平成20年6月17

お客様各位

株 式 会 社  山 喜 農 園

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球根情勢報告

 

5月期6月期オランダ出張報告

 

 

 平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。

 

 

 08年も、もう少しで半年を過ぎようとしています。

 月日の経つ速度が年々早くなってきたなぁと実感してきました。(43歳。年をとっただけ!

 

 最近は、海外出張から帰ってきた後の時差ボケや、疲れがぬけるのに時間がかかる様になってきました。

 今年の前半戦 チリ・台湾出張の時は、結構きつかったのですが、今回の5月/6月のオランダ出張は、今の所上手く回復出来た様です。

 

 去年の4月からラブラドール レトリバーという犬を飼い始めました。(現在1歳3ヶ月 約30kg

 出張と二日酔いの日以外は、1日朝晩2回 30分ずつの散歩をする様になりました。

 先月2頭目の犬も、新たに家族の仲間に加わりました。(ヨークシャーテリア 3ヶ月 800g

 メタボリック対策で、犬を飼い始めたのですが、家族も随分明るくなったし、今の所「大変良かった。」と思っています。

 

 人間ドックで調べると、体力年齢は28歳〜32歳位なのですが、最近内臓年齢というのを測った所、48歳と診断されました。やばいです。

 

 先月から「岩盤浴」というのに通い始めました。

 出来るだけ週に1回90分かかる様にしていて、現在5回目なのですが、なんと「36歳」まで回復してきました。

 びっくりしています。(まだ体重は減ってこない。)

 オランダ出張の翌日に行って来たのですが、時差ボケ解消にも大変効く様です。

 

 本日16日から来月10日頃まで、当社テストハウスの視察案内で忙しく、又、酒のきれない日が続きます。(大勢の方より、お越し頂きたいです。宜しくお願い致します。)

 頑張って後半、半年も乗り切って行こうと思います。

 

 

オランダ産百合球根

 

 07年産

 開花球

 3月上旬定植分までは、気がつかなかったのですが、3月下旬/4月以降定植分、特に5月10日以降に分枝を始めた作型に付いては、葉枚数の不足・根張りの悪さからくるボリューム感の無さ、を感じてきました。

 昨年の秋以来、07年産オランダ産百合球根は、球根生産時の気象条件から、力の無い球根になるだろうという事は予測していましたが、具体的には「輪付き」に対しての影響ではなくて、草丈・ボリューム感の方に影響してくる様です。

 

 夏秋作型がメインの産地は、丈足らずに苦労されそうです。

 

 「根張りが悪い」のですから、日照量は重要です。

 伸ばそうと思って射光しすぎない様、注意下さい。

 

 マレロ・メデューサ・ルレーブ・リアルトなど凍害に弱い品種についても注意が必要となります。

 「解凍処理その後の出荷」をつとめて行う様、指示下さい。宜しくお願い致します。

 

 養成球

 新潟県内3月/4月上旬定植分は、新潟県内の3月・4月の天候の良さに恵まれ(日照量・気温)順調な生育状況となっています。

 近年では最も良い状態となっている様です。

 

 一方、県内山間地定植分については、かなり苦戦しています。

 定植期は平野部よりかなり遅く、4月下旬から5月第一週位に行われているのですが、5月10日以降の低温・低日照の影響、さらにオランダ産養成球の長期保管によるエネルギー切れが重なって、同時期比較での発根量が少なく、ボリュームが出てきていません。

 今後の天候にもよりますが、スタートは悪かったといえそうです。

 これからの回復が、絶対必要とされる状況です。

 根が少なければ、肥料も水も吸収出来ません。

 特に、火山灰土地帯で生産されている方は、来年の切花品質を良くする為にも、十分な管理を行なって下さい。

 

 6月16日調べの植物防疫統計によれば、07年産オランダ産ベルギー産 5月末日までの植検対象球数は、前年同月比 約11,000,000球減(△10.1%)となっています。

 特に1月・4月・5月の入荷量の減少が目に付きます。

 

 昨年は6月〜11月までの間に約34,500,000球輸入されています。

 まだ最終入荷数は分かりませんが、おおよそ7〜8%減少となるのではないかと思います。(当社は約7.6%減予定。)

 

 切花市場流通からいけば、ちょっと減りすぎとなっている様な気がしますが、07年産の球根品質はあまり良くなさそうなので、「減っていて良かった。」というのが正直な所です。

 

 まだ若干在庫が残っています。宜しくお問合せ下さい。

 

 

 08年産

 5年連続の6月期圃場確認をしてきました。

 今回は複数の輸出業者には案内の依頼はしないで、4日間全てPFオーニングス社に案内を頼みました。(効率UP

 全走行距離約2,200km、オランダで生産されているオリエンタル圃場の約30%に相当する面積を見て来た事になります。

 例年通り、カサブランカ養成球 養成圃場・開花球 養成圃場、加えてソルボンヌ・イエローウィンを中心にした色物オリエンタル圃場の確認でした。

 

 作況

 約2週間の定植遅れは北部・東部・南部とも遅れたまま。

 実感としては現段階では、約10日間遅れ位となっている様です。

 新潟県の山間地同様、根張りがもの凄く悪い。(同時期比較で約70%位、少なく感じる。正確に根重量を量ったわけではありませんが、見た目で本当に少ない。)

 

 定植が平均的に2週間遅れて3月・4月の地温は、球根が植え付けられている深さでは5℃前後としかなっていなかったわけですから、植えつけてあっても冷蔵庫の中で、芽伸ばししていただけの状態が続いたわけです。(球根の抑制栽培。)

 2週間あたり前から気温・日照量が回復してきているそうですが、地上部は伸びてきていますが、根の量は全然増えていないわけです。

 

 先の事はまだわかりませんが、

 3月〜6月:球根の肥大を決める時期。(60%位の影響力)

 7月〜9月:球根の力のある・なしを決める時期。(80%位の影響力)

 10月〜12月:球根が腐る・腐らない、凍害が出やすいか出にくいかを決める時期。(70%位の影響力)

 と考えています。

 今年は作付面積が減少する年となっていて、なおかつ、作況が悪くなれば特に大球の世界市場に対しての供給可能数は減少すると考えられます。

 

 但し、世界的に球根導入を控え気味とする傾向も、明らかに出てきています。

 上手く需給バランスがとれてくれればと願っています。

 

 

 カサブランカ養成球圃場

 すでにご案内の通り、ワールドフラワー社は2年連続栽培以外のカサブランカの生産は辞めてしまいました。

 この事により、供給不足が発生するか?と予測しましたが、今の所、帳面上のバランスはとれています。

 

 改めて驚きましたが、TYSコンデションの球根の履歴をたどると、バルガー社・ブラウワー社・エチテルト社・ホップマン社・来年からTYSに昇格予定のランゲダイク社、それらの農家の母球は全て、92年にデ・ヨング社の先代社長 クラス・デヨング氏が選抜したロットにいきつきます。

 TYS扱いで唯一同じ選抜でないのは、オリエンタルアンダイク社のロットだけの様です。

 

 まだまだ油断は出来ませんが、こと養成球の供給については消費する日本側が真面目な対応を続ければ、生産を継続してくれる農家はいる様です。(ホッとしました。)

 

 開花球についても全員では無かったですが、出来るだけ16/1818/20を作らない、20/+22/2424/26の収穫率を上げる努力は始まっている様にみえました。(使用養成球サイズ、栽植密度調整。)

 

 カサブランカだけでなく、他品種も含め2年連続栽培(2Nコンデション)の畑は昨年同時期比較で5日ほど生育が早い様です。

 これも07年産の夏場低温の影響が出ていると思います。

 これらの栽培方法は、今年でも良い球根が出来そうと、期待出来ます。

 

 

 ソルボンヌ・イエローウィン養成圃場

 今回の調査では、ウイルス、ロットの年令、などの確認は出来ましたが、「例の病気」については確認する事が出来ませんでした。

 圃場で花摘み後、約8週間、高温状態が続いて、初めて植物体にその影響が出てくるそうです。

 もう一度、9月に出張した時に良く見てくるつもりです。

 

 

 新品種育種動向

 5月の出張の段階では、「今年は新しく目に付く品種も少なく、つまらない年だなぁ」という印象でした。

 

 6月の出張時でも、その印象はあまり変りませんでした。

 

 

 ワールドブリーデイング社

 色々なOT育成中。良いのが出そう。

 

 マック ブリーデイング社

 時間がかかりそう。TAハイブリットに面白そうなのがあった。

 

 マークリリー ブリーデイング社

 平均点は素晴らしい。飛びぬけた品種が無い。

 

 バンザンテン社

 相変わらず、日本マーケットの「ツボ」を心得た育種をしている。

 他のマーケットで売れる品種を作っているのか心配になる位、日本よりの育種。

 

 ヴレッター社

 遅れをとっていたはずのOT系も、急速に追い付いてきている。(さすが)

 デヨング社・バンザンテン社しか力を入れていなかったはずのLOO系。

 低温伸張性の良さでは、OT以上という評価なので、ぼちぼちヴレッター社の育種温室の中にも出てきた。

 

 とりあえず、テルニー・ギスモ(ヴレッター)・ポーラ(デヨング)

 「全部純白」ですが、試験をしてみて下さい。

 

 OT系が各タイプ・各色揃うのには、3年前に、後1415年かかると思っていましたが、後5〜8年位でそれなりに揃ってきそうです。

 自分が現役のうちに扱えそうですね。

 

 

オランダ産チューリップ

 

 ハークマン社が会社の組織組み換えを行う様です。(チェンバーオブコマース公告済)

 現在、準備中です。

 今週から来週にかけて「どの様な組織」とするのか、連絡が入る予定です。

 

 08年産オランダ産チューリップについては、6月14日現在 全体量 約5,900,000球発注確保しているうち 約600,000球がハークマン社の球根です。

 近日中に変更等発生する場合は、ご案内致します。宜しくお願い致します。

 

 チューリップの畑を見れば、百合の出来もある程度分かるものですが、畑の枯れ込みは遅れている様です。

 いつまでも太っていないで、さっさと充実する方向に進んでもらわないと、またまた腐敗が心配される年となってしまいます。困ったものです。

 

 

 以上、オランダ出張報告でした。

 

 

 PS

 到着した翌日月曜日PM 20302300、火曜日PM 19302130、木曜日AM 06000800まで、VZ社とのミーティング。

 木曜日PM 14001700までヴレッター社とのミーティング。

 えらいハードなミーティングでした。(精神的に)

 

 後日、内容についてはご報告します。

 

 08年産南半球産NZ産について、現在VZ社 ハンスグローリー氏、バッカー社 マルコ氏が現地確認に入っています。

 VZ社は大球が出ない傾向、バッカー社はまずまずの出来となっています。

 作況によるところの、欠品がかなり出そうです。

 対応対策は進めておきますが、皆様におかれましても連絡が入ったおりには、迅速な対応を宜しくお願い致します。

 

以上

森山 隆