平成201017

お客様各位

株 式 会 社  山 喜 農 園

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球根情勢報告

 

08年産オランダ産百合球根在庫表(10/17付)送付にあたり

 

平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。

 

 08年産オランダ産百合球根在庫表(10/17付)を送付させていただきます。

 よろしくご確認下さい。今回は大きな変更が発生しております。(価格面)

 

 新潟県魚沼地方はすっかり秋らしくなり、日中はすごく暖かいのですが、朝晩は涼しいというより肌寒く感じるようになりました。5月中旬以降の切花価格低迷は、今現在も続いており、日々の仕事も「厳しいなあ」、という言葉とともに行っている毎日です。

 

 ここ2ヶ月くらい「犬の散歩」はサボり気味、(カミさんはブツブツ文句。)岩盤浴は「ケツを叩かれながら」、なんとか続けています。

 体重75kg(減らない=ストレス太り?)内臓年齢は38歳(実年齢43歳)で半年後の人間ドックまでに最低4kg痩せろとの事。果たして達成できるかどうか、タバコ量はこのところ激増しております。

 今月はそんなに忙しくない予定だったのですが、精神的にキツイ月となってしまいました。

 

 1031日に千葉県幕張メッセにある「ホテル・フランクス」で、「JFTAⓇ」主催の球根切花セミナーが開催されます。私には「約30分間情勢報告を行え」、という事です。

 IFEXの会場から歩いて15分くらいの所だそうです。「人が集まらないと困るので、会員・会社毎に最低5人はきていただく様に」と言われています。

 お忙しいこととは思いますが、なんとか参加していただけたら助かります。よろしくお願いします。

 

 

 

球根流通状況

 

 作況

 6月・9月、2回の現地確認を行った印象は、「初期成育は良くない」、「9月上旬の段階では(悪かった=遅れていた)成育肥大はほぼ回復した」、という分析となっていました。8月末までの天候具合から07年産同様「あまり力の有る球根は出来ないだろう」、という分析をしています。(但し1011月の温度の下り方が良ければ、逆に品質は期待できるかもしれない。)

 

    9/10月の天候が重要だと考えていましたが、どうやら9月は平年より降雨量の多い月となった様です。日照時間・平均気温は平年並みの様です。

 

「稀にみる豊作となるのでは?」と予測していた透かし/L.A百合については、この雨のおかげで一気にホドリチスが発生し急速に肥大を純化させたようです。

    鉄砲百合、早生のL.A(オレンジタイクーンなど)の掘り取りが始まっていますが、16/1818/20などの大きめサイズの収穫は想定よりもやや少なめとなっているそうです。

 

    これがオリエンタル・O.Tとも同様な結果となるかはまだわかりませんが、国際的な需要の冷え込みは感じられる一方、「力不足」を推定して、大きめサイズ思考が強まっていると考えられます。対日輸出用球根が不足するという事は、まず起きないはずですが、小さめサイズの価格が下る傾向となっているのに、大きめサイズについてはこの作況予測から、一部過剰品種を除いて、比較的下げ幅が少ない理由、となっているのかもしれません。(5679月発行価格表と見比べてみてください。)

   *栽培面積が減少している事は忘れないで下さい。

 

 

 販売状況

   世界的には需要は冷え込んだままです。5月中旬〜8月末までの日本においての切花価格低迷もそうですが、9/10月に起きた金融不安は、世界中の切花農家の警戒感をさらに強めているのだと想像します。

不思議なのは、透かし百合・L.A・鉄砲百合の切花価格はその他の花同様低迷していますが、O.H系については10月に入って、アメリカ市場、ヨーロッパ市場とも、やや回復しているそうです。(このまま続くかわかりませんが…)それらの国は、日本以上に危機的状況となっていると思いましたので、「高い筈の花のほうが売れるのかな?」、と感じています。

 

   日本のオランダ産百合球根の輸入状況は

     05年産   147,100,000

     06年産   142,474,128

     07年産   131,459,157球(本年9月末までの植検対象球数1014日調査時点)

07年産は10/11月に輸入される球数がカウントされていませんが、南半球産のL.A増加等を考えれば、ほとんど無いと考えてよいと思います。(前年度10/11月実績38,820球)

 

   日本マーケットは、1015日に12件の輸出業社からの聞き取り調査を行なったところ、主要輸出業社(P.O社・V.Z社・D.JZ.P社・V.d.Z社より書面回答)で約35,000,000球ほど、昨年の総販売球数より現在の受注数が少ないそうです。

 

7件の受注状況も同様からやや遅れ気味となっている様ですので全体では約40,000,000球ビハインド、推定確保数は約91,500,000球となっている様です(昨年比69.6%)。当社は、昨年比81の確保率となっております。(品質の良い球根確保を輸出業社にしてもらう為に

 

   06/07年産で約7.7%の輸入量の減少となっていますが、07/08年産でも、再び減少することになるのでしょうか?球根屋も厳しくなりました。(ボヤキです。)でも切花単価が上がってくれれば…、それが、最大の願いです。(ついで燃料代諸経費は下ってくれれば…)

 

 

 現地球根価格動向

   透かし百合・L.Aの主要品種については全面安。(株式相場や為替相場みたいな言葉使いですね)一部特殊品種については、作況予測から警戒感(品薄感)もあり、大きな値動きは無い。(ますます株式相場みたいですね)

 

   O.HO.T系については早くからすでにその兆しが出ていた品種、ノバセンブラ・マレロ・ロビーナ・ドナトなどは下落。ロビーナ・ドナトの下落幅は、特に大きくなっている。

 

1010日以降採花作型で、イエローウィンとコンカドールの中間的な役割を果たしてくれそうな、「セラノ」という品種が使いやすい価格となってきています。今年の実績も、「良かった」、と言えると思います。

 

   08年産は再びイエローウィンの輸入量が激減する年となりそうですので、ぜひ「セラノ」の導入検討をしてみて下さい。(7月〜9月いっぱいは蕾に黄色い色が出にくいです。必ず遅い作型のみで使用してください。=新潟県山間地の気象条件での推奨採花作型。地域により違います。)

 

   新興マーケットの需要、自国切花消費能力が無い国に向けた生産を増加させた品種は、行き先を失ってしまう状況の様です。(サブプライムローン問題みたい)

 

   今、行き先を失った投資家が、「そんな状況ではないはず」なのに、日本円がまだましと考えている様です。

 

株式相場の世界では「ディフェンシブストック」(=上り下りが少ない安定株。投機性は低いが資産として勘定されやすい)という言葉があるそうです。

 

日本向けの品種の価格はあまり下っていません。

   例:ロイヤルトリニティ・ソルボンヌなど(シベリアは作況次第。中国次第。)又、消費実績があって、生産量が減少している品種も、価格はやや上昇する傾向となっている様です。

   例:ロンバルディア・アクティバ・マルコポーロ・Wアルベルティ・イエローウィン・カプレットなど。

   カサブランカについては、生産面積の減少の影響と、作況予測からEVRTYSTL球とも22/24.24/26サイズは、主要輸出業社レベルでは追加受注停止。むしろ欠品が予測される情勢となっています。

 

   株式相場も先行き不透明。為替相場も不透明。球根相場も不透明。景気の先行きは悪くなる予測。

さてさてどうしたものでしょう?

 

   すでにご報告の通り「栽培面積は減少」、作況は良くて「平年並み」、「球根の力は弱め。(1011月の天候次第)」、となっています。「世界消費の減少予測」から、春以来原価ギリギリ、又は原価割れという球根価格設定がされていたのに、さらに「値段がつけられない状況」にまで下ってしまいました。それでも優良球根農家は守って生きたいです。

 

   9/24付け情勢報告でも書きましたが、「迷っているならまだ買わなくて良い」=「こだわりがなければいつでも買える」。「腹が決まっているならそろそろ買いです」=「自分の計画・産地の計画に合せるならお早めに」。

 

球根を買ったら(又は買う前から)生産計画・販売計画を立てましょう。(球根業社の為に球根を買うのではないですよ。オランダの球根生産農家の為には、買ってもらいたいですけど。)

 

   きっと市場も花屋さんも苦しんでいると思います。

 

   「続ける」。という意思表示は結構大事だと思いますよ。(それが一番お客様への励ましになるのかも。)

 

 

 為替管理状況

 

   頭痛いです……。円高なのに……。

   568月の価格表(在庫表)は1EURO=\151.0/153.0-で計算していました。

   9/24の価格表(在庫表)は    1EURO=\150.0/152.0-で計算していました。

   本年2月〜9月の7ヶ月間の平均レートは1EURO=\162.80-となっていました。   

              (第四銀行TTSレート)

2

\159.69

 

3

\157.93

 

4

\163.13

 

5

\163.79

 

6

\167.86

 

7

\169.88

 

8

\165.37

 

9

\154.79

 

10

\141.96

116日)

 

   この為替情勢の中で、販売価格提示を1EURO=\150.0\153.0-計算で行ってきたのは、当然為替管理を行っていた為です。(本年は受発注金額が伸びてきていない為、カバー率もかなり高めです。)

   10月以降為替が乱高下していることは、皆さんご存知の通りです。銀行間取引レートで\132\141の間を、毎秒、毎分、毎日、毎週、上がったり下ったり、いったいどうなるのかわからない状勢です。(たったこの2週間の間だけですが。本当に慌てさせられています。)

 

   このような状勢の中で大変心苦しいのですが以下の様な方針でレート決定させて頂きたく、よろしくお願いいたします。

    07/08年産アイリス   1EURO=\154.0-

    08年産   フリージア  1EURO=\154.0-

    08年産   チューリップ 1EURO=\150.0-   すでにご案内済み。

    08年産 南半球産百合   1EURO=\150.0-

    本年輸入分BVBピートモス  1EURO=時価レート

 

   08年産  オランダ産百合081016日受注分まで) 1EURO=\150.0-

  で円貨設定させていただきます。

 

   4月〜8月までの円安期にはすごく競争力のある為替レートだったのですが……。本当に頑張っていたんです。

 

   仮に10月〜12月の向こう3ヶ月間の平均レートが1EURO=\135.0-だったとしたら、2月〜12月の10ヶ月間の平均レートは1EURO=\154.5-となります。(通常この受注期間の平均レートを、各年のオランダ産百合球根販売適応レートの参考にしていた。)

 

\150.0-とはこんな状況でも結構意味深いレートだと思います。

 

ちなみに、世界のトヨタの想定レートは\155.0-との事です。

 

   1017日付け在庫表については1EURO=\145.0/\150.0-2本立てで計算しています。(前回までと比較しやすいように)1210日頃まで様子をみないと、いったいいくらで計算すれば良いのか決定が出来ません。

 

   今後の流れは……。

     \150.0-以上の円安レート適応は当面おきないと思います。(たぶん\145.0-以下になるかな……。)

     仮に\145.0-以下の為替レートになってしまえば、当社仕入単価が安くなりすぎて、現行の粗利設定では事業を行なう為に必要最低限の費用が確保できない。マージン率を同一販売期内に、同一販売先に対して見直す事は難しい為、よほど円高のまま推移することになれば再検討の余地はありますが、今回以降、暫らく安全をみたレートでご案内させていただきます。(1ケースあたりの粗利より、経費が高くなってしまう水準になっています。マージンを上げなければやっていけない。他の球根屋さんは大丈夫なんでしょうかね?)

     WTI原油先物価格トは昨日一時的に1バレル当り$70を割り込んでいる様です。(ピークは$140.0-でしたね。)いつ頃から燃料代や資材価格は下るのでしょう?

 

よろしくお願いいたします。(皆様から注文が来ないと円高レート使えません。)

 

 以上情勢報告でした。

 

詳細はお問い合わせ下さい。                               森山 隆