平成14年8月7日

お客様各位

株 式 会 社    山 喜 農 園

新潟県北魚沼郡堀之内町原1280-1

TEL. 02579-4-2455

FAX.    4-4168

E-mail:info@yamaki-noen.co.jp

HP Adress.http://www.yamaki-noen.co.jp

 

球根情勢報告

 

 

オランダ産アイリス

 

2001年産

 

 納品終了しました。6月10日付情勢報告でもご案内のとおり、ブルーマジックジャンボで1ロット約 110,000球・納品前約5%腐敗球除去、納品後30℃保管期間中に更に腐敗進行する状況でした。冷蔵庫に移動して15℃〜17℃温度帯に入ったものは腐敗は進んでいないようです。現在までに腐敗の原因はわかっていません(病原菌も特定できていない)。

 

 標準球でも1ロット約250,000球腐敗率の高いものがありました。納品前検査で約2.5%、その後保管中に3〜4%くらい腐敗が出ています。当社がアイリスを輸入している業者はエンカイゼン市近くのヤンデヴィット社ですが、日本に輸出されている高温貯蔵抑制アイリスの対日輸出シェアは非常に高い会社で、ほとんどすべてと言っても過言ではありません(従来より、アイリス球根では他社の追随を許さないくらい品質は安定していました)。したがって各輸入会社ともに、大なり小なり問題のあるロットがあったようで対応に苦慮しました。

 

現在のところは、植え付け前または植付け後も注意深く観察していこう、という方針で各社とも意見は一致しています。納品栽培後の事故処理の経験は過去にもありますが、納品直後の腐敗事故(それもこれだけ規模の大きな事故は)というのは抑制アイリスではあまり経験が無く戸惑いましたが、事故は事故として対処するとしても、残りの2,200,000球については例年並の品質です。「さすがJ.W.社」だと思っております。

 

 詳細はお問い合わせください。

 

 

2002年産

 

 為替レートの問題はありますが、少なくともオランダ渡しベースでは球根価格は下がるようです。球根品質についてはまだわかりませんが、作況が悪いという連絡は入ってきていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オランダ産チューリップ

 

 

2002年産

 

受注状況

 

7月末日現在 約9,800,000球

 

 前年取り扱い球数よりも増加していますが、ドライセール販売数が450,000球 → 2,100,000球に伸びて、営利栽培家用は9,000,000球 → 7,700,000球減少しているという内容です。

 

 ドライ・営利ともにゆっくりとした取り引き状態が続いているようです。

 

 

作況

 

 8月6日現在プラスチック栽培球・アーリー球の確定休眠打破日の連絡は入ってきていません。若干の変更は発生するようです。

 

 球根肥大は必ずしも良くなかったようで、サイズの下方修正が多いようです。販売不振で球根価格は下方修正されると思っていましたが、今のところそういった動きは余りありません。

 

 標準球についても、生産量が少なくて代替ロットが確保できない品種の連絡が入り始めました。

 

 やはり昨年のフザリウム病多発の影響が残っているのか、当初の予測よりも作況は良くないようです。6月10日の段階での「地域ごとに差はあるが約10%減」という予測より、さらに収穫率は落ちるようです。ドライセール用球根の船積みが7月25日頃から始まっていますが、着荷時の検査が今から心配です(フザリウム)。

 

 

品質

 

 まだはっきりとしたコメントはできません。

 

 

国産百合

 

 

2002年産

 

赤塚産早掘り遅掘り

 透かし百合/L.A.の掘り取り開始しました。透かし百合の品質は平年並みで、在庫は随分減りました。L.A.は昨年同様非常に良くできております。在庫も随分減っています。オリエンタル系は肥大が若干遅れ気味です。早く温度が下がってくれればと思います。

 

津南産遅掘り

 順調に生育しています。太りすぎにならないよう願っています。

 

北海道・小清水産

 春以来涼しい日が続いています。盆明けから急速に球根が太る、根菜類の収量が増加しやすい気象条件となっています。

 

 

ニュージーランド産百合

 

 

2002年産

 

ゴア地区

 掘り取り選別ほぼ終了しました。欠品等の報告も大体済んできました。肥大はあまり良くなかったようです。

 

 8月6日現在、いよいよ出荷準備に入っています。

 

ラカイヤ地区

 掘り取り選別ほぼ終了しました。欠品等の報告は完全に済んでいません。一部チリのオソルノ産に代えていただくものが出ると思います。

 

 出荷準備に入りました。当社最大の仕入産地で約2,900,000球入荷予定です。

 

ワイウク地区

 まだ掘り取りが終了していません。出荷準備まであと3〜4週間掛かると思います。

 

 欠品が一番多いはずなのですが、まだ連絡は来ておりません。

 

 

チリ産百合

 

 

2002年産

 

バルデビア地区

 この地域から約1,900,000球の球根入荷予定です。球数・サイズ変更等の連絡はまだ入りません。取り扱い業者のひとつであるP.F.Onings社のMr.ANTON氏が、品質チェックのために現地に入ったところです。

 

 もうすぐ出荷が始まります。

 

オソルノ地区

ピュエウエ地区

 掘り取り終了、出荷作業が始まっています。すでにヨーロッパに向けて輸出され始めています。

 

 数量変更等の連絡はまだありません。

 

 01年産ルレーブ・ルレーブTLの冷凍障害発生により大幅に欠品になってしまったため、追加で南半球産の注文が入りました。帳面上の取り扱い数(欠品報告前)は約6,300,000球となっております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オランダ産百合

 

2001年産

 

 非公式な数字ですが、6月末日までで約143,100,000球輸出されているようです。最終入荷量は160,000,000〜163,000,000球といったところだと思います。後半かなり発注量が伸びたようです(特に透かし百合)。

 

 今のところ事故は少ないようです。前回の情勢報告同様、球数不足と選別の悪さについての指摘が多いようです(特にシベリア。大きすぎる球根が入っている)。

 

※養成球生産されている方へ

 梅雨が空けて高温の日が続いています。管理面で植え込み直前直後に次いで大事な時期です。この時期薬散回数を落とす人がいますが、注意深く圃場を見ていてください。昼間の薬散は危ないので、気温の低い時間帯に、あくまでも予防的に行なってください(アブラムシも暑すぎるので少ないと思いますが、念のため)。

 

 

2002年産

 

 8月6日現在約34,000,000球受注させていただいています。N.Z.・Chile産と合わせて約40,300,000球となります。大変ありがたく感謝いたしております。

 

 受注内容は前回(7月1日報告)と同様な傾向となっています。

 

 

透かし百合作況

 

 昨年来の傾向ですが、オランダの球根農家は面積あたりの植え込み球数をかなり増やしています。このため、今年のように暑くなったり急に雨が降って寒くなったりする年だと、灰色カビ病などの病気にかかり易く球根も太りません。天気が良く干ばつ気味で太らないという理由であれば「見てくれよりも力のある球根」ができますが、ただでさえ母球・種球品質が低下しているところにきて栽培密度を細かくしてしまえば、どうしても力のある球根はできなくなります。粗製乱造もいいところです(切花の密植栽培で日持ちのする花ができないのと同様)。

 

 各社見解は分かれていますが、大球不足による価格高騰を心配する業者と、10/12・12/14サイズはいくらでもあると考えている業者と2通りです。当社としては、10/12・12/14サイズで買いたい人はできるだけ新しい品種に変えていただきたいですし、古い品種で行く人は12/14・14/16とワンランクアップさせた球根にしていただきたいところです。

 

 

L.A.ハイブリッド作況

 

 透かし百合と似通った状況といえますが、やはり平均的に母球・種球が新しいこと、ボトリチスに強いことなどから、大きな不安はありません。

 

 

オリエンタル系作況

 

 コメントするには時期早々です。「2割くらい作況が悪くなればよいのに」などという過激な希望的発言が出ています。それだけ販売状況が悪いということなのだと思います(全輸出業者共通)。

 

 


 

 参考:山喜農園の状況

      (ニュージーランド)(オランダ)

 当社輸入状況(N.Z.産 + N.L.産)及び98年産〜02年産百合球根弊社出荷状況

 

                                       (単位:1,000球)

 

12月出庫

(N.Z.+N.L.)

1月出庫

2月出庫

3月出庫

4月出庫

5月出庫

6月出庫

7月出庫

8月出庫

98年産

 (130+3,270)

4,000

2,700

4,300

4,300

3,400

3,800

6,200

5,800

99年産

(1,350+2,750)

4,900

4,600

4,600

2,900

3,600

4,400

6,600

5,800

00年産

(2,450+2,750)

4,400

2,700

5,000

3,300

4,000

4,100

7,000

6,300

01年産

(3,500+2,100)

4,300

2,900

4,500

5,200

3,100

3,800

6,400

 

02年産

(6,300+ ? )

 

 

 

 

 

 

 

 

      (↑予定 / N.Z.+Chile

 ニュージーランド産球根の出庫数は掘り取り年の9月〜1月中旬までの合計出庫数です。

 

参考

9月出庫

10月出庫

11月出庫

12月出庫

合計1

合計2

日本の輸入量(N.Z.+N.L.)

98年産

 4,500

  3,600

  1,300

   400

 47,700

 48,800

    150    186,600

99年産

 4,500

  2,300

  1,050

   250

 49,600

 50,800

  1,500    182,000

00年産

 3,500

  1,500

    800

   540

 48,300

 49,200

  3,000    173,000

01年産

 

 

 

 

 46,900

 49,600

  5,500    160,000〜

      +  163,000

02年産

 

 

 

 

 

  ?

 12,500〜+  未定

 13,500

                                   (↑予定 / N.Z.+Chile)

 

 ※合計1:同一掘り取り年のオランダ産+南半球産の輸入合計数

 ※合計2:オランダ産+翌年の南半球産の合計数

 

 


 

 以上情勢報告でした。よろしくお願いいたします。

 

 

 

※大変遅くなりましたが、「2002年産オランダ産百合球根コメント」別途配布します。ご確認ください。

 弊社ホームページにも載せてありますのでそちらでも確認できます。

 

※8月末までに本年5月の「キューケンホフ百合パレード展示写真」と7月の「フロリアード百合展示

 写真」をお送りいたします。

 

 今回はあくまで思い付きの仕事で、きっちりと計画的に作成したものではなく、一般旅行者の「旅の思い出」的な雑な写真ばかりではありますが、フロリアードの年の品種変化だけでも伝わればと思い作成に到りました。甚だ稚拙ではありますが、ご参考になれば幸いに思います。

 

 

 

次回予告:

 

 「輸入切花の動き」が気になっています。資料が見付かりそうなので、でき次第報告いたします。

 一部予告として「近年の要約した動き」もホームページに載せてありますのでご覧ください。