平成14年12月28日

お客様各位

株 式 会 社    山 喜 農 園

新潟県北魚沼郡堀之内町原1280-1

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球根情勢報告

 

 

 本年は大変お世話になりました。H14年は株式会社改組後ちょうど10年目の年(正確には9年半)でしたが、たいへん混乱した1年でした。振り返るほどの歴史もない若い経営陣ですが、経験不足で対応・対処の方法もわからない中、お客様をはじめ関連する方々のご指導ご協力を得まして、無事11月末に33期の決算を迎えることができました。たいへんありがとうございました。

 

 昭和61年より外国産球根の直接輸入を開始して以来、毎年新しい発見がありましたが、本年は「もう一度初心に帰って、来たるべき2005年〜2012年の大きな『農業の変革』に対応できる会社にしていくための大きなヒントも得られた年だった」と前向きに考えていこうと思っております。

 

来年もよろしくお願いいたします。

 

 

オランダ産アイリス

2001年産

 

 12月上旬に大阪泉南地区の確認を行なってきました。定植前の高温腐敗事故を思えば信じられないくらい良い出来になっていました。特に、本来なら一番早い11月切花出荷用に使っていたブルーマジックジャンボ球を生産地側の配慮で1月切花出荷に変えていただいたこともあり、今まで見たこともないような凄いボリュームのものができていました。試験的に導入したイエスタデーも順調のようです。

 

 

2002年産(03年6月〜7月納品分)

 

 高温促成時に腐敗の出るロットについては、すでに相当多くの球根をヨーロッパ市場に向けて販売したようです。したがって、日本には輸出しなくてよいことになります。

 

 02年産オランダ産チューリップ球根からの切花が、ここ2〜3年の中では最も良い出来となっていますが、同様に02年アイリスについても「見てくれより良い仕事をする」球根になると思います。

 

 11月切花出荷用にブルーマジック・ブルーマジックジャンボに替わる有望種が出てきましたので、是非導入をお勧めします。

 

 

 

 

N.Z.産チューリップ

2003年産

 

 02年産の結果がたいへんうまくいったのはすでにご報告のとおりです。

 

 現在03年産の仕入計画を立てているところで、昨年より品種数は増加する予定です。10月〜12月出荷を、年頭に国産産球根ないしオランダ産プラスチック球根ではカバーしきれない品種を導入して、年内のチューリップ品種のバリエーションを増やしていきたい考えで導入検討いただいております。

 

 新潟県内では2箇所で行う予定です。品種は現段階でアンジェリケ,バレリーナ,リーンファンダーマーク,ウェバーズパロット,インツェル,パープルプリンス,その他少量の隔離免除ロットが確保されています。

 

オランダ産チューリップ

2002年産

 

 12月上旬〜12月25日まで栽培現地確認を行ないました。全般論でいえば、「作況は良い」といえそうです。毎年のとおりで一部品種で問題は出ていますが(ピンクダイヤV.Z.,イエロースターV.Z.,バレリーナV.Z.,ウインターバーグH.M.,ネグリックJ.W.,アンジェリケV.Z.,すべてPlastic Early Turboコンディションです)、事故そのものも壊滅的に駄目という水準でなくて「調子が悪い」という程度で済んでいます。

 

 10月・11月の涼しさが功を奏したということだと思いますが、ここ3〜4年では一番作況が安定している年になっています。近年事故の多かったゴールデンアペルドーンもまあまあの出来となっています(昔よりは落ちます)。消費の低迷と偏った品種供給がなされたため、11月・12月のチューリップは市場人気を下げてしまっているようで、相場はパッとした状況ではないようですが、とりあえず採花率・上位等級率は良く標準球もこの調子でいってくれればと願っています。

 

 ほとんどの球根の納品も終了し、残すところ約 200,000球ほどの出荷残となっております。2月3月の需要期の相場が安定することを願っています。

 

 

2003年産

 

 本日(12月27日)、03年産オランダ産チューリッププラスチック球根V.Z.社扱い・J.W. 社扱い分価格表を配布いたしました。併せてJ.W.社アーリー球の価格表も配布しています。よろしくご確認ください。

 

 V.Z.アーリー球については価格表発行待ち、H.M. Turbo球は価格修正を行なっております。申し訳ありませんがもうしばらくお待ちください。なんとか11月・12月の市場供給可能品種を増加させようと各社ともにがんばっているのですが、新しい品種のプラスチック栽培の量を増やすことは、リスクが増加することになります(なかなか球根は安くなりません)。一方、安全な品種ばかりを生産すれば、今度は日本全国どこからでも同じ品種が市場出荷されることになります。今やV.Z.社・H.M. 社・J.W. 社、及び当社とは取り引きがありませんがデロイター社は、日本の切花用チューリップ球根の相当数を出荷している会社となっています。なんとかこれらの会社にがんばっていただき、再び花色が豊富で咲き方も豊富な他の花材に負けない人気商品に回復させなければならないと考えています。N.Z.産は一部の、大型冷蔵庫を所有する箱植え栽培対応可能な生産者のみ導入可能球根ですので、導入量は現段階では制限されてしまいます。

 

 

 新潟・富山を中心とした国産球とPlastic栽培球根等で大部分の対応をしていくことになるわけですが、他の花材同様、産地ごとのオリジナル品種(種苗全量確保)の導入なども、消費を喚起するためには有効な手段かもしれません。標準球のみでのオリジナル確保でなくて、国産・プラスチック栽培球からスタートさせて継続市場出荷していく体制作りを始めるには積極的な新品種導入が必要です。生産消費が低迷する今だからこそ取り組んでいただきたいところです。

 

 

国産百合

 

2002年産

 

 今回は特にコメントはありません。

 

 

※新潟県内の自家産球から切花生産される産地の農協、及び生産者の方へ

 

 02年産新潟県産オリエンタル系球根は10月29日・11月5日

 

@降雪前掘り取り

A雪水が引く前の掘り取り

B雪水が引いた後の掘り取り

 

 で球根のコンディションは大きく違います。

 

 一般的に早めに冷蔵庫設定温度を下げていく傾向にあるようですが、最近の調査(12月25日以降)では休んでいた成長点付近の葉の増加が再び始まっているように見えます。安全性を確保するために早く温度を下げたいのは理解できますが、あまり早く下げすぎない方がよいと思います。

 

 02年産は多輪になって困るほど大きな球根にはなっていないと思いますので(秋の降霜が少ない)、充実度が必ずしも良い状態ではないと思います。ボリューム不足・バイラス等の発症率の増加等が懸念されます。「掘り取り直後から切花栽培が始まっている」という感覚を忘れないでください。

 

 

2003年産

 

 すでに価格表を配布しております。今年は面積に余裕をみた計画を立てていましたので、当社価格表に無い品種を委託栽培の形で申し込まれた方が随分おりました。ほぼ予定面積に到達しておりますので、以降在庫表の中から必要な品種があるようでしたらご検討願います。

 

 02年のオランダ産球根の価格暴落を見ると国産球根は高いものになっていますが、その力が発揮される作型に導入すれば輸入球ではできない品質の切花ができると思います。

 

 よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

オランダ産百合

2001年産

 

 特にコメントはありません。

 

2002年産

 

鉄砲百合

 

 先日郵送した「品目別受注球数変動(Crop 95〜Crop 02)」の表で明らかなように、当年は鉄砲百合取扱球数の少ない年となっています。隔年で販売量の増減が大きく発生するのは切花市場の切花鉄砲百合の流通本数と平均販売単価(農水資料/当社ホームページ参照)の影響を大きく受けているせいだと思います。当年の球根品質は悪くないと思いますので、品質的には良い結果が期待されます。

 

 鉄砲百合の切花農家の平均年齢は近年上昇してきているそうですので、通年安定供給型の品目から(新鉄砲百合含む)モノ日需要型の品目に変化しつつあるのかもしれません(鉄砲百合については弊社の沖永良部産の日之本の取り扱いが無いため全体の動きはよく把握していません。あくまでもオランダ産球根の流通と切花市場の販売情勢からの分析です。)。

 

透かし百合

 

 モナが大変な欠品をいたしました。最終的な取扱球数は1,000,000球を切ってしまう状況です。90年代を代表する名品種でしたし、特定作型においては依然この品種を上回る品種は出てきていません。03年産については供給の不安定さは改善されませんし供給可能量も制限されますが、04年産以降は原母球品質から一新したモナが供給されてくるはずです。支えていきたい品種だと思いますのでよろしくお願いいたします。03年産のモナはV.D.B.社のセレクト球を中心に取り扱う予定です。標準球については未定ですが、J.W.社等との取り引きになると思います。

 

 近年のオリエンタルブームの中で、新品種に対しての取り組みが手薄であった透かし百合ですが、そのような時代でも継続して新品種が発表され続けておりました。当社としては過去に流通した品種の良い点・悪い点を育種家に繋いできたつもりです。ようやくミンストリールのしなやかさを持ちつつ頂点花咲きの欠点が改善された、サンシロー・ビバルディタイプの花形花色のピンク透かし百合の品種等が出てきています。

 

 透かし百合を再認識させる意味でL.A.ハイブリッドという追い風も吹いています。是非この際取り組んでいただきたいところです。

 

L.A.ハイブリッド

 

 やはり先日郵送した「品目別受注球数変動(Crop 95〜Crop 02)」の円グラフを見ていただきたいのですが、年々品種も多様化し花色のバランスも透かし百合に近づいてきています。この動きをしっかり捉えていてほしいと思います。直近の傾向は、透かし百合よりもオレンジのシェア率が低く、白のシェア率が高いというグラフになると思います。

 

 透かし・L.A.ともに共通ですが、球根内芽の大きさが昨年よりは随分小さく、平年と同じかやや小さいという印象です。

 

 球根の力の有無はまだわかりません。

 

 

オリエンタル

 

 11月14日発行の情勢報告を12月3日に修正させていただいておりますが、現在までのところ大きな変更は発生していません。価格は一段と下げてほとんど動きがありません。ヴレッター系・マック≒ワールドフラワー≒リリアンデ系の欠品が報告され始めました。随時ご案内いたします。

 

 後半になって、一旦は確保できないと思ったリアルト,コンカドールが大量に確保できました。

 

 オリエンタル系球根の肥大は他の球根類とは違った傾向にあるようです。着荷量がまだ少ないため、品質については前回のコメント以上のことはいえません。

 

 12月の上中旬に強い寒波に見舞われており、それ以降の掘り取り球ではやはり保管上のリスクが高いため、過剰気味の生産となっているわけですから、生産流通調整のためには良かったと思います。

 

 

入荷状況

 11月出港分約 5,700,000球・前年比約119%と、近年では入荷量の多い年となりました。12月出港分はまだ24日分までの入力ですので、前年との比較はできませんが、月次比較だとほぼ横這いとなるようです。

2ヶ月通すとやや増加となります。

 

受注状況

 12月28日現在約 48,140,000球、前年同時期比較で約 10%多いようです。

 

 

N.Z. 産・Chile産百合

2002年産

 

 一部産地の球根で品質の悪いものがありました。たいへんご迷惑をお掛けいたしまして申し訳ありません。基本的には03年産では取り扱わない方針です。

 

 その他地域の球根では、大きなトラブルも無く順調に生育しています。

 

 

2003年産

 

 11月26日〜12月17日の間に撮影されたN.Z.産・Chile産の球根生産圃場の写真を、当社ホームページ

http://www.yamaki-noen.co.jp)の球根情勢報告のページに掲載しております。是非ご覧ください。

 

N.Z.産: V.Z.ラカイヤ地区,D.J.ゴア地区,P.O.Bakkerラカイヤ地区

Chile産:SONEバルディビア地区,V.Z.オソルノ地区,Vletter SONEバルディビア地区,P.O.オソルノ地区

 

が主な生産地となっています。

 

 

 作況はたいへん良さそうです。

 

 

 

 

 先日お知らせいたしましたように一部価格修正が入ります。なんとか年内のうちに修正版をお送りしたかったのですが、間に合わないかもしれません。

 

 取扱輸出業者との最終調整を行なっております。球根は一部の品種をのぞき潤沢にあります。切花の結果も1月下旬〜2月には見えてくると思います。そろそろ03年の導入計画を立ててください。

 

 

 以上、情勢報告でした。

 

 ご不明の点等ございましたらお問い合わせください。