平成16年8月3日

お客様各位

株 式 会 社    山 喜 農 園

新潟県北魚沼郡堀之内町原1280-1

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球根情勢報告

 

 

 平素よりお引き立ていただきありがとうございます。

 

 従来、情勢報告は1ヶ月半〜2ヶ月に1度くらいの頻度でしか発行しておりませんでしたが、7月上旬から少なからず情勢が変化した品目が出てきました。修正の意味も含めてご案内いたします。

 

 

オランダ産チューリップ

04年産

 

 前回の報告では、プラスチック栽培球根は概ね順調、ターボ球はプラスチック栽培球根に準ずる、ターボ球のうち一部暖地産とアーリー球については、品種によってやや異なるが概ね順調、というご案内をさせていただいております。標準球についてはやや遅れる、プラスチック/アーリー球とやや差が開く、というご案内だったかと思います。

 

 7月27日付で、当社最大のチューリップ球根供給先であるバンザンテン社より追加連絡が入ったため、再度ご案内させていただくこととしました(前回のチューリップの報告もバンザンテン社からの情報を元に作成しています)。

 

 プラスチック栽培球及びアーリー球については、現在までに農家からの引き取りはほぼ完了しています。標準球については55%〜60%ほどの集荷率となっています。

 

 7月上旬の報告では、気温は低いものの乾燥気味なので球根及び芽形成については順調に推移するだろうという予測でしたが、今回は標準球について砂丘地産とクレイ土壌産に分けて説明されてきました。砂丘地産についてはほぼ前回の報告と状況は変わっていないのですが、クレイ土壌産については若干様子が違ってきました。場所によっては「7月の降雨量が150mm近くなり、過去の記録を更新する」、酷い雨降り陽気だったようです。

 

 5月,6月(上旬除く),7月10日頃までは低温傾向で過乾燥気味だったコンディションから、低温傾向のまま「梅雨」というより「秋雨」の中で球根掘り取り期を迎えたこととなったようです。標準球の60%近くがそれ以前に掘り取られ、40%近くが雨降りの中で掘り取られたようです。前回報告したように、7月上旬までの天候のお陰で球根は見た目良い球根のままだそうですし、今までに「球根栽培会社=農家」から納品された球根については、芽の状態も良く揃っているとのことです。

 

 一方、遅く掘り取らなければならなかった球根(雨の中で掘った球根)については、まだ状況が良く掴み切れていません。改めてご報告させていただきます(ここが心配な部分です)。

 

 休眠打破週の予測は、Plasticで8月中旬以降、Turbo/アーリーについては9月上旬以降のご案内となります。

 

オランダ産百合

04年産

 

 前記したチューリップでの項目で説明したように、04年は百合球根栽培の初期成育に適した天気とはなっていません(寒過ぎ)。

 

 今年の新潟(山間地)/北海道の季咲きの切花品質とよく似ています。

 

 「5月,6月が寒くて6月後半から急に気温が上昇した」「初期が低温だったのであまり根に活力が無い」「乾燥気味だったが低温であったため、潅水量が少なかったことが気にならなかった」「その後、急速に気温上昇したため切花品質が低下した」

 

 オランダは5月/6月と気温が低いまま7月に平年の数倍の雨を貰っていますから、植物体は未だに「頑丈」な「足腰=根」「上半身=葉・茎」になっていないようです。「健全な肥大」=「光合成を行なって自分の力で太る」ためには初期の生育が重要なのです。

 

 これとは別に球根の「力」を決めるには初期成育同様、夏場の気温も相当重要です(7月〜9月)。

 

 7月後半から気温が急に上昇したようです(チューリップ掘り取り遅れ分は品質リスク大幅向上。百合の品質向上のためにはプラス効果)。最終的な掘り取り品質及び納品時品質が決まってくるのはまだまだ先の話としても、オランダ農家レベルでは、

 

@「昨年の暴落は行き過ぎ」

A「栽培面積は大幅に減少。作況の良かった03年産すらほぼ完売という販売状況」

B「定植された養成球は例年より小さい」

C「コスト削減のため、定植間隔が狭い=大きい球根の収穫量を減らす=イタリアのマーケット対しての

 不安」

D「初期成育が順調とはいえない」=「大きい球根が出てこないだろうとの予測」

E「一部のオリエンタル系栽培地域で雹害または水害を受けている」

 

最低6項目の価格上昇要因が挙げられてしまいます。

 

 当社の受注状況からいえば、03年産総取扱い球数に対して約65%、昨年同時期との比較で約86%となっていて(6月・7月での受注数が昨年を大きく上回ったため)、7月14日の情勢報告時から見るとかなり受注数は増加してきています。大変ありがとうございます。

 

 最後のコメントは今までどおり変わりません。

 

 「経営に必要な原材料である球根は確保すべき」「現状の切花流通状況と推定される切花販売単価、求められる市場品質等を考慮し、なおかつ南半球産増加に伴う全国レベルでの作型等の変化を意識した作型の見直し、併せて経営球数の見直し」を図り、適切な量を確保しましょう。今年は早々に球根が売り切れる(一般品種ですら欠品が予測される)、90年代前半の状況にまで戻ってしまいそうな雰囲気です(すべての品種ではない、念のため)。

 

 

備考:

 

 他国への球根販売情勢をつかむコトが大変難しくなってしまいました。球根の販売流通状況の傾向を掴むことが現段階ではほぼ不可能な状態です。そのため、販売状況については「自社の傾向のみ」とさせていただきました。

 

 

以上

 


 

参考:山喜農園及び日本の状況(資料2)

H16年7月14日付発行情勢報告をH16年8月2日に追加・修正)

当社輸入状況(南半球産 + N.L.産)及び98年産〜04年産百合球根弊社出荷状況及び予定

                                          (単位:1,000球)

 

12月出庫

(南半球産 +オランダ産)

1月出庫

2月出庫

3月出庫

4月出庫

5月出庫

6月出庫

98年産

  (  130+3,270)

4,000

2,700

4,300

4,300

3,400

3,800

99年産

  ( 1,350+2,750)

4,900

4,600

4,600

2,900

3,600

4,400

00年産

  ( 2,450+2,750)

4,400

2,700

5,000

3,300

4,000

4,100

01年産

  ( 3,500+2,100)

4,300

2,900

4,500

5,200

3,100

3,800

02年産

  ( 5,600+2,100)

4,300

3,200

4,400

4,600

3,200

5,600

03年産

  ( 5,000+1,950)

4,700

2,900

4,650

6,000

3,600

5,200

04年産

  ( 5,900+   )

 

 

 

 

 

 

      (↑カッコ内左:南半球産)

 98年〜03年南半球産球根の出庫数は掘り取り年の9月〜翌年2月10日までの合計出庫数です。04年産の南半球産の出庫数はH16年7月14日までの取扱予定数です。

 

 

 

 

 

 

 

 

当社輸入量

 

 

7月出庫

8月出庫

9月出庫

10月出庫

11月出庫

12月出庫

合計1

(当社占有率1)

合計2

(当社占有率2)

98年産

6,200

5,800

4,500

 3,600

 1,300

   400

47,700(25.1%)

48,800(25.5%)

99年産

6,600

5,800

4,500

 2,300

 1,050

   250

49,600(26.3%)

50,800(26.7%)

00年産

7,000

6,300

3,500

 1,500

   800

   540

48,300(27.7%)

49,200(26.9%)

01年産

6,400

6,000

3,100

 1,200

   700

   220

47,000(28.1%)

49,050(28.2%)

02年産

5,800

5,100

3,300

 1,500

860

740

50,300(27.7%)

49,700(27.2%)

03年産

5,800

 

 

 

 

 

51,250( ? )

52,200( ? )

04年産

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    日本の輸入量(推定)

 

参考

   合計計算式1

(南半球産  + オランダ産)

合計計算式2 

98年産

    150    189,658 = 189,808

191,158 

99年産

  1,500    187,034 = 188,534

190,034 

00年産

  3,000    178,174 = 181,174

183,174 

01年産

  5,000    162,226 = 167,226

174,116 

02年産

 11,890〜+  169,801 = 181,691

181,801 

03年産

 12,000〜+132,154 =  未定

未定  

04年産

 15,300〜+   ?

 

    (↑カッコ内左:南半球産の推定球数)

※合計計算式1:同一掘り取り年の南半球産+オランダ産の輸入合計数

※合計計算式2:オランダ産+翌年の南半球産の合計数(03年産南半球産はほぼ確定/04年産南半球産は

        8輸出業者の販売見込み:聞き取り調査3月27日現在)

※オランダ産百合輸入統計について。

  日本の輸入量は、今まで使っていたオランダ植物輸出統計の誤差が最近大きくなっているので、

 今回は日本の財務省貿易統計を(98年まで遡って)採用しました。従って前回までご案内していた

 数値と変わっております。

03年産のオランダ産の輸入量は、6月末までの輸入数量。前年は136,407,000球で昨年同月比3.1%の

 減少。