平成19103

お客様各位

株 式 会 社  山 喜 農 園

新 潟 県 魚 沼 市 原1280-1

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球根情勢報告

 

 

 

平素よりお引き立ていただき誠にありがとうございます。

 

 925日過ぎまで30℃以上の日が続き大変暑い年となっています。ようやく夜温が15℃以下になる日が出てきました。

 当社試験栽培も見ごろを迎えてきます。(今年は未熱有機物を入れすぎ、やや脱窒で品質良くない。)

 ぜひお越し下さい。(オープンデー/Opendayは別途ご案内の通りです。)

 

 今年の当地魚沼は、大きな気象災害も無く(何年振り?)順調に切花が生産出荷されています。

@       定植作業が極めて順調に初期計画通り進んだこと。

A       8月以降、今まで暖かい(暑い)日が続いた事。

 

 により、切花出荷は大幅に前進しています。1020日以降11月は昨年に反して相当出荷数が減ると思います。

 これだけ高温の年だったにもかかわらず、今年の魚沼地方(堀之内・津南・十日町・小千谷など)露地切花作型は近年では作況、品質とも極めて良い年となっている様です。「ほりのうちの若い衆」が行なっているホームページ上ブログにも載っていますが、生産農家の頑張りが実を結んでいるのだなあと感じます。

 

 季節もようやく秋らしくなり、切花品質もますます良くなってくると思います。最後までよろしくお願いします。

 球根業社も掘り取り期を迎え、06年産抑制球から07年産南半球産、07年産オランダ産に頭を完全に切り替える時期を迎えました。

 最新の球根情勢をお繋ぎします。よろしくお付き合い下さい。

 

 

 

国産百合球根

 

 06年産  順調。特別な報告事項無し。

 07年産  販売  きわめて順調。どうやら国内生産量が相当減少していた様子。

          調子に乗って皆が来年増やしすぎない様、祈っています。

      作況  順調。「力の有る球根」が出来上がると思います。

秋の温度が良く下ることを祈っています。

 

 

 

 

 

オランダ産チューリップ球根

 

 07年産  休眠打破 予定通りからやや早い。

      品質   すさまじくフザリウム発生。嫌な年になりそうです。

           時々ロットによって休眠打破が遅れて納期がずれていますがこれは「フザリウム」「その他」で出荷停止となったロットの代替確保をする事により、冷蔵開始が遅れる為に起きる現象です。ご迷惑をおかけ致しますがよろしくご理解下さい。

      取扱い状況 約5,900,000球(昨年5,800,000球)ほぼ横這いとなるようです。

 

 

南半球産百合球根

 

 07N.Z産  先日発行した在庫表に掲載しましたが「芽が相当大きい」という表現は適切ではなく、「芽が太い」というのが正しいようです。

        芽は太いのですが長くありません。9月上〜中旬に出庫した分の定植が始まりつつありますが、「昨年に比べれば細い」「06年産オランダ産に比べれば細い」というコメントが入り始めました。(球根の中の芽の太さと、出てくる芽の太さが違う。)

        07年のニュージーランドは06年に比べれば夏の涼しい年ですからこれはやむを得ないのかと思います。

 

 07C.H  まだN.Z産ほど球根出庫が進んでいません。多くのコメントは出来ませんが着荷検品段階での調査では、例年と変わらない芽の状況でした。06年産同様07年産もかなり涼しい年となっていますので、球根の力はやや弱いかもしれません。

 

        今年はN.Z産とC.H産の力の差は詰まるかも知れません。

 

        当社の場合昨年と今年の南半球産取扱い球数に変化は無いのですが、9月単月の球根出庫数が約2,100,000球から約1,500,000球に減少しています。他輸入業社から聞こえてくる話も同様です。

 

日本全体での南半球輸入量は大幅に増加していますので冬期間の切花出荷は増えるはずです。

 

        昨年は9月の南半球産球根出庫がその前の年よりも増えていました。(900,000球→2,100,000球)「百合切花市場流通実績協力30市場より」のデータからも読み取れますが、12月〜2月の切花流通量、特に1月の出荷量が大幅に増えて、単価が前年対比で下っています。逆に3月〜5月では4月単月は増えていますが期間合計は減っていました。したがって切花販売単価は高くなっています。

 

        まだ91ヶ月間の球根出庫だけですので、時期早々ですが、もし日本の切花農家の皆様が昨年安かった時期を減らして高かった時期を増やすなら、それは気をつけたほうが良いです。なぜなら「皆が同じこと」を考えるからです。(夏場の産地が毎年毎年繰り返しこれをやっています。安かった月を減らして、高かった月を増やす。当然相場は逆目です。)

 

        出来るだけ計画的な生産計画を立ててください。「平らな出荷をする事」に勝る販売単価の安定価、経営の安定価は無いと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

オランダ産百合球根

 

 06年産  コンテナ流通事故について

        本年610日頃から810日頃到着した百合球根の中で約850,000球ほどの球根が凍結腐敗という事故が発生しました。対照となったお客様には大変ご迷惑をおかけ致しました。申し訳ございませんでした。

 

事故の原因が、ほぼ解明しましたのでご報告いたします。

 

        現在日本が輸入をしている外国産百合球根の65%強が「(株)日本郵船」様のコンテナで運ばれてきています。(年々シェア率が増加してきた。)山喜農園の場合、球根輸入を開始した初期(80年代〜90年代全般)の段階では3件の船会社を使っておりましたが現在では限りなく100%が「(株)日本郵船」様となっています。

 

        リーファーコンテナ(温度管理できるコンテナ)を作っているメーカーは大きなところでは世界に4つ在り、サーモンキング社、キャリア社、ダイキン社、三菱重工社などが在ります。

 

        日本郵船様の場合過去5年の新造コンテナについては、ダイキン社と三菱重工社製がほとんどで、実際当社に向けたコンテナについてもダイキン社44%、三菱重工社44%、キャリア社12%となっています。

 

        当社は日本郵船と特別な契約を結んでおり「3年以内に建造されたコンテナ、もしくは3年以内にオールメンテナンスされ5年以内に建造されたコンテナ」以外使っておりません。(かなりの優遇措置を受けているのは年間の使用数が多いから)

 

        今回一定以上の外環境の変化が発生すると±0.2℃の幅で管理できるはすの冷凍ユニットが±1.6℃の幅に広がってしまう事が判明しました。(今回は11/91台中)この為対照のコンテナに乗っていた球根が過冷却の為凍死してしまいました。

 

        このユニットの故障?(異作動)を起こす原因と、特定の冷凍機ユニットにこの現象が発生する事が30枚を越えるレポートによって示されたデータにより明らかになりました。又、逆に対照とならなかったコンテナについてはきわめて安定的な作動を行なっていることも同時に確認できました。(これは大きな収穫。)

 

        金額にして約60,000,0000円分の球根が損失したわけですので、今まで球根輸入してきた中では最大の事故となりました。当社にとっても(株)日本郵船様にとっても大きな打撃をなりましたが(なんといってもお客様に欠品した事が一番大きい)、今後に向けての対策対応については鞄本郵船様ともども万全を期するつもりです。

 

        高い高い授業料でしたが今後の流通品質改善に必ずつなげていきます。よろしくお願いいたします。

 

 

        もう一つの収穫は(株)日本郵船という大企業が当社の様な零細な会社に対してとっていただいた対応が極めて紳士的であったことにびっくりしました。ある意味ちょっと感動的です。「この会社は無責任でははい」と改めて見直しました。(これこそが鞄本郵船を選んだ最大の理由であったのですが。)

 

さて、事故に遭遇しないで無事に出荷させていただいた球根についてですが、06年産オランダ産百合球根について生産時のオランダの気象条件により、青かび、輪ペン腐敗、ブラックノーズなどの事故の多い年になるかなと予測していましたが、(秋が暖かかったから)幸いなことに05年産同様今の所少なめとなっています。

 

特に5月〜7月中に出庫した球根については非常に「力」がありよい仕事をしてくれたのではないかと感じています。(夏が暑かったから)さらに8月以降これだけ高温だったにも関らずバッタン症の発生も最低のレベルに留まった事は昨年7月のオランダの平均気温が22℃(平年16.8℃)もあったことが、功を奏しているのだろうと思います。

 

昨年の9月の相場は高く、1011月の切花相場が安かったせいなのか、7月の球根出庫(9月切り)は増えていますが8月の球根出庫は激減しています。ちなみにトータルの取扱い球数は減少していますが、それらの減少は12月〜8月までにあたっていて、9月〜12月期に出庫予定の球数は減少していません。

 

西日本では南半球産も増加していますので12月〜5月期を増やし、6月〜11月期を減らすという動きがでてきているのでしょうか?

 

そうだとしたら、良い事なのだと思います。

 

07年産 鉄砲百合、透かし、L.Aから掘り取りが始まります。9月上旬にオランダ出張した段階では、作況は去年よりも良く、極めて普通作という分析をしてきました。今年の9月は昨年の9月に比べると天気が悪く、日照量少なく、気温も低く、雨も多かった様です。又6月〜8月までの間、平均気温が18℃を越えた月が1回もありませんでした。

 

「青かび、輪ペン腐敗、ブラックノーズ」が出やすいかどうかは10月〜12月の天候を待たなければわかりませんが、「力」についてはあまり期待できない年となる様です。(夏が涼しかったから)

 

06年産は比較的輪数付きも良く葉枚数も確保された年となっていますが、07年産はそうはならないと思います。追加で買われる球根は「大きめ」な物を選んでください。

 

 

以上

 詳細はお問い合わせ下さい。

森山 隆