平成2415

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球根情勢報告

11年産南半球産百合球根バイラス問題処理について

 

新年あけましておめでとうございます。

 旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願い致します。

 

 昨年11月中旬以降より調査を進めております、11年産南半球産百合球根バイラス問題処理についてご案内いたします。 輸出業者側と協議を続け、一定の回答があった事案について、報告と第一次保障割合及びマイナス伝票発行についてご説明いたします。

 

現在までに複数の輸入業社(日本、アジア、オランダ/イタリアの切花農家など)から報告があった品種ロットについて、実際の発生割合よりやや多目の割合の保証提案をいただいております。(実際の事故割合+αが1次案から提案されてくるのは極めて特殊だと感じています。問題の大きさを感じます。)

 

ただし、この割合についてはあくまでも12月末までの発症をベースに算出したものであり、最終処理案ではない事、ご承知おきください。(作型・使用地域の気象条件などにより、発症率が変動することは承知しております。)

 

合わせて、報告数、(お客様からの)が少なかったり、作型的にまだ発症割合が正確につかめていない品種ロットについては今回の第一次提案には反映されておりません。他の問題と同様随時対応してまいります。

 

最終処理案については、35月切花が終了するころをめどに再度確認をさせていただきます。よろしくご承知おきください。(結果的に認定不足であれば追加となり、過剰であってもマイナス伝票の取り消しは行いません。なんとか1次処理案の範囲で済めば…。)

 

 

*同様に問題視されている、ルルーブの混種問題につきましては現在までの所、輸出業社サイドからの提案はありません。(ここまでの輸出産地側の方針。23年後の取引等も考えあわせていかなければならない…。)

 

*どうやら混種割合が一定ではないようです。

 

皆様におかれましては大変ご迷惑をお掛けいたしますが、出来るだけ正確なバイラス割合・混種割合を算出していただきます様、よろしくお願い致します。余計なお手間を掛けさせてしまい申し訳ございません。かさねてお詫び申し上げます。

 

2012年産に向けての対応

バイラス問題

 すでにご報告の通り、オランダ/ニュージーランド/チリともに日本向け球根輸出隔離検査免除条件が違います。チリが最も厳しく、ニュージーランドもオランダ産比較で厳しい条件となっております。今回の事故は球根栽培管理時における人為的ミスによる事故であり、品質管理システム上の問題ではないという風に考えております。

 

 前年の問題を大きく引き継ぐことは無いと考えておりますが、よく注意して仕入対応を考えていきます。

 

 

私自身、チリについては、20082月、ニュージーランドについては20071月を最後に現地確認を行っておりません。(決して怠けていたわけではなく、この期間、オランダ産百合球根消費国、国内で切花生産を行い、同国内で85%以上切花を消費する国にターゲットを絞り、世界の百合切花生産消費動向を調査しておりました。)

 

世界には1,500万球以上百合球根をオランダから輸入して、85%以上を同国内で消費する国は、ロシア・イタリア・アメリカ・メキシコ・インド・ベトナム・中国・台湾・オーストラリア・日本の10ヶ国ほどの様です。(イギリス・ドイツ・フランス・ポルトガル・カナダは市場構造が似ているので対象から除きました。1,500万球以上輸入していても切花輸出を主力に行っている国も含めていません。09/10年産をベースに算出しています。)あと4ヶ国の状況を確認しなければいけないと考えています。

 

本年は一月にオーストラリアの市場確認と合わせて、ニュージーランド圃場確認、2月にはチリ現地圃場確認に出張計画を立てました。

 

やはり見てこないと不安です。

 

ルレーブ混種問題

ルレーブの混種対応については複雑です。すでにチリではルレーブの優良ロットの生産はありません。(バイラス/到花日数が早すぎる為、葉焼け・花飛びリスクが高い。)

 

ニュージーランドにおいてもゴア産ルレーブは恐くて扱いたくないし、(チリ産と全く同じ問題を抱えている。そもそもまだ生産あるかどうかも未調査です。)

 

Bakker社も生産量減少予定。12/14,18/20が売れず、取扱輸出業者は廃棄をしている。(将来的には生産中止の方向性?と聞いておりました。12年産はまだ生産があります。)

V.Z社はバイラスを抜いて本当にきれいな球根を作ってくれたのは良いが、ルシック混種が多過ぎ。((*注1)定のうまくいっていないロットを母球にしてしまった。埼玉深谷地区の生産状況を見ていると、ルレーブ並みの低温管理でも良く出来るのは(*注2)種ルシックもどきだけの様です。フェニス・コンパニオン・サンナ・マウレナでは、たとえ早生種でも一般オリエンタルと同じ高温管理を行わなければいけない。)

 

オランダでも南半球でも生産が減少。または停止される方向性の品種をあえてリフレッシュして生産継続をしようとするV.Z社の努力は大いに評価してやりたいし…。悩み深い問題です。(2012/13/14の取引を考えた時…。)

 

*注1 固定がうまくいっていない品種で栄養繁殖(メリクロン・ティッシュカルチャー・りんぺん養成など。)を行うと、今回のケースであれば、ルレーブが出るのか、ルシックもどきが出るのか全く分からない。同一品種として球根生産しているので、抜き取ることは不可能。

*注2 そもそも本当の「ルシック」という品種は登録されているのか?良くあるニックネーム?それでも温室内の切花品質は極めて良く出来ています。(後日確認を取ったところ、MAK社がVletter社とシェアする条件でルシックとして登録を取っているそうです。)

 

まったく別の、固定のしっかりしているルレーブロットから再生産をするしか方法はない。

 

ルレーブの様な196070年代育成種・育種親からでは、完全固定のロットを探すのはとても難しい。(今だったら品種登録できない。当時の育種選別基準は甘かった?)Bakker社の球根を母球として再挑戦してくれた時、今よりも混種率は確実に下がると思うが、果たして0%にすることが出来るかはやってみないと分からない。(V.Z社はホップマン社のストックから再挑戦すると言ってくれてます。)

 

オランダ産にも言えることだが、ルレーブ・カサブランカ・イエローウィンの様に圧倒的に日本の消費割合の高い品種の良品質球根生産を継続してもらう事の難しさを、消費する側も本気で考えていかなければならないと思います。

 

そういう意味でルレーブ/ルシックもどき混種問題をバイラス問題と一緒に事故扱いして良い物なのか?今年だけの問題では無い。私自身も答えが出せておりません。

 

詳細はお問い合わせください。                           以上 森山隆