産 |
( 5,000+1,950) |
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(↑カッコ内左:N.Z.+ Chile)
ニュージーランド/チリ産球根の出庫数は掘り取り年の9月〜翌年2月10日までの合計出庫数です。
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当社輸入量 |
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7月出庫 |
8月出庫 |
9月出庫 |
10月出庫 |
11月出庫 |
12月出庫 |
合計1 (当社占有率1) |
合計2 (当社占有率2) |
98年産 |
6,200 |
5,800 |
4,500 |
3,600 |
1,300 |
400 |
47,700(25.6%) |
48,800(26.0%) |
99年産 |
6,600 |
5,800 |
4,500 |
2,300 |
1,050 |
250 |
49,600(27.0%) |
50,800(27.5%) |
00年産 |
7,000 |
6,300 |
3,500 |
1,500 |
800 |
540 |
48,300(27.5%) |
49,200(27.6%) |
01年産 |
6,400 |
6,000 |
3,100 |
1,200 |
700 |
220 |
47,000(28.5%) |
49,050(28.5%) |
02年産 |
5,800 |
5,100 |
3,300 |
1,500 |
860 |
12月1日現在 未出荷数420 |
50,300(28.8%) |
49,400(28.1%) |
03年産 |
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49,900(予定値) |
未定( ? ) |
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日本の輸入量(推定) |
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参考 |
合計計算式1 (N.Z.+Chile+ N.L. ) |
合計計算式2 |
98年産 |
150 +186,600 = 186,750 |
188,100 |
99年産 |
1,500 +182,100 = 183,600 |
185,100 |
00年産 |
3,000 +173,000 = 176,000 |
178,000 |
01年産 |
5,000 +160,200 = 165,200 |
172,100 |
02年産 |
11,890〜 +163,050 = 174,940 |
175,050 |
03年産 |
12,000〜 +
? |
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(↑カッコ内左:N.Z.+Chileの推定球数)
※合計計算式1:同一掘り取り年のオランダ産+南半球産の輸入合計数(02年産は予定)
※合計計算式2:オランダ産+翌年の南半球産の合計数(02年産オランダ産はほぼ確定/03年産南半球産は
推定)
南半球産百合
03年産
マルコポーロ(N.Z.産)で大きなバイラス事故が確認されました。その他いくつか問題も出ているようですが、昨年から比べても比較にならないほど良い出来となっています(昨年も一部を除けば悪くなかった)。
12月27日現在96%出庫されています。年明け以降約230,000球出庫予定です。
04年産
まだ検討できません。考えたくもないです。
生産面積はやや減少となる予定です。ただし、日本向け輸出有効面積は増加予定です(主にチリ)。困ったものです。
価格は03年産オランダ産球根の過剰生産による暴落のため、昨年から比べると円貨ベースでもかなり低く抑えられた価格でスタートするようです(多分驚かれると思います)。
以上、大変簡単ですが情勢報告でした。