平成15年2月6日

お客様各位

株 式 会 社    山 喜 農 園

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球根情勢報告

 

 

 旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

 

 昨年は大変厳しい1年でしたが、今年一年も厳しさは続くだろうと考えています。現在はバブルの好景気な時代ではないですから、現状の厳しい環境の中で何をやっていけばよいのか、しっかり考えて業務を進めていきたいと考えております。

 

 2月28日(金)〜3月4日(火)の間、中国の上海と杭州に出張してまいります。上海は日本のバブル期並みの好景気だそうですし、杭州は対日輸出切花のトップ品目である葉物生産の代表的な地域だそうです。今回は切花生産で有名な地域にはあえて行きません。

 

 今回、新潟県大潟町の和漢薬製造販売会社の方にご案内いただく予定です。中国の生産国/消費国の両方の側面が見られることを期待しております。結果は次回ご報告いたします。

 

 

オランダ産アイリス

2001年産

 

 12月28日付情勢報告のとおりです。ご参照ください。

 

 

2002年産促成栽培

 

 栽培の状況を見てきました。当社取扱い分ではありませんが、順調に生育しているようです。

 

 

2002年産抑制栽培

 

 抑制栽培球の受注状況は約2,300,000球で、昨年の取扱量とほぼ同様の数値に近付きつつあります。今シーズンにこれだけ大きな事故が起きたにもかかわらず生産者の方々にご理解いただき、冷静な対応をいただきまして大変ありがたく感謝しております。

 

 抑制球についても今シーズン同様、J.W.社のアイリスを納品いたします。品質及び管理の両面において、輸出/輸入社ともに改善して臨みますので、よろしくお願いいたします。

 

 

N.Z.産チューリップ

2003年産

 

 1月中旬に、輸出者であるJ.W.社及び関係取扱業者、主な生産地となる県内2農協の代表の方と協議を行い導入生産・計画を立てております。

 

 本年は7品種・約225,000球の計画です。10月〜12月の品種数を増加させてチューリップ切花の人気回復に努めたいと思います。

 

 

オランダ産チューリップ

2002年産

 

 今までの作型での印象は、近年になく品質が安定しているといえそうです。一部、アンジェリケなどに酷いものもありましたが、全般的には大変良かったと思っています。

 

 全農新潟様の「出荷計画」と「出荷実績」を見ても明らかなように、01年産球からの切花では計画に対しての出荷(達成率)が低かったわけですが、02年産では計画数が前年を下回っているにもかかわらず総出荷本数が前年を上回っています。したがって達成率は大幅に向上しているということになります。

 

 切花単価は、昨年比を若干下回ったことは大変残念ですが、採花率・上位等級率が改善されたことは本当に良かったと思います。引き続き作況が安定してくれること、切花相場も併せて改善してくれることを願っております。

 

 01年産で約2億9千6百万球のチューリップが輸入されたことになっていますが(オランダ輸出統計より:日本の植物防疫所の統計資料では約2億7千8百万球となっている)、02年産は11月末日現在で約2億3千5百万球となっており、最終的な入荷数もやっと2億4千万球に到達するかどうかといった水準で止まりそうです。当初予測していた営利栽培家向け球根の減少は予想よりさらに大きく、7千万球〜7千3百万球の間くらいしか入荷していないようです。特に、2月後半から3月の切花用の球根の入荷量はかなり減少しているようです。

 

 

 

計画

実績

単価

達成率

 01年産の計画と出荷実績

6,986,625本

4,396,009本

70

63%

     (01年10〜12月)

 

 

 

 

 02年産の計画と出荷実績

6,348,310本

4,621,690本

66

73%

     (02年10〜12月)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

計画

実績

単価

達成率

 01年産の計画と出荷実績

5,302,300本

4,908,045本

62

93%

       (02年1月)

 

 

 

 

 02年産の計画と出荷実績

5,108,020本

5,222,870本

63

102%

       (03年1月)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2003年産

 

 12月末日から1月上旬にかけて特殊コンディションで栽培された球根(プラスチック/アーリー/ターボなど)の価格表を配布いたしました。昨年から比較して、各産地とも導入計画を立てられるのが早いように感じています。1月末日現在で約2,300,000球の受注数となっています。本年の受注の傾向は、従来の品種に注文が集中せずに新規品種にかなり移行しているようです。切花単価が抑えられている中で新品種の導入は厳しいとは思いますが、当年02年産でもはっきりと結果が出てきているのは新しい品種ほど採花率・上位等級率が高いという点です。当社取り扱いのメイン品目である百合に見て取れる動きですが、ようやくチューリップでもそういった動きが出てきていただいたようで大変良い傾向だと思っています。

 

 営利栽培家向けチューリップについては圧倒的にV.Z.社の球根が多いのですが(当社におけるV.Z.社のシェアは約66%、全国的にも約52%となっております)、02年産辺りから他のJ.W.社・H.M.社・P.O.社共に独自の展開をしてきているように見えます。H.M.社のピンクダイヤモンド・バレリーナ等は品質改善が進んでいるように感じますし、J.W.社辺りではクリスマスの系統だけで8品種も揃えてきています。P.O.社の2期作目の球根もきわめて安定しているようです。V.Z.社についても、古い老化している品種から新規営利品種の開発も一所懸命取り組んでいます。

 

 市場は相変わらずゴールデンアペルドーンに単価を出しているようですが、(切花農家も球根価格からどうしても安目の品種に流れてしまいますが)、近年導入が進んできているレディマーゴットあたりはゴールデンアペルドーンの替わりとしては大変有望だと思います。全体の輸入数/輸出入業者数も減少してきていますし、生産地の2極化も進んできて、それらの動きに合わせた各産地の特徴に合わせた品種構成の確立も進んできているようです。

 

 当年の採花率・上位等級率の良さは品種変更という人為的な努力の結果もありますが、一番の要因は昨年のオランダの気象条件が良かったこと、さらに日本国内の低温傾向のおかげだと思っています。V.Z.社のように「03年産のピンクダイヤモンド/アンジェリケについては機械での皮むきはやめて全部手でむく」という会社も中にはありますが、基本的なオランダの球根生産体制は日本人の思考に合わせたものにはまだなってきてはいません。

 

 上手にリスクを回避した球根の手配をお願いしたいところです。2月中下旬には標準球の価格表も各社出揃うと思いますので、ご自身の経営に合わせた品種導入をお願いしたいところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

N.Z.産百合

 

2002年産

 

オークランド産(ワイウク地区)

 

 隔離検疫が免除になる以前からコンタクトのある会社が球根生産を行なっています(N.Z.球根生産者協会事務局を兼ねています)。

 

 大変残念なことですが今ひとつ結果が出てきません。今年の南半球産は総合的に、輸入するときには土付き/書類到着遅延/不整合などトラブルが多かったのですが、幸いなことに球根品質は良く切花作況は大変順調です。しかし、この生産地のものは全部の品種が良くないわけではないのですが(ソルボンヌはまあまあです)、かなり他地域よりは劣ります(シベリア,カサブランカ,マイアミ,ベルニーニなど)。

 

 オランダ北部に兄弟会社がありますが、現在ニュージーランドに出張中で生産地を北(暖かい)から南(涼しい)に移動することまで含めて、生産継続の是非を検討中です。抜本的な生産改革をしていただかないと取り扱いは厳しくなるのではないかと思います。

 

ラカイヤ産

 

 V.Z.社とP.O.社扱いのBakker社の2件の農家の生産です。

 

 今年前半の結果はこの地域産がベスト・リサルトといえると思います。特にV.Z.社産については、葉色/草姿/輪付き/葉焼け発生率/バイラス罹病率/到花日数(生産地によって大きく違っています。ラカイヤ産/V.Z.社分はスピードがあります)の点で優れていたといえそうです。一部ティアラ/ブリタニア/アクティバ/ラグナなどで箱単位での腐敗等も確認されていますが、総合的に良かったといえると思います。現段階でのコメントは10月・11月定植分からの作況ですので、12月・1月定植分も同様の結果になってくれればと願っています。

 

 Bakker社については、元々導入品種が少ないということ、土付き等の問題があったため、当初計画していた球数より取り扱い数が減少してしまいました(参考事例が少ないです)。

 

 代表的な品種はマルコポーロとシベリアになりますが、マルコポーロは輪付きも良く、草姿のバランスに若干乱れはありましたが良くできていると思います。シベリアはロット間差がありますが、かなりバイラスの出たものがあり、輪付きの悪いものもあったようです。次年度に向けての課題はありますが、将来性有りという判断です。

 

ゴア産

 

 最も南部の(涼しい)生産地ですが、ここでも良い結果が出ています。

 

 ルレーブ,エジプト,ロサト,マイアミといった早生種はすでに採花が始まっています。元々輪付きが良い品種群ですが、葉焼け/花飛びも少なく順調に成育しています。一部、10月前半定植でアンテナ咲き等があるようですが、シベリアなどは本当にうまくいっています。免除開始の年からベスト品質ということはないのですが、球根品質が非常に安定している産地といえそうです。

 

タパヌイ産

 

 取り扱いが無いためわかりません。

 

Chile産百合

 

2002年産

 

バルディビア産

 

 南半球最大の生産地(面積)ですが、過去2年間の高知県内の隔離栽培試験結果ではベスト品質といわれていた地域です。本年より隔離検疫が免除され、相当数の球根の流通が始まっています。

 

 作況はまずまずなのですが、期待度が非常に高かったので(V.Z.社よりもずっと高く評価されていました)、少々期待はずれだった部分はあります。

 

 当初より想定していた問題点がはっきり出てきています。生産者としての未熟な点はまだまだ改善していかなければと思いますが、真面目さははっきりと商品に現れているかと思います(予測どおりバイラス罹病率は他との比較で非常に少なく、ほぼ無いといってよいほど)。

 

 ニュージーランドのワイウク地区ほどではないにせよ、生産地を若干移動させる、または火山灰土地帯の施肥設計を行なって、改善に努めていただこうと思っています。将来性有りという判断です。

 

オソルノ産(V.Z.社取り扱い分)

 

 導入球数が少ないため確認できている切花圃場が少なく、多くはコメントできませんが、少なくともアクティバ,フランシアなどは球根のパワーを感じます。オランダ産の促成球/N.Z.産と比べてもこの産地のものの方がずっと良くできていると思います。

 

 1月中下旬から日本に入っている輸出業者(P.O.社・V.Z.社)とハウス廻りを行なっておりますが、例えば、埼玉県深谷地区で生産されている一部農家の切花品質は、高知のトップクラスの生産者の品質に限りなく近いものができているようです。大変恐縮なのですが、まさか埼玉県深谷地区で高知並の品質のオリエンタル(透かし/L.A.の品質は昔から全国レベルで有名ですが)が生産されるとは思っていませんでしたので少々驚いています。私自身は、深谷地区で他輸入業者納品分を含めて数十万球の結果しか見ていませんが、P.O.社/V.Z.社両者の共通コメントは「全体品質は大幅に向上している。同一産地内での生産者間の切花品質のギャップ、さらにいえば同一生産者でも施設の環境の差が植物体にはっきりと出ている。」ということでした。気象条件の有利性/不利性だけでは片付かない切花品質の差が出てきています。

 

P.O.社取り扱い/リカライネン社生産分)

 

 代表的な品種はペサロ,アカプルコ,ソルボンヌなどですが、他産地に比べて初期成育がばらつくようです。そのため管理が難しく、若干葉焼けを出している人がいましたが、出来上がりの品質はV.Z.社扱いのN.Z.ラカイヤ産を超える出来になるようで、輪付きも安定しています。面積あたりの収穫量が非常に悪く、委託しているオランダの球根生産会社(Sande社)は儲からないと嘆いているそうですが、締まっていて良い球根だと思います。

 

 03年以降、この産地からはオリジナル性があり球根価格も適正なレベルだと考えている品種が追加されてきます(コルドバ,ナイロビ,ゾディアック,スマトラ,ブリスベン,マニラなど)。

 

ピュエウエ産

 

 取り扱いが無いのでわかりません。

 

 

南半球産百合

 

2003年産

 

 作況報告については、昨年11月26日より当社ホームページ(http://www.yamaki-noen.co.jp)にて圃場写真が公開されています。現在の最終更新日は2月5日で、1ヶ月〜2ヶ月に1回ほどの頻度で同一生産圃場写真を更新していきます。定植後から今日現在までの気象推移/気温推移は目下各生産地よりレポートを出していただくよう依頼していますので、準備出来次第お知らせいたします。

 

 2月5日現在約4,000,000球ほどのご注文をいただいております。N.Z. 産約 2,700,000球/Chile産約 1,300,000球というバランスになっています。今後Chile産のヴレッター社パッケージセールスが追加されますが、すでに優秀な品種が一般流通で品揃えされているので、パッケージセールの取り扱いはよほど条件が緩和されないと厳しいだろうと感じています。

 

 02年産からの埼玉深谷地区の切花品質の躍進には驚かされました(すべての生産者ではありません、念のため)。冬場のオリエンタル系切花品質は大きく向上すると思われます。03年産のテーマは「どういった取り扱いをしたら安全に12月・1月まで良いコンディションで球根を保管できるか」になりそうです。

 

 南半球産の球根生産量の増加はもはや止まりません。明らかに過剰生産の域に達しつつあります(世界消費の傾向から)。球根業者としては、球根の使用範囲を10月〜1月までしっかり取れるような流通方法が確立できればと考えています。

 

 対日マーケットにも、ある程度潤沢な供給が取れるようになってきており、各国の球根生産地の「切花作型別選択」もしていかなければ(どの産地を早い作型に、または遅い作型に、という意味で)、と考えています。そのためには、皆様からの納期連絡が極めて重要になってきます。ご注文のときから納期が把握されていないとそれに合わせた産地別の球根確保ができてきません。何卒ご理解ください(ほとんど国産の産地選択/掘り取り期選択に近い形になってきます)。

 

 1月〜5月の間はN.Z.及びChileへの出張はいたしません。なんとか時間が取れましたら6月〜7月に掘り取り確認に行きたいと考えております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オランダ産百合

 

2002年産

 

 11月・12月の球根輸出量(当社取り扱い分)は前年の約 10,400,000球から約 11,700,000球と、約1,300,000球増加しています。出荷は1月末日現在、前年6,400,000球に対して当年6,900,000球となっています。

 

 透かし/L.A.及び在来オリエンタル系の入荷は比較的順調なのですが、量の少ないオリエンタル系の入荷は遅れました。12月と1月に2回の圃場凍結があり、雨も後半多かったようで作業が遅れたようです。

 

 11月・12月のレポートでは「今年は球根は硬くて締まっているが芽が小さい」とコメントしていますが、定植後の状況は、発芽時の芽は透かし百合では前年より太く、L.A.では若干早掘りだったと思われるセベコデジールに細い物が混入しています。その他の品種は昨年並みといえそうです(リガタなどは昨年より良い)。オリエンタルについてはまだ調査数が少なすぎてよくわかりませんが、飛行機便で輸入したリアルト16/18(元々それほど太い芽は出る品種ではなかった)は、昨年の1.5倍くらいの太さというコメントがありました。順調に行ってくれればと思っています。全体的に発芽は早く、揃いも良いようです。

 

 モナ計 約350,000球,ルレーブ計 約200,000球など、大きな欠品が出てしまいました。大切な品種での欠品(代替が難しい)で申し訳ありません。黄色系L.A.,ルレーブ14/16,ルシック16/18・18/20などを代替として確保しています。南半球産での代替導入も検討していただければと思います。

 

 一旦は44,000,000球近くまで受注数が伸びたのですが、現在は43,000,000球ほどで欠品がかなり効いています。心配していた土付き不合格は今のところ4ロットほど確認されています。

 

 為替レートは円安が進んでおり、非常に心配しています。

 

 

2003年産

 

 オランダの輸出業者が多く来訪しております。02年産の球根価格(相場の動きが大幅に下落した要因)・03年産の作付け予測・為替の問題等が話題の中心で、基本的には03年産の仕入契約はしていません。透かし・L.A.などで価格が上昇してくるようですが、円安が進んでいるため上昇幅も制限され、単価設定が難しく目下調整中です。

 

 オリエンタル系については、「早く買った人が損をする」ことの無いようにしたいという意思を伝えるのみです。

 

 

 ご不明の点等ございましたらお問い合わせください。

 

 本年もよろしくお願いいたします。