平成15年 3月13日

 

          2003年山喜農園試験栽培

 

A:養成球、切下球試験

 

 昨年(2002年)、山喜農園では、いわゆる半促成作型(4月出庫)と抑制作型(7月中旬出庫)の2回の試験栽培を行いました。

 試験栽培は、比較的新しい品種を自社で選択し、それにブレッター社の新品種テストを加え、比較対象として従来品種を同時出庫し、一括管理の元、試験栽培を行ったものです。

 今期、これらの球根を再利用し、一作養成試験と切下試験を行う予定です。

 

半促成栽培試験後養成球

@球根出庫 :4月初頭

A設置場所 :山喜農園新設冷蔵庫脇簡易パイプハウス

B使用用土 :山喜自社試験とブレッター社試験は、群馬産黒ボク土とBVB社製調整ピートモス (ph 5.5〜6.0, EC 0.4)を半々で混合した用土を使用。敷藁の代替目的で、表面に3cm程度ココピートをかぶせました。

 マークリリー試験は3週間程出庫が送れた影響で、用土の準備ができず、100%

BVB社製ピートモスを使用しました。

C冷蔵履歴 :透かし百合、LAハイブリッド、オリエンタル(OT、早オリエンタル、普通オリエンタル、カサブランカ含む)全て同一冷蔵で、以下の行程になります。

 花が終わるとすぐに雄しべの元から摘み取り、同じく冷蔵庫わきの駐車場内で継続球根養成を行い、11月5日、地上部を切除し冷蔵に入りました。

 11月5日〜1月17日(約10週間)、5.0〜5.5℃にて管理、1月17日〜2月28日、2.0〜2.5℃にて管理。

 

抑制栽培試験後切下球

@球根出庫 :7月19〜31日解凍開始。(ブレッター球根は、31日出庫)

A順化作業 :5℃を1週間経過後定植、植え付け後さらに5℃でもう1週間管理、その後、12℃で1週間、順化を1週間行いました。

B設置場所 :8月17日に山喜農園脇の簡易パイプハウス内に設置。 その後、9月13日に山喜農園裏のガラスハウスに移動し、夜温設定を12℃にして継続管理を行い、9月下旬〜11月13日まで開花試験を行いました。

C使用用土 :堀之内町下島大平の山喜農園大平原の圃場の土(淡色黒ボク土)を使用。鳴子百合の春堀取り直後の土でした。鳴子植え付け前の土壌測定では、ph:5.8。。山喜農園の圃場の中でも、最も地力がなく赤い土です。

 ここに、オールマイティ=10a当60s相当,グリーンマグ(水酸化マグネシウム)=10a当45s相当、サンカルシウム=10a当30s相当を混和しました。オリエンタルの箱のみ、ココピートを3cm保温目的でかぶせました。
 

抑制栽培試験後切下球 続き−

D冷蔵履歴 :透かし百合、LAハイブリッド、オリエンタル(OT、早オリエンタル、普通オリエンタル、カサブランカ含む)全て同一冷蔵で、以下の行程になります。

 花が終わるとすぐに雄しべの元から摘み取り、11月13日、地上部を切除し冷蔵に入りました。

 11月13日〜1月17日(約9週間)、5.0〜5.5℃にて管理、1月17日〜2月28日、2.0〜2.5℃にて管理。

 

 以上の2種類の過程を経た球根を以下のように一括で管理を行い、データを取って行く予定です。

 

初期管理

@設置場所 :3月1日、山喜農園事務所裏、魚野地川の脇のパイプハウスに設置。

       全ての箱に、ココピートを補充(敷藁代替)。夜温設定、12℃。

A元肥   :各箱オールマイティ(有機性化成肥料)10g見当のみ。

*実際に雪の下になったわけではない為、昨年の肥料分が残っているという考えから、敢えて少なめの設計としている。

B潅注   :フロンサイド 2000倍液を各箱4リットル相当潅注。

 

−3月12日現在。

 

B:02年産オランダ産半促成栽培試験

 

 今期(2003年)も、昨年同様の条件で、輸入球の半促成栽培試験を行います。

 調査品種は、別紙参照。今年は特に新品種が多く、またブレッター社のテスト品種が再び増加した事から、かなり多くの品種数となりました。

 

@解凍開始 :2月26日〜 最終入荷は、3月19日予定。3月20日まで5℃管理予定。

詳細は別紙参照。

A定植   :3月5日までに入庫したものは、3月7日定植。それ以降は、順次定植。

B使用用土 :群馬産黒ボク土、2/3 + カナダ産ピートモス、1/3見当。

C施肥設計 :オールマイティ 反当40s相当、 ホスカエース 反当20s相当、

グリーンマグ 反当45s相当、 過リン酸石灰 反当40s相当、 炭カル 反当40s相当

 −上記BCを、ミキサーにて混和。

D設置予定 :一部納品の遅れた品種を除き、3月20日に全品種を山喜農園事務所裏、ガラスハウス内に設置。夜温設定12℃で管理開始。

*今後の方針

−設置後の初期管理は、前述の養成球、切下球の初期管理に準じる予定。

−5月の連休明けを目途に、昨年試作を行った冷蔵庫脇のパイプハウスに移動する予定。これらの管理により目標開花時期を、6月〜7月中旬迄に前進させる。球根出庫時期に最盛期を当てるようにしたい。