平成24112

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球根情勢報告

12年産南半球産百合球根栽培品種リスト(暫定版)について

 

平素よりお引き立ていただき、誠にありがとうございます。

 

 輸出業社からの一時情報に基づき、12N.Z/C.H両国で生産されている品種リストを作成いたしました。よろしくご確認ください。

 

注意点

 N.Z/C.Hとも、生産はあっても、日本向けのロット番号はあえて取得しない(日本へは輸出しない)という品種が出てくるそうです。

 品質が不適応という意味ではなく、「ロット取得しても販売の目途が立たない」「日本向けロット取得の為の費用が少なくとも1ロット当たり2,0003,000EURO経費が掛かり、輸出球数が少なければ決してペイ出来ない、という品種ではあえてロット番号は取らない、という考え方が出てきたそうです。

 同様に中国向け・ベトナム向け・台湾向け・アメリカ向けなど、各国向けの輸出許諾を得る為にいちいち経費が発生するそうで、「あまり良い仕組みではないなあ…」と思います。

 

リストアップされている中から、結果的に輸出出来ないと言われてしまう品種がある事ご承知おきください。

 

 時間がかかって申し訳なかったのですが、

@可能な限り生産地を分けるようにしました。

A1N/2Nコンディション分けは、ほぼ全ての輸出業社が協力してくれるようになりましたが、今回の案内ではまだ完全に分けきれていない品種がある事ご承知おきください。今後PUGコード販売分中心に、PUGS2N品種が追加されるものがあります。

BLOSコード販売予定だったL.A系は日本向けロット番号を取っていなかったそうです。(残念。)

 

コード説明

N.Z

 NIS …アイランドバルブス社産。

 BK  …バッカー社産。

 無印(O.H/O.T)V.Z社産。

 SF(O.H/O.T)…サザンフローラ社産。

 無印(A.H/L.A)V.Z社産。サザンフローラ社産。

 

 2N ……1.5+2年栽培球根のバッカー社、アイランド社の呼び方。

 TL ……1.52年栽培球根のV.Z社の呼び方。

 

C.H

 LOS …サンハーベスト社産。

 PUGS…サザンバルブス社産。

 無印  …ソネ社産。

 

 2N ……1.5+2年栽培球根のサンハーベスト社、サザンバルブス社、ソネ社の呼び方。

 

 

生産状況

N.Z産…やや涼しめ。(11年は普通。)

C.H産…やや暖かめ。(11年は暖かかったので良い球根が出来ている。12年も11年並みの天気+αの良さで推移しているとの事。サザンバルブス社コメント。)

 

流通状況

 生産量は両国ともやや減少。(日本向け品種。)

 日本は大変寒い。日本経済も寒い。一方北ベトナム・南部中国は大変暖かい。旧正月で大量に花を消費する代表的な国々の切花生産出荷が計画よりも大きく前倒し(昨年は逆)、各国とも儲かっていない。(結果的に、旧正月は品薄で、高価くなる予定。もの日に合わせるのって、どこでも大変ですね。)

 

 11年産で、日本がやや過剰気味の発注をしていたことはすでにご承知の通り。(結果的に欠品/バイラス事故等で過剰感はやや解消されていると期待したい。)国際市場では11年産はすでにB/C級品種(生産地によってはA球品種ですら)を中心に数百万球〜1千万球強の球根があまっていた。

 

 ユーロ安は対円に対してだけではなく、USドル/N.ZドルやAUSドルに対しても同様。経費を払う為にユーロを毎月N.Z/C.Hに投入しているが、原価の上昇(ユーロベース)にドキドキしている。(輸出業社/球根農家)

 

 幸い主要な南半球産消費国が、やや球根過剰・切花価格低迷という情勢の様なので、昨年よりも時間をかけて市場情勢・球根作況・品質(特に力の有無)を見極めてからの契約でも間に合うようです。

 

 このところ日本は、台湾・中国・ベトナムより平均仕入価格で若干高めな仕入を実行していたように感じています。

但しそれらの国/市場は輸出業社販売リスク(フィナンシャル的に、又は突然の法律変更による輸出入条件の変更リスクなど)が高い為、マージン率は対日市場よりは余計めに設定されている様ですが…。

 

 日本の輸入業社の仕入作業が2月中下旬〜3月上中旬まで遅れてくれれば、北半球産で言えば、89月までの球根栽培履歴を見極めてからの契約となる。

 

 オランダ産の仕入では考えられない遅さです。

 

今年はなぜ遅くとも良いのか?

 

 @オランダ産を仕入る時と若干考えが違う様だが、N.Z/C.Hの球根栽培農家が、各消費国に向けての品種構成や、各国向けのロット番号取得をするくらい、各市場向けの栽培をしてくれているのは、複数の輸出業社が思惑で球根を買うのではなく(だから相場が上がったり下がったりしない。余った時にダンピングが起きるだけです。それも農家損失ではなくて、輸出業者損失。)

農家は、各国の消費動向を調査した12件の輸出業社と相談しながら作付計画を考えていくし、経済情勢に合わせて球根農家/輸出業社間の仕入価格が決定されていく。

 

ここまでの所、少なくともN.Z産は農家/輸出業社での交渉決裂という話は聞こえてきません(1999年以降〜現在。)

 

チリには何軒か、複数輸出業社に対して、オランダの球根市場を通して契約販売する農家がいますが、中・長期的な流れはアメリカ/南アメリカ・ヨーロッパ用の品種構成になっていく様です。(N.Z農家型のように、輸出業社と相談しながら計画を立てる農家は、アジア向け品種もちゃんと作っていく。)

 

*この作業は実はものすごく大変。各国が消費するサイズが違ったり、同じだったり…。

 

 A前記した様に、世界の主要な南半球産消費国が球根不足を全く感じていないから。

 

 B主要な対日輸出業社中でも、最大のV.Z社で全生産量の3540%が日本向け。P.O社で取扱い数の25%が対日市場向けとなっている。

 彼ら2軒は取引後半のダンピングはしたくない。(対日という意味ではなくて)加えて昨年の日本市場(東日本大震災前後)の様な混乱は避けたい。

 

日本の切花農家の皆様においては、価格を見なくても必要な品種、

 価格を見た中で導入を考えたい品種、

 全体の生産計画を合わせた品種構成・コンディションの導入を考えられる方、

 平均仕入価格を意識される方、

生産地を集約させないで分散させたい方、(欠品・品質不良の集中回避の為)

 

さまざまな仕入方針があると思われます。慎重に計画を立ててください。

よろしくお願い致します。

 

詳細はお問い合わせください。                           以上 森山隆