平成15年9月8日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
新潟県北魚沼郡堀之内町原1280-1
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球根情勢報告(修正版)
平素よりお引き立ていただきありがとうございます。
国産百合
02年産/03年産
特別な報告事項無し。03年産作況/品質ともに良いです。球根に力があるかはまだわかりません。
ニュージーランド産チューリップ
03年産
箱に植え付けられ、8月上旬〜中旬より−1.5℃にて保管中。順調です。
オランダ産チューリップ
03年産
作況は平年作より20%(約2,000町歩分)悪い。それだけ不作にもかかわらず、ドライセール用品種は売れず球根は余っています。切花用品種は、一部の品種で売り切れ/品薄のものも出てきました。価格も上昇しています。
球根の品質は、日本産の球根と見間違うほど固くて締まっていて、燐片の隙間も無い(早掘り過ぎたわけではない)。品質はかなり期待できると思います。
輸出業者の対日輸出球予測は、02年産約 238,000,000 球、03年産約 215,000,000 球となっています。当初は200,000,000 球といわれていましたが、富山産/新潟産の作況がやはり15〜20%程悪かったためか、国産不足分を補う形で追加されました。いずれにせよ減少です。
営利栽培家向けは、
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営利栽培家向け |
全 体 |
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01年産 |
84,000,000球 |
296,000,000球 |
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02年産 |
73,000,000球 |
238,000,000球 |
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03年産 |
68,000,000球 (予定) |
215,000,000球 (予定) |
となっています。
当社の状況は、昨年2,200,000球あったドライセール用球根取り扱いが約 100,000球近くまで減少してしまいました(一大手ホームセンターの仕入方法が変わってしまった。怖いマーケットです)。全体の動きに比べると、大きく取扱量を減らすこととなりました。
営利栽培家向けの当社取り扱い分は、
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営利栽培家向け(山喜扱い) |
全体(山喜扱い) |
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01年産 |
9,000,000球 |
9,400,000球 |
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02年産 |
8,000,000球 |
10,200,000球 |
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03年産 |
7,400,000球 (予定) |
7,500,000球 (予定) |
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となり、上記しました全国営利栽培家向け球根の動きとリンクしています。
営利栽培家向けのチューリップ球根の輸入量は、ピーク時の約 105,000,000 球からみると約 65%まで減ってしまうことになりそうです。
今年は球根の品質も良さそうですし、そろそろ切花価格が、昔の価格に戻ればとはいいませんが、少しは回復してくれればと願っています。
オランダ産アイリス
02年産
着荷状態は、昨年から比べれば比較にならないほど良好でした。良い切花作になればと期待しています。
03年産 ※重要な報告です
一般的に今年のオランダの気象条件は(昨年の10月〜今年の8月まで)、上がったり下がったり、雨が降ったり極端に乾燥したり、大変不安定な状態が続いています。
一部球根栽培農家はチューリップ/ヒヤシンスは不作、ジャガイモも玉ねぎも不作、だからアイリス/グラジオラス/百合も不作という方もいますが、土の下から掘り上げてくる農産物が全部不作というわけではないようです。その他の雑球根を除き、百合に次いで掘り取りの遅い球根がアイリスやグラジオラス(まだ掘っていない)ですが、チューリップやジャガイモは元々涼しい方が良く太る品種だと思いますし、アイリス/グラジオラス/百合などは、ある程度暖かい方が球根もそれなりに太りますし、品質は良くなります。
今春夏の平均気温は18.4℃で戦後2番目の暖かさだそうですが、まだ新潟より涼しいです。アイリスについては豊作(栽培面積は減少していますが、供給量は昨年と変わらないくらい)、品質も良さそうです。昨冬春のアイリス切花価格はヨーロッパ市場において、酷く低迷していたせいもありますが、農家レベルにある余剰分は全く売れないくらい需給バランスが崩れているようです。日本のマーケットは、球根価格が安いからといって輸入量が増加するような性格ではありませんが、もしかしたら04年産新掘り球の代わりに03年産抑制球の使用作型を延長するという考え方が生まれるかもしれません(葉先の枯れの問題?)。
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全 国 |
山 喜 |
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00年産 |
24,701,000球 (決定値) |
2,323,000球 (決定値) |
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01年産 |
26,076,000球 〃 |
2,553,000球 〃 |
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02年産 |
25,000,000球 (予測値) |
2,538,000球 (決定値)(本年8月末で02年産の入荷ほぼ終了) |
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03年産 |
不明 |
不明 |
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南半球産百合
03年産
8月12日付け情勢報告にて、作況による欠品報告案内をさせていただいております。それを踏まえて今回、8月29日〜9月2日までオランダ出張してまいりました。
主に欠品に伴う流通状況の変化(日本マーケットだけでなく)の聞き取りを行なってきました(対象となる南半球産球根の輸出業者は、03年産については当社との関わりがある範囲で8社あります)。
9月4日現在の対日輸出量は約 12,681,000 球が計画されているようです(7月中旬の段階での受注数は約 14,000,000球でした)。昨年産の球根も約 14,000,000 球まで受注数が増加した後、作況によるところの減少、併せて土付き事故等により 11,890,000 球まで減少しています。
すでに球根の入荷も始まりつつあり、4件の検査が終了していますが(当社取扱いのみ成田空港及び清水港)、ラベル表記ミスで一部ロットが廃棄となっていますが、少なくとも土付き不合格は無く「オランダ産より綺麗でした」とのコメントもいただいています。
輸入業者のタイトな受発注管理もなされており、在庫率も推定約3%と聞いています(当社約1.9%)。これ以上の入荷球数の伸びは、現在の切花市況等を考えれば増えない方が良いのではないかと思いますが、現在の確保量であれば適正範囲だと思います。あとはオランダ産/国産球と南半球産との導入バランス、作付け計画が重要だと思います。
着荷検品の状態を見ると(横浜港及びオランダ輸出業者倉庫にも、すでにヨーロッパマーケット向け球根があったので見てきました)、品質は大変良さそうです。
冬場の百合が安定価格で推移してくれることを願っています。
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全国の南半球輸入量 |
当 社 |
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00年産 |
5,500,000球 |
3,500,000球 |
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01年産 |
11,890,000球 |
5,600,000球 |
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02年産 |
12,700,000球(予定値) |
5,000,000球(予定値) |
当社最大手顧客の自社輸入率 増加の影響による減少。 実質 175,000球増加。 |
オランダ産百合
02年産
球根の出庫パターンが前年とかなり違っているように感じています(資料1をご参照ください)。7月/8月が減少、前倒しが進み後倒しも進んでいます(南半球流通を踏まえた作型変更?)。
透かし/L.A.については、球根の品質は大変安定しているようです。ただし、解凍後の低温処理を終えて、定植後採花までの期間がかなり短くなっています。全国的にみて低温傾向であったことが影響したのか(百合の生育適温だったためなのか)、新潟県/埼玉県内だけの傾向かもしれませんが(多少驚いています)、球根の特性では無いように思います。
オリエンタルについては、7月/8月のオランダ産球出荷量の減少もあり(この作型の国産球出庫はかなり増えています)、冷蔵障害/腐敗事故等の報告の件数は減っています。透かし/L.A.同様、夏場特有の栽培時に発生する事故はかなり少ないようです(低温多雨で起きる品質低下は発生しています)。オランダの輸出業者の予測では、9月/10月には冷蔵事故が増加するのではとのことですので、今後出庫を予定されている方には、着荷解凍後の管理にはくれぐれもご注意いいただきますようお願いいたします。
球根の輸入量は、7月までで前年比約 2,000,000球減少しています。最終入荷数もやや減少したほうがよいのではと考えます(推定158,000,000球)。
03年産
出張中に約 1,000km・22圃場・約 200 ha分の圃場を確認してきました(全生産面積の約5%)。
透かし百合・L.A. |
品質良い。作況も現時点では高温の影響も無く、極めて順調です。 |
鉄砲百合 |
やや小さいように見えました。 |
O.T. |
品質・作況とも大変順調のようです。太り過ぎなければよいが、と心配になるくらいです。 |
オリエンタル |
早掘り系品種小さい(例:アカプルコ,ルレーブ)。太らなければいけない時期が暑かった。遅太り系品種大きい(例:カサブランカ,ソルボンヌ,シベリア,アーリアンスなど)。もう太らなくても良いほどの圃場もありました(9月には一旦小さくなり、その後再び肥大します)。 |
※この感想は各輸出業者の仕入担当のコメントも反映されています。
これだけの異常気象でありながら作は今のところ順調です。到着した日から急に気温が下がり、雨が10〜40mm近くも降ったので、いつものオランダの気象条件と変わらないという印象でした。夜温も10℃を切ったようです(内陸側)。
鉄砲百合については、あと3週間ほどで掘り取りが始まりますが、通常の年であれば、透かし/L.A./O.T./オリエンタルともに最低5週間〜6週間の肥大期間が残されています。夏の高温は球根の品質を向上させているはずです。このまま順調にいってくれればと思います。
販売状況は最悪で、明るい話題は一つもありませんでした。やけくそ気味に、年間降雨量の700〜800mmのうち300〜400mmくらいしか降っていませんので、「掘り取り期に集中して降ればいい」という投げ遣りなコメントも出ているほどでした。
唯一明るい話題といえば、EUROが円/ドルに対してやや安くなったことくらいだったかと思います。
「商品は安くなっても、品質が伴わなければ消費拡大はありえない」ということが、日本マーケットだけでなく世界中で起きるようです。ある意味、そのことをオランダ産百合球根生産者が証明してみせる年になりそうです。
上記した03年産の状況を踏まえ、ヴレッター社の球根価格の見直しが入りました。後日別途ご案内いたします。
参考:山喜農園の状況(資料1)
(H15年6月30日付発行情勢報告をH15年9月3日に追加・修正)
(ニュージーランド) (チリ) (オランダ)
当社輸入状況(N.Z.産 +Chile産 + N.L.産)及び98年産〜02年産百合球根弊社出荷状況及び予定
(単位:1,000球)
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12月出庫 (N.Z+Chile+N.L) |
1月出庫 |
2月出庫 |
3月出庫 |
4月出庫 |
5月出庫 |
6月出庫 |
7月出庫 |
8月出庫 |
98年産 |
( 130+3,270) |
4,000 |
2,700 |
4,300 |
4,300 |
3,400 |
3,800 |
6,200 |
5,800 |
99年産 |
( 1,350+2,750) |
4,900 |
4,600 |
4,600 |
2,900 |
3,600 |
4,400 |
6,600 |
5,800 |
00年産 |
( 2,450+2,750) |
4,400 |
2,700 |
5,000 |
3,300 |
4,000 |
4,100 |
7,000 |
6,300 |
01年産 |
( 3,500+2,100) |
4,300 |
2,900 |
4,500 |
5,200 |
3,100 |
3,800 |
6,400 |
6,000 |
02年産 |
( 5,600+2,100) |
4,300 |
3,200 |
4,400 |
4,600 |
3,200 |
5,600 |
5,800 |
5,100 |
03年産 |
( 5,000+ ? ) |
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(↑括弧内左:N.Z.+ Chile)
ニュージーランド/チリ産球根の出庫数は掘り取り年の9月〜2月10日までの合計出庫数です。
参考 |
9月出庫 |
10月出庫 |
11月出庫 |
12月出庫 |
合計1 |
合計2 |
日本の輸入量(推定) (N.Z.+Chile+ N.L. ) |
11月〜 8月輸入数 |
98年産 |
4,500 |
3,600 |
1,300 |
400 |
47,700 |
48,800 |
150 +186,600 |
166,995 |
99年産 |
4,500 |
2,300 |
1,050 |
250 |
49,600 |
50,800 |
1,500 +182,100 |
163,991 |
00年産 |
3,500 |
1,500 |
800 |
540 |
48,300 |
49,200 |
3,000 +173,000 |
153,796 |
01年産 |
3,100 |
1,200 |
700 |
220 |
47,000 |
49,050 |
5,500 +160,200 |
143,641 |
02年産 |
9月1日現在未出荷数 6,100,000球 |
50,200 |
49,400 |
11,890〜 +160,000(予定) |
141,464 |
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03年産 |
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12,700〜 + ? |
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(↑括弧内左:N.Z.+Chileの推定球数)
※合計計算式1:同一掘り取り年のオランダ産+南半球産の輸入合計数(02年産は予定)
※合計計算式2:オランダ産+翌年の南半球産の合計数(02年産/03年産ともに予定)
以上、情勢報告でした。詳細はお問い合わせください。