平成15年 4月19日
バンザンテンフラワーバルブ社
2003年産チューリップ現況報告
*以下の文章は、4月18日にバンザンテン社、ハンスダーメン氏より送られたファックスを訳したものです。
お客様へ、
以下に、2003年産のチューリップの現状況について報告致します。
1 売り切れの品種
現在以下に示した品種のプラスチックチューリップは、売り切れとなっております。フォッカ−ファンファン 12/+
フレミングパロット 11/12, 12/+
カイゼリンマリアテレジア 11/12, 12/+
レオビジール 12/+
ストロングゴールド 11/12
ビクターマンディ 11/12, 12/+
2 ロットナンバー/日本向け輸出検疫
現在ほとんどの球根生産者の元に、彼等の品種のエライザテストの結果がBKDから報告されています。オランダにおける平均のTBVのパーセンテージは、上昇してきています。一般的に言えば、オランダの生産者間では、年々バイラスの状況は悪化してきています。データは、以下の通りです。
生産年号 平均TBV%(BKD、エライザテスト)
1999 1.2 %
2000 1.4 %
2001 1.5 %
2002 1.6 %
2003 2.1 %
上記の傾向は、日本市場向けのチューリップ球根の供給可能数に影響を与えることになるでしょう。日本市場向けのロットナンバーを取得した供給可能な球根数は減少し、即ち、オランダ輸出業者が日本市場向けに使用可能な球根数は、減少するという事になります。
3 市場の状況
現状、オランダの切り花生産者にとって、また一般的に言えば、全ヨーロッパ的にもチューリップの切り花価格は、高値を維持したと言えます。
12月〜1月中旬までは、切り花価格は、予想していたよりは低く推移しました。しかし、1月20日以降現在に至るまで、チューリップの切り花価格は、高値を維持し続けています。それらの切り花農家の影響を受けて、2003年産のチューリップ球根のパーチェイスは開始されています。その為、切り花向け品種への需要が強く、実際にそれらはよく売れています。一方、ドライセールマーケットは、全世界的にまだゆっくりと展開しています。この為、現段階では、ドライセール向けのチューリプ品種は、容易には売れない状況とんっています。
4 気象状況
今期の現在までの天候は、非常に特異なものとなっています。
1〜3月は、非常に寒く、極端に乾燥していました。この期間中、我々はほとんど全くと言って良い程、降水を得られませんでした。4月の現在に至ってもいまだに乾燥は続いています。4月の第2週において、三回の幾らかの降霜を受けました。気温は、マイナス7℃まで達しました。この雨の少なさと降霜のコンビネーションは、チューリップの成長を抑制させ、スケジュールを遅れさせています。各球根の現状況は以下の通りです。
@プラスチックチューリップ
成育はスケジュール通りに進んでいます。摘花は、4月1〜15日頃に行われました。我々は、プラスチックチューリップは、スケジュール通りで、平年並みの作況を予想しています。
Aジーランドチューリップ
開花は、4月20日頃から始まります。これは平年に比べ若干遅れぎみとなりますが、それ程大きく影響を与えるような遅れとは言えません。ジーランド産の成育コンディションは、まずまずと言えます。
B標準球
標準球チューリップは、平年と比べおよそ7〜10日間遅れています。最近は、オランダも暖かくなって来ていますが、いまだにチューリップが伸張を行い、花を咲かせるにはあまりにも乾燥している状況です。現在我々が心配しているのは、Gステージへの到達が遅れるだろうと言う事と、球根の肥大が良くないかもしれないと言う事です。
C結論
この天気、特に過乾燥が、今期の作況に大きな影響を与える事が予想されます。プラスチック球と標準球の間のGステージのギャップは、過去2シーズンよりも大きくなるでしょう。その結果、我々の関心は、今期の標準球の肥大に向けられております。
この情報が皆様のお役に立つ事を願います。
敬具。
バンザンテンフラワーバルブ社
ハンスダーマン