平成14年11月14日
お客様各位
株 式 会 社 山 喜 農 園
新潟県北魚沼郡堀之内町原1280-1
TEL. 02579-4-2455
FAX. 4-4168
E-mail:info@yamaki-noen.co.jp
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球根情勢報告
平素よりお引き立ていただきましてありがとうございます。
取扱品目球根類の情勢報告をさせていただきます。
オランダ産アイリス
2001年産(02年6月〜7月納品抑制作型分)
当社取扱数 約 2,500,000球
ブルーマジック |
09/10 10/+ |
約 110,000球、非常に悪い球根があった。 1ロット中の1ストック分、約 230,000球現段階で病名が未確認の腐敗が発生している。 |
ブルーマジックジャンボ |
10/+ |
1ロット約 110,000球のロットにおいて、ブルーマジックで発生したものと同様の病気が発生した。 |
上記3ロット 合計約 450,000球で、過去に経験のない大きな事故となりました。対象球数すべてが悪いわけではありませんが、該当ロットについては定植前破棄率が大変大きな数値となりました。今回はあまりにも大きな事故となったため、県内外の抑制アイリスの大手取扱輸入業者様と横の連携を取りながら、全国的な情勢も具体的に調査を進めました。
高温保管された抑制アイリスは全国で約 9,000,000球〜10,000,000球ほど輸入されておりますが(新掘りを合わせて約 24,000,000球)、それらのうち80%〜85%近くが、当社の仕入元となるJ.W.社の球根です。営利栽培家向け百合球根におけるP.O.社のシェアが約 40%といわれておりますし、営利栽培家向けチューリップ球根についてはV.Z.社が約 55%といわれておりますので、J.W.社の高温保管アイリスのシェアの高さは、過去の実績から到達した数値とはいえ驚くべきものがあります(それほど品質が安定していたということです)。
したがって当社取り扱い分だけでなく、当該ロットは相当数日本に入荷されていることになり、各社ともに対応に苦慮していたことになります。現在までのところ病名は確認されておりませんが、発生の経過と、それによる事故率を下げるための対処法はすでに報告されています。
この腐敗は主に30℃の高温保管中に進行する病気ですので、15℃〜17℃または7℃〜9℃と休眠打破のための低温に遭遇すると腐敗の進行は著しく減少するといわれています。
具体的にいえば、7月4日に約2.3%の球根を選別除去して納品したもの、さらに7月6日に0.16%除去して冷蔵処理に入り、9月中旬定植(新潟県内2ヶ所)分については対象ロットで約10%の採花ロス、もしくは採花を遅らせれば殆ど落ちないという状況となるようです。ところが、別の県外の産地では7月4日納品分・7月末日までさらに30℃・湿度45%の環境で継続保管したところ、ジャンボ球で10〜12%、標準球で7%くらい冷蔵処理に入る前に腐敗が進行したようです。それらの球根は10月中にすべて定植が終了していますが、採花中のロスがどの程度になるのかは現段階では不明です(気温も下がっているので大きなロス率にはならないと思います)。
この結果から明らかなのは、病気の進行はJ.W.社の説明どおり高温保管中に起きるということです。
対象ロット以外の球根が約 2,050,000球あるわけですが、これらについては極めて順調に生育しています。1月くらいにまたご報告したいと思います。
なお、本年の適応為替は1EURO=¥118で計算しました。
2002年産(03年6月〜7月納品分)
01年産・02年納品の結果を踏まえての対策をご報告します。
病名はまだ特定されていませんが、発生原因と傾向はすでに掴めています。4〜5年前から、テルスターという別の品種(別のアイリス球根栽培農家生産分)で今回のブルーマジックと同様の問題が起きていたそうです。同様に病原菌の特定はできていませんが、土作りの段階での施肥または元肥の段階で入れる有機質分に、特定の材を使うとこの問題が起きることがある(必ず起きるわけではない)ことまでは解明したそうです。
02年については、すでにこの材が使われた畑での養成が実行されてしまっているので、今現在約 1㎥の箱で高温保管されている球根を来年春まで2〜3回選別調査を行ない、高温保管中・輸送中・着荷後、国内での高温保管中に腐敗進行するロットについては絶対輸出しない、という方法を採用する予定です。
J.W.社高温倉庫にて、約1㎥の箱で保管されている球根についても現物確認してきましたが(11月4日〜10日のオランダ出張期間中)、現段階では昨年より5日〜1週間掘り取りを遅らせて良いコンディションの球根になっているようです。特にジャンボ球では、通常外皮が球根から離れて、がさついていますが、現段階では比較的締まっているようです。
仮に高温で腐敗が進むロットを日本に向けて輸出しないということになると、J.W.社扱いの健全球は減少することになるはずですので、導入計画は例年より早めに立てられた方がよいのではないかと思います。
先の話になりますが、02年定植・03年収穫・04年納品分については土壌コンディションを変えて栽培していますので(すでに定植作業中)、本年納品分のような問題は無くなると思います。
N.Z.産チューリップ
2002年産
約 25,000球導入
5月上旬より9℃冷蔵開始。
5月下旬、空輸便にて輸入。
6月上旬、60球/1ケース当りで定植。
7月末まで9℃〜5℃、2℃〜0℃にて冷蔵管理。
8月10日前後に−1.5℃にて凍結。
9月中旬頃より試験的に冷蔵庫から球根を出して10月下旬まで継続出庫、
10月初旬より11月10日現在継続切花出荷中。
という経過となっています。
上記栽培の中で気が付いた点は2つあります。北半球産の球根を用いたアイスチューリップと違い、(5月〜6月)=(秋)に球根を植え付け、自然条件と同じように地温を下げて(7月〜9月)=(冬)を迎え、(10月〜11月)=(春)に花を咲かせて出荷するわけですから、N.Z.産チューリップ球根からの今の時期の栽培は、まさしく季咲作型と同じ意味となるようです。そういったボリューム感のある花が生産できました。
一方で難しい点は、今回のようにプラスサイドの温度処理を12〜13週行なって0℃以下にしたときに、栽培室(温室ではなくて、暗室内補光栽培)の気温を20℃前後に保っても首が抜けなかった作型がありました(10cm近くも葉潜り)。輸出業者からは、−1.5℃での3〜4週間保管でプラスサイド温度帯の1週間分の低温積算とカウントするという説明を受けましたが、低温処理が足りていなかったようです(9月下旬〜10月中旬出庫分)。10月後半に出庫した分については、大分バランスの取れた草姿となったようです。
その他の問題点としては、仮に船便で輸入したとしても1球あたり約¥38くらいと、球根代が高くなってしまうようです(1EURO=¥122で計算)。さらに、最低でも4ヶ月近く箱植えされた形で保管するという、冷凍庫確保の問題もあります。
球根温度処理の問題と箱植え後の保管場所等の問題をクリアして、さらに上記したような球根代で採算に合うようであれば、良い品質の切花を10月〜11月に出荷できるということになるようです。
03年産は20feet×1本くらいの計画で試験する予定です。
オランダ産チューリップ
2002年産
営利栽培家向け |
約 7,700,000球 |
ドライセール向け |
約 2,500,000球 |
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約 10,200,000球 |
当社の取扱数は、前年との比較で約 700,000球の増加となり、3年振りに10,000,000球台となりましたが、当社にとって重要度の高い営利栽培家向けの取扱数が減少したことは大変残念でした。これは近年のオランダ産チューリップ球根の品質の不安定さからすれば止むを得ないことなのだと考えております。
本年の営利栽培家向けの球根の推定輸入量は前年を下回り、75〜80,000,000球ほどとなるようです。9月末日までのオランダからの輸出数は186,900,000球(非公式数値)で、前年同期の230,600,000球から見ると43,700,000球という大きな減少となっています。10月1日以降、オランダ出港ベースの数値が植栽等の需要の増加により若干増えたとしても、輸入数はH11年の水準の約 250,000,000球くらいとなるのではと予想しています。営利栽培用はすでに減少傾向に入っていましたが、ドライセール用も含めたチューリップ全体の輸入数が減少するのは93年以降初めてのことです。
当社ドライセールの増加は、委託輸入・委託加工スタイル取り引きが増加したためです。
ホームセンター等からドライセール販売状況を聞き取りすると、「チューリップの販売状況は横這いからやや減少」、「その他雑球根の調子は良い」というコメントでしたが、それら雑球根についてもチューリップ同様に統計上は減少しているようです(グラジオラス・ムスカリ・ヒヤシンス・フリージアなど)。
販売店の感覚と実際の統計数では大分差があるように感じます。
水耕栽培のガンダースラプソディ・カイゼリン・マリアテレジア等は、今週中には採花が始まるようです。昨年比較で若干ボリュームが落ちるようですが、9月・10月の低温に助けられたのか生育は順調のようです。
例年この時期、クレーム発生に伴う温室廻りをするのですが、今年は今のところ報告はありません。欠品率の高い品種の当たった生産者で温室が空いてしまうようなこともありますが、11/12サイズ等を導入いただいた方については(12/+欠品に対して)まずまずの納品率となっているようです。
11月後半からハウス廻りを計画しています。
なお、本年の適応為替は1EURO=¥115.5で計算しました。
国産百合
2001年産
抑制作型 |
バイラス非常に少なく好調。(新潟県内の自作球を使う切花農家とは全く逆の結果となった)一部、メデューサ等で冷凍障害等が確認されたが、全体では非常に事故の少ない年となったようです。 |
2002年産
早掘り球 |
販売終了しています。 若干腐敗が多かったように感じています。 |
遅掘り球 |
魚沼地方は50年ぶりの10月中の降雪のため、大幅に作業が遅れています(現在約 20cmの雪の下です)。球数確定は12月中旬までずれ込む予定です。 肥大は例年並といえそうです。 一部選別が終了している品種があります。国産なので若干球根は高いですが、夏の高温期の作型には輸入球よりも圧倒的に高温耐暑性に優れた球根だと思います。是非導入をご検討ください。 |
オランダ産百合
2001年産
品質・クレーム集計(10月末日現在まで)を行ないましたが、昨年と比較してずっと少ないという結論となりそうです。ただし、新潟県内を中心として納品した分のうち、カサブランカ・シベリアで大きなロットの事故がありました。また、四国・九州方面において、シベリアのバイラス/ブラックノーズがかなり大きなロットで確認されています。それらの際立って悪いロットはありましたが、全体的には事故発生件数は少ないということになるようです。
まだご報告されていない分がございましたら大至急お知らせください。
非公式ながら最終入荷数が発表されています。
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当社入荷数 ※1 |
早期輸入率 ※3 |
全国入荷数 ※2 |
早期輸入率 ※3 |
98 |
47,500(確定値) |
27%(確定値) |
186,600,000(確定値) |
37%(確定値) |
99 |
48,300( 〃 ) |
29%( 〃 ) |
183,100,000( 〃 ) |
36%( 〃 ) |
00 |
45,500( 〃 ) |
24%( 〃 ) |
172,400,000( 〃 ) |
34%( 〃 ) |
01 |
43,500( 〃 ) |
24%( 〃 ) |
160,200,000(ほぼ確定) |
29%(ほぼ確定) |
※1.当社オランダ産のみの輸入数です(自社資料)。
※2.全国のオランダ産百合球根の輸入数です(オランダの輸出資料)。
※3.掘り取り年11月12月出荷/全輸入数(オランダの輸出資料及び自社資料)。
切花相場は春以来ほぼ順調に推移してきています。全体球根入荷量の減少が、切花需給バランスに良い影響を与えていたのだと思います(一本単価)。
2002年産
鉄砲百合
多くの品種の販売が終了しております。ホワイトエレガンス14/16・16/18が一部輸出業者在庫となっていますが、今ひとつ品質が心配です。ホワイトフォックスは18/20のみ在庫があり、球質は良さそうです。ホワイトヘブンは18/20が売り切れ、16/18サイズのみの在庫となっております。
透かし百合
10/12 サイズ まずまずの数値
12/14 サイズ 〃
14/16 サイズ 約10%作況良くない
16/18 サイズ 約20% 〃
18/20 サイズ 約25% 〃
全体的に球数不足で、大球の価格上昇につられる形で小さいサイズも価格が上昇しています。11月5日〜9日の期間にいくつかのロットを確認した印象では、前年同時期の検品時と比べると球根は硬く締まっています(早枯れ及び10月中の低温の影響か?)。芽形成は遅れている様子で、昨年の太さ/長さの65%〜70%程度のボリューム感となっています。必要な方はお早めのご購入をお勧めします。
掘り取りが開始されていました。球根を年内に納品しようとすれば、すでに輸出業者倉庫に入っているのは当然なのですが、本来ならまだ掘ってほしくない品種も多くありました。例えば、ドナウ・サムール・ロイヤルトリニティ・セベコデジール・セベコグロウなどは早期納品もしなくてはならないとはいえ、品種の特性上透かし百合より遅く掘った方がよいタイプのL.A.ですので、これらの掘り取り分は間違いなく早期の作型に使用するようにして、抑制作型には絶対に廻したくないところです。
オリエンタル
Turbo球の掘り取りが大分進んでいました。球根傷みが昨年同時期よりも少ないように見え、球根も硬いです。ただし、透かし百合同様、芽は前年同期よりかなり小さいようで65%〜70%のボリューム感です。球根暴落もさすがに底を打ったようで、中級高級分類に入るオリエンタル系サイズは価格上昇し始めています。最終チェックをお願いします。
以降、シンプロン・カサブランカ・シベリアも重要サイズの価格は上昇していくか、もしくは「売り切れ」となるものもあるようです。
参考:山喜農園の状況
(ニュージーランド) (チリ) (オランダ)
当社輸入状況(N.Z.産 +Chile産 + N.L.産)及び98年産〜02年産百合球根弊社出荷状況及び予定
(単位:1,000球)
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12月出庫 (N.Z.+N.L.) |
1月出庫 |
2月出庫 |
3月出庫 |
4月出庫 |
5月出庫 |
6月出庫 |
7月出庫 |
8月出庫 |
98年産 |
(130+3,270) |
4,000 |
2,700 |
4,300 |
4,300 |
3,400 |
3,800 |
6,200 |
5,800 |
99年産 |
(1,350+2,750) |
4,900 |
4,600 |
4,600 |
2,900 |
3,600 |
4,400 |
6,600 |
5,800 |
00年産 |
(2,450+2,750) |
4,400 |
2,700 |
5,000 |
3,300 |
4,000 |
4,100 |
7,000 |
6,300 |
01年産 |
(3,500+2,100) |
4,300 |
2,900 |
4,500 |
5,200 |
3,100 |
3,800 |
6,400 |
6,000 |
02年産 |
(5,600+ ? ) |
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(↑予定 / N.Z.+ Chile)
ニュージーランド/チリ産球根の出庫数は掘り取り年の9月〜1月中旬までの合計出庫数です。
参考 |
9月出庫 |
10月出庫 |
11月出庫 |
12月出庫 |
合計1 |
合計2 |
日本の輸入量 (N.Z.+Chile+N.L.) |
98年産 |
4,500 |
3,600 |
1,300 |
400 |
47,700 |
48,800 |
150 + 186,600 |
99年産 |
4,500 |
2,300 |
1,050 |
250 |
49,600 |
50,800 |
1,500 + 183,100 |
00年産 |
3,500 |
1,500 |
800 |
540 |
48,300 |
49,200 |
3,000 + 172,400 |
01年産 |
3,100 |
1,200 |
? |
? |
47,000 |
49,050 |
5,500 + 160,200 |
02年産 |
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? |
12,000〜+ 未定 |
(↑N.Z.+Chileの推定球数)
※合計1:同一掘り取り年のオランダ産+南半球産の輸入合計数
※合計2:オランダ産+翌年の南半球産の合計数
当社取り扱い分の傾向
すでにお知らせしておりますように、当社取り扱い分の輸入シェアは過去12年間 26〜28%の範囲で推移しておりますので(当年は約 28.4%のようです)、ほぼ全国の傾向に一致した動き、または2ヶ月〜6ヶ月くらい前進した動きになっていると想定しています。
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透かし百合 |
L.A. + 鉄砲 |
オリエンタル(N.L.+N.Z. +Chile) |
98年 |
22,250,000 |
410,000 |
25,000,000 (確定値) |
99年 |
21,260,000 |
750,000 |
27,480,000 ( 〃 ) |
00年 |
17,180,000 |
1,180,000 |
29,860,000 ( 〃 ) |
01年 |
15,080,000 |
3,290,000 |
28,700,000 ( 〃 )(02年11月12日ほぼ終了) |
02年 |
11,050,000(継続中) |
6,840,000(継続中) |
28,100,000
(継続中)(02年11月12日現在継続中) |
02年産の今のところの傾向として、前年同期に比べると大変お客様からの注文が早くなっていると思います。それだけ必要な品種ポイントが絞れてきたのだろうと考えています。
00年産 10月末 44,500,000 → 最終 48,300,000
01年産 10月末 41,200,000 →
〃 47,000,000
02年産 10月末 46,000,000 →
〃 ?
過去4年間の取り扱い数の変遷を考えると、現在約2,500,000球の在庫を確保してありますが、欠品する品種もあるわけですから、ほぼ例年並の推移となろうかと思います。
「透かし:L.A.」のバランスは、全国的には「7.5:2.5」くらいの状況のようですが、当社のバランスは
「6:4」くらいの状況となっております。過酷な条件での切花栽培が要求される埼玉深谷・新潟堀之内から安定的に高品質切花を出荷しようと考えると、こういうバランスにならざると得ません。当社バランスに近い形になっているのがP.O.社・V.Z.社・G.A.V.社・S.T.社などのようです。他の百合専門業者も同様の傾向になりつつあるようで、これは日本の一部特定産地の動きではなく、世界的な流れとなっていくはずです。
オランダ産オリエンタル系受注の動き(当社取り扱い分のみ)
97年 |
24,000,000(確定値) |
98年 |
25,000,000( 〃 ) |
99年 |
26,300,000( 〃 ) |
00年 |
27,400,000( 〃 ) |
01年 |
25,300,000( 〃 ) |
02年 |
22,650,000(継続中) |
オランダ産オリエンタル系球根の取り扱い数が減少しています。この動きは、全国の産地がより自身の得意な作型へ特化する、という動きから生まれてきているものだと思います。東北・北陸・北海道は早い作型・遅い作型を減らして5月〜1月に集約、西日本側は高温期の作型を減らして11月〜6月に集約すると、オランダ産の使用数が減少する傾向は生まれるわけですので、この動きでよいと思います。ただし、未だ供給及び品質の不安定な南半球産への極端なシフトは危険だと思います。行き過ぎにならないようくれぐれもご注意ください。切花相場に影響が出るほど出荷に波ができてしまう恐れがあるので、作型切り替えのタイミングを上手く見極めてください。
N.Z. 産・Chile産百合
2002年産
大変ご迷惑をお掛けいたしております南半球産についてですが、ようやく目途が付いてまいりました。本日(11月12日)最終到着分のV.Z.社ラカイヤ産の球根が無事検査合格となり、先々週に土付不合格となったP.O.社オークランド産分についても、残すところあと800ケースほどの土付き除去を行なって作業終了となります。皆様には長らくご心配をお掛けし、多大なるご迷惑をお掛けしまして申し訳ありません。
書類到着の遅延・間違い、簡略化のあまりONE B/Lあたりの複数コンテナ輸入、そして土付き。チリからの球根輸入で書類の流れがうまくいったのは12本中3本、土付きが無くて合格したのは9本、約
1500ケース土付き選別となってしまいました。
N.Z.からの輸入約28本中、書類の流れが遅れずにうまく行ったものが10本、土付きが無くて合格したものが9本、統計で約 7000ケース以上が土付きのための選別となってしまいました。
当初発注球数 6,300,000球
最大受注球数 6,050,000球 ※1
在庫球数 250,000球
に対して現状は
輸入球数 約 5,900,000球
合格球数 約 5,600,000球
受注球数 約 5,480,000球 ※2
在庫球数 約 120,000球
という状況です。
実質欠品率は約9.5%ということになりました。品種/サイズによっては納品率0%になってしまったものすらあるわけですし、もっと最悪な酷い状況を予想していましたので「なんとかこの程度で済んだか」と安堵しております。ただ、納品を実行するために掛かってしまった経費が、当社にとって痛手となるほどの金額になってしまいましたが(総額はとても書けません)、なんとか頑張って取り返していくしかありません。
着荷状態はそれほど悪くないと思っています。芽も太くてしっかりしていると思います。ただ、N.Z.産もChile産もここに来て芽がやたらに動きます。これは土付き選別をしたもの、していないものに関わらず動くようです。産地間によって(栽培された環境/気象条件)でかなり差があるようです。
現在までに約 3,360,000球が納品されております(全体の約 61%)。若干のカビ・芽伸び・燐片腐敗の指摘はありますが(一部、酸欠症状のようなものが確認されました)、想像していたよりは順調に動いています。芽伸びの心配があるので、早めに出庫されてプラスサイドで管理していただければと考えています。
現在、−0.5〜−1℃で管理しています。
なお、適応レートは1EURO=¥115.5で計算いたしました。
2003年産
N.Z.産
対日本向け供給可能数 16/18以上
P.O.BAKKER+D.J.+V.Z. |
= 12,000,000+α |
P.O.・G.A.V.・Hopman |
= 未報告 |
Chile産
対日本向け供給可能数 16/18以上
V.D.B.+V.Z.+SONE+Vletter |
= 14,000,000+α |
P.O.Sande |
=未報告 |
合計供給可能数 16/18以上 |
26,000,000+α |
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日本向けにロット番号申請される予定の球数は |
合計 35,000,000+α |
となるようです(調査済分のみ)。
環境はさらに整ってきたように思います。どんな価格帯になるかはわかりませんが、生産地=生産者を選んで、品種構成バランスに気を付けて導入したいと思っています。
大型生産農家であるV.Z.社・SONE社については、掘り取り期を6月〜8月に遅らせてきている状況の中で、世界中の球根業者に向けて9月〜10月上旬までに球根を各々の国に納品しようとすると、1週間あたりのコンテナ出荷処理能力を15〜17本に設定しなければなりません。
02年産の問題は生産レベルの問題ではなく(一部品質問題もありますが)、集約的な加工輸出業務のための準備態勢が不足していた中で起きた問題だと考えています。これらのことは当然、取扱数の少ない農家も同様です。生産と加工と出荷業務、これらのバランスが取れた会社と取り引きしたいと考えています。
来年1月にはもう一度オランダに出張してまいります(生産者と輸出業者との合同会議)。02年産の問題の整理を進めて取り引きに望むつもりです。
近日中に見積りもお出ししますが、あくまでも参考程度にお使いください。
以上、情勢報告でした。
ご不明の点等ございましたらお問い合わせください。