平成15年3月20日

お客様各位

株 式 会 社    山 喜 農 園

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球根情勢報告

 

オランダ産アイリス

2002年産・2003年産

 

 現在、特に報告事項はありません。

 

 

N.Z.産チューリップ

2003年産

 

 現在、球根保管状態の写真を取り寄せ中です。事故等の報告は入っていません。

 

 

オランダ産チューリップ

2002年産

 

 そろそろ採花終了を迎えます。前半戦よりはやや採花率が落ちるものの近年ではごく良い出来となりました。相場的には、高値は無いものもある程度落ち着いた展開だったと思います。

 

 新潟県内・埼玉県などは導入球数を減少させていますので、ほぼ終了といってよいと思います。

 

2003年産

 

 営利栽培家向けの球根は約3,500,000球受注と、昨年の営利球の約45%の受注状況となっています。すでに何回かご報告させていただいたとおり品種更新が進んできており、大変ありがたく感謝しています。

 

 今月から来月に掛けて埼玉深谷地区の注文期に入りますが、よく相談して決めていきたいと思います。

 

 現在のオランダ現地の作況ですが、日照量は大変豊富とのことですが気温は低く、作は随分遅れているようです。ヨーロッパの切花市況は好調だったようで、活発な取引が始まったそうです。

 

N.Z.産百合

2002年産・2003年産

 

 2月6日報告分から大きな変化はありません。

 

Chile産百合

2002年産・2003年産

 

 2月6日報告分から大きな変化はありません。

 

 

南半球産百合球根全般

 

 チリ産の一部の品種球根で、日本向け輸出用のロット番号を取得できないものが出てしまいました。このため、皆様からいただいていたご注文のうち一部をキャンセルさせていただいたものがあります。ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんが、何卒ご了承ください。

 

 なお、2月末日現在、日本の球根業者は約11,500,000球ほど発注確保しているようです(取り扱い業者V.Z. /P.O. /D.J. /VDB/J.W. /GAV/SONE 7社調査分)。

 

 前年よりやや少なめの確保となっているようです。チリ産の供給可能数量は若干減少するようですが、N.Z.産は大幅に増加しておりますので、一部の品種を除けば球根は潤沢だと思います。

 

 3月中旬よりオランダ各社/中国/台湾への営業が開始されています。未手配の方、欠品報告等があって調整の必要な方がおられましたらご連絡ください。

 

 

オランダ産百合

2002年産

 

 オランダ統計局発表の速報値によれば、2月末日までの日本の輸入量は73,200,000球(11月上旬〜2月末日)となっています。これは過去7年間で最も少なかった昨年の数値よりさらに約3,900,000球減少しています。

 

 輸入業者全体での発注量は前年より増加しているといわれていますので、入荷ペースは昨年よりやや遅れているということになりそうです。近年、11月〜2月までに輸入されてくる早期輸入シェア率は減少傾向にあります。00年産では全輸入量の56%、01年産では48%の球根が2月末日までに輸入されています。02年産の当社取り扱い分については37%という数値です。全国の数値はまだわかりませんが、さらに減少しているのかもしれません。

 

 2月6日付の情勢報告にも記したとおり作況は順調です。抑制作型もこのまま良い結果が続いてくれればと願っています。

 

 3月17日現在 約43,500,000球のご注文をいただいており、確保されております。未販売在庫は約800,000球となっています。最終的にはほぼ全国の増加率と同じような数値になろうかと思います。

 

 最近03年産のチューリップの替わりに、抑制百合球根を使った2月〜3月切り用の透かし/L.A.の注文が入ってきています。オリエンタル系ではカサブランカ/シベリア等の引き合いが多かったようです。

 

 在庫もかなり減少してきています(特に黄色透かし/L.A.,白オリエンタル)。

 

 

 

 

 

2003年産

 

 大幅に取引が遅れています。これは日本だけの傾向ではなく世界的な情勢のようです。

 

 栽培面積を減少させることになかなか同意していただけなかったオランダの球根農家も、ようやく「それしかマーケットを回復させる方法が無い」ことに気が付いたようです。若干遅きに失したところであり、オランダの球根業界は真黒なムードとなっているようです。球根業界に関わる様々な業種にもそれらの影響は顕著に現われ始めており、球根掘り取り機や選別機など、特化して球根産業に関わっていた機会メーカーなどでは30%にも及ぶ雇用削減が始まったそうです。

 

 最近では、球根栽培農家にとっては最も投資リスクが高い新品種の栽培権取得意欲は急速に減退し、ここ2ヶ月ほどは有望な品種が市場に出てもまったく買い手が付かない状態だそうです(例えば、有望な品種と思われるL.A.黄色のパビア、O.H.黄色のマニサなど)。

 

 昨年最も早く02年産の球根確保を始めたのは日本ではなく中国であったそうですが、今年は昨年の暴落を踏まえて現在ようやく03年産南半球産の導入検討を始めたばかりで、これはアメリカ/イタリアも同じ傾向です。

 

 そういった状況の中で、当社としては以下のような考え方で仕入をスタートさせました。

 

全系統について品種を絞り込む

 切花農家が最終的な消費者に届けたい百合は、まずきちんと花が咲く百合、綺麗な百合、日持ちの良い百合、そういったベーシックなところが大事だと改めて思います。それらの需要を満たすことができる品種/球根を確保していきたいですし、供給していきたいと考えます。

 

 非常に厳しい話になってしまいますが、輸出業者を絞り込み、品種品目を絞り込んでこの2月〜5月期に仕入契約を進めていくと、当然経営難に追い込まれる球根栽培農家が相当数発生することになります(輸出業者との売買契約が無いと銀行融資が受けられなくて、生産を停止させられてしまう農家が出てきます)。現状の日本の切花マーケット情勢では、過去15年間「良い球根を作ってもらうために」という考えに基づき早期発注に努めてきましたが、今年は全品種に対して早期仕入契約を結ぶのではなく、「この品種、この球根を切花農家に使ってもらいたい」というものだけを早期発注していきたいと思います。

 

 具体的には、

 

透かし百合

 現在、モナ,ベイトリックス,ルノアール,マッサのみ100,000球以上の仕入契約をしました。他品種については、品種対価格、品質対価格の見解が輸出業者サイドと折り合いが付かないため(高い)、目下調整検討中です。

 

鉄砲百合

 切花農家との需給調整が進んでいないため、仕入契約していません。

 

L.A.

 生産量も大幅に増加しますので、先行き一部の品種で球根価格が下がるのではないか(透かし百合も同様、現在の設定価は高すぎる)という心配はあります。しかしながら、切花農家に望まれる良品質の球根を最も供給しやすい系統だと考えております(透かし百合/鉄砲百合/オリエンタル系の各々の系統の平均品質と比較して)。

 

 球根価格も適正であると判断しましたので仕入をスタートさせました。デジール,グロウ,サムール,アルガーブ,トリニティー,カリフォルニア,エルコラノ,タイクーン,ミュージック,イントロ,カプレット,ストレット,コンバット,ボルタルノなど、ほぼ年間取扱量の約8割の仕入契約を結んでいます(すべての品種ではありません)。

 

 

 

 

 

オリエンタル系

 品質格差が最も大きい系統がオリエンタル系だと感じています。

 

 円安が進んでいるため、直近に発行される03年産価格表で提示した価格では大暴落しているという印象が切花農家の皆様に伝えきれるかわかりませんが、前記したように他業種にも影響を与えるほどひどい価格帯での見積りが輸出業者側から出されています。これは私達日本の球根業者においても同様に影響が出ることが予想され、今までのような感覚で仕事をしていたらまったく利益が確保できないどころか、大きな打撃を被ることになるのではないかと心配になるほどです。

 

 球根は安くなってもオリエンタル系切花消費が大きく伸びることは期待できない中で球根取扱量が増加することは考えにくいです。いかにロスを少なくするか、球根業者も切花農家もさらに気を引き締めなければならないと考えています。

 

 相当数の品種が数年前の透かし百合同様、またそれ以上に栽培原価を大幅に下回った価格となっています。これは優秀な栽培農家の球根も同様です。

 

 現在、輸出業者と相談し(国産球根の生産仕入販売を行なっているときと変わらず、「球根業者から球根を買う」というよりも、「自分の代わりに良い農家から球根を仕入れてもらう」という感覚です)仕入をスタートした品種は、カサブランカ(養成球),ソルボンヌ,シベリア,マルコポーロ,メデューサ,ウィルクアルベルティ,ノバゼンブラ,ルレーブ,シイラ,ジャスティナ,コンスタンタ,ビビアナ,ベルガモ,ベルバダーラなどです。

 

 一部、Zabo社取り扱い品種にも重要な品目はあるのですが、価格設定が多品種との比較であまりにも高いため躊躇している部分もあります(例:クリスタルブランカ,リリアンデ系の黄色O.T.,イエローウィンなど)。

 

 

 

 現在、合計約17,500,000球の仕入契約を結んでいます。昨年02年産は2月末の時点ですでに約25,000,000球の契約をしていたことからもわかるように、大幅に数値は減少しています。ただし品種と、品質(なかなか目には見えにくいですが)のためには必要な球根は押さえてきたつもりです。

 

 そろそろ02年産の南半球産からの切花も終了してきている産地も出てきたと思いますし、03年産の南半球産の仕入契約も終盤戦を迎えつつあろうかと思います。4月に入りましたら価格表を配布する予定です。昨年より2ヶ月ほど遅れたスタートとなっていますが、冷静にご自身の経営を見つめ直して導入計画を立てていただけたらと考えています。

 

 

追記:国産球報告、及び中国出張報告はまた後日行ないます。

 

 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。