平成16年6月22日

お客様各位

株 式 会 社    山 喜 農 園

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04年産オランダ産百合球根価格表(在庫表)送付について

 

 

 平素よりお引き立ていただきありがとうございます。

 

 

 6月22日付オランダ産百合球根価格表を送らせていただきますのでよろしくご確認ください(球根価格のみです)。1EURO=¥132〜¥135で計算しております(6月21日TTS ¥133.6)。速報版配布時にご案内しましたように、本年度より流通経費の見直しを行なっております(冷蔵賃:出庫日により変化はありますが、年間トータルで約5.9%の値下げとなるように計算しました)。後日郵送いたしますので併せてご確認ください。

 

 先日送付いたしました「球根情勢報告」(6月14日付当社ホームページに修正版を載せてあります。)で既にお知らせしましたように、5月発行の速報版から見ると価格に変化が起きています(原価計算方法は同じ、適応為替レートも同じ、球根相場の影響による変化)。

 

 Vletter社新品種価格についても今回ご案内させていただいております。昨年より1ヶ月半ほど遅れてのご案内となりました。ご承知のとおり、03年についてはVletter社品種についてのみ、早期受注分についても9月の交渉決定時の価格にて受注させていただいたという経過がございました。今回のご案内も、当社供給先輸出業者のうち一件からの見積りがまだ提出し切れてないなかでのご案内となっております。昨年同様、流動的なものとご承知ください(1ヶ月も経たないうちに修正が入る可能性があります)。

 

 

 以下に品目ごとの傾向を示しますと、

 

透かし百合

 残念ながら有望と思われる品種が少なかったです。

 

L.A.

 有望と思われる品種がかなり出てきましが、価格的に高過ぎです。交渉の余地があるかどうかわかりませんが、なんとか導入しやすい価格になればと思います。

 

.T.

 有望と思われる品種もありますが、そうでないものが多すぎます。世界需要に対しては明らかに多すぎるので、昨年のコンカドールのようにならないように交渉したいです(たとえ注目品種でも)。

 

オリエンタル

 Vletter社自身がO.T.を増やしすぎたため、オリエンタルが少ないです。本年は知られていない隠れた有望種の多い年で、おそらくご案内の価格より高くなってしまいます。

 

 一般流通品種の傾向は、

 

透かし百合

 赤系上昇傾向。黄色/オレンジで一部下降(3倍体)、ピンクの初期設定が低過ぎたのか、一部上昇しています。

 

L.A.

 大きな変化は見られません。

 

.T.

 イエローウィン/コンカドールの小さいサイズがやや上昇ムードです(透かし・ピンク同様初期価格が安過ぎた?)。

 

オリエンタル

 価格が据え置かれた品種はほとんど無く、1月以降ずっとじりじりと上昇ムードが続いています。オランダ球根輸出業者レベルでは03年産の未販売在庫がほとんどなく、むしろ球根が足りないような状態です(暴落待ちまたは取引開始の遅い国に対しての話。日本は取引が早い国なので品質問題から発生する欠品等を除けば、不足感または過剰感ともに無いように感じています)。

 

 来月発行される作付面積表を見るまでもなく、栽培面積は減少が見込まれています(2年連続)。

 

 04年産南半球産オリエンタル球根は作況良との予測となっていますが、前記した03年産冷凍球の流通在庫が不足しているため、豊作による価格への影響は無いとのことです。

 

 球根農家及び球根相場に影響を与える「C.N.B.」「Hobaho」などの市場関係者は「昨年の下落は需給バランスの崩れではなく、ムードが作り出したものです。業界は再生産につながる価格を支えなければならない」という強い気持ちを持っているとのことです(6月中旬の本年2度目のオランダ出張時に圃場周りに立ち会ってくれた球根農家からも、同様のコメントを聞き続けました。この気持ちは理解できます。ただ、そう言い切れるのは百合類の中のオリエンタルのみのようですが…)。

 

 輸出業者のコメントを全部聞けば、05年産球根からの球根価格の適正化がオリエンタル系についてのみ1年前倒しで起きているように感じます(球根農家にとってはそれでもまだ価格的に充分ではない。去年のスタート価格まで戻ってもまだ足らない)。

 

 5月の価格表よりオリエンタル系の価格は上昇しているとはいえ、昨年のスタート時点より高くなっているのは生産量が激減している「TL球」の一部の品種のみとなっています。

 

 

 以上、オランダ側の流通情勢に対して国内及び当社状況は、安定価格良品質の球根を確保するために早期発注に努めてきたことを、過剰生産による価格下落という形で「裏切られたという気持ち」を持ちつつも(自分自身そう感じています)、経済情勢の変化、切花市場の取引方法の変化、それに合わせた切花産地の生産計画や販売体制の強化などの理由からかと思いますが、すべての切花産地ではありませんが例年通りの早期発注を行なっているようです(他国との比較・日本の凄いところ)。

 

 前年同期と比較すれば受注は約30%の遅れとなり、発注は約20%の遅れとなっています。ゆっくりとした動きとなってはいますが、価格表(速報版)の発行が2ヶ月半も遅れたことと、南半球産導入による作型の変化等を併せれば昨年の4月末とほぼ同じ状況になっているということですから、驚くとともに大変心強く思っています(03年産オランダ産+南半球産総取り扱い数の約52%)。

 

 本年度の球根導入は、供給側のオランダ球根農家が大きな変化を要求されている中で、計画を立てる切花産地も市場要求に応えていくための変化をする年となるようです。充分にご検討された中でのご注文をお願いいたします。

 

 ありがとうございました。

 

 

P.S. 透かし/L.A.試験栽培の展示には大勢の皆様にお越しいただき大変ありがとうございました。ようやくオリエンタルが始まるところです。

 

森 山  隆