平成14年4月24日

お客様各位

株 式 会 社    山 喜 農 園

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球根情勢報告

 

 

オランダ産百合

 

2001年産

 

 

 3月末日までの日本全体の入荷数

   最終入荷数

 

   115,600,000球(00年産)

 173,000,000(確定値)

 

   97,000,000球(01年産)

 150,000,000〜155,000,000(推定値)

 

 

 01年産の最終入荷数は不明だが、少なくとも12月〜3月の期間に前年と比べて 18,600,000球も減少したことになります。前回のレポートでもお知らせしましたが、最近は凍結後輸入の安定性が確認されてきて入荷は若干遅れ気味となっているようですが、昨年4月以降の入荷数を超えることは、これから以降オランダへの発注量が増えない限りは少し考えにくいです。したがって入荷数は少なくとも約10%強は減少するということになるようです。

 

 注目しておきたいのは、早期入荷分でこれだけ多くの球数が減少しているという点です。透かし百合だけではなくオリエンタルも確実に減少したといえると思います(特にドライセール用種球、もちろん切花用も)。多少大胆かもしれませんが、約 11〜12,000,000球のオリエンタル系が減少したと想定して南半球産との関連を見てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南半球産百合

 

2002年産

 

 4月19日現在、日本全体で約 13,900,000球ほど確保されているようです。毎回情勢報告を発行する度にその数字は増加しています。昨年11月の段階でN.Z.産について約 8,250,000球という予測を立てていますが、現段階で約 9,000,000球ほどになっています。生産量は把握していましたが輸出球数推定ができなかったチリ産も、ある程度計算が立ってきた結果上記のような数字となりました。最終的には15,000,000球くらいには到達するのではないかと思います。昨年の入荷数は約 5,000,000球ほどだったわけですから、01年産のオランダ産オリエンタル系の減少球数よりやや少ない約 10,000,000球増化となり、オリエンタルの流通球数は横這いから減少となるようです。

 

※掘り取り年ベース

 

当社状況      

   日本全体

 

(00年N.Z.産 + 00年オランダ産)    

 

 

(48,300,000球)(確定値)

176,000,000(確定値)

 

(01年N.Z.産 + 01年オランダ産)    

 

 

(46,600,000球)(予定値)

160,000,000(推定値)※1

 

※通常球根使用時期ベース

 

当社状況      

   日本全体

 

 

(00年オランダ産 + 01年南半球産)    

 

 

(49,200,000球)(確定値)

177,000,000(確定値)

 

(01年オランダ産 + 02年南半球産)    

 

 

(49,100,000球)(予定値)

170,000,000(推定値) ※※1

 

 

 冬場の切花用球根として概ね10月上旬〜1月中旬までの定植に使われるとしたとき、15,000,000球という数字は流通状況を考えれば大変良いバランスになると思います。移行期間で若干のバランスの崩れはあるかもしれませんから心配は心配ですが、夏場と違い集中出荷もしにくい時期だと思いますので、平均的な切花出荷がなされれば、オリエンタル系切花平均品質は大幅に向上することが期待できます。

 

 併せてオランダ産でもはっきりと傾向が出てきていますが、古い品種・安い球根価格の品種導入が減ってきているようです。全体生産本数を減らしながら、少しでも良い品種を各々の地域の適期に高品質を目指して出荷するという流れがはっきりと出てきています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

N.Z.産百合

 

 4月7日〜4月11日まで現地出張してきました。

 

ワイウク地区(本年はオークランド市内)4月10日訪問

 12月中下旬疫病発生。品種によって大きな被害を受けていますが、残った球根は少し意外でしたがどの地域よりきれいな状態で、根量も多くて太くしっかりしていました。掘り取り期まで、また、掘り取り作業期間中の環境が良ければ、かなり良い球根ができると思います。ただし、この北島での球根生産は明らかに南島のその他の地域よりも暖かいわけですので、バイラスの点がやはり心配です。加えて他地域より切花時の到花日数が長くなってしまうはずなので、その点が冬場の作型にはデメリットになると思います。10月〜1月までの期間中、どの時期に使うか、その使い方で評価が変わってくるのだろうと考えています。この地区からは若干減少するかもしれませんが約 1,600,000球出荷されると思います。

 

 

ラカイヤ地区 4月7日/8日訪問

 2件の農家が生産しています。N.Z.最大の生産地になると思います。

 

 今現在推定5,500,000球+αが日本向けとして栽培されています。コンディションは極めて良いと思いますので欠品等は発生しないと思いますが、逆に太りすぎてご迷惑をかけることにならなければと心配しています。栽培面積が大きいためなのか、植え付け期間が大分違うようです。原因は目下調査中ですが、すでに芽が4mm×25mm位になっている品種があるのに、一方ではまったく確認できない品種も見られました。掘り取り期を遅らせなければいけないのかもしれません。納期の点でご迷惑を掛けなければよいがとも考えています。

 

 

タパヌイ地区 4月8日夕方訪問

 昨年かなり遅く(通常10月〜11月上旬)リンペンが定植されたためなのか、それとも栽培環境技術のせいなのか、今年2年目になる畑は非常に出来が悪かったです。16/18以上のサイズはほとんど出荷されないように思いました。今年も1月から2月上旬に掛けて、約2haの4〜6cmクラスの球根が植え付けられていました。これはこのまま掘り取らず2年連続栽培となります。また、約1.5haのリンペンも植え付けられていました。これはこの6月〜7月に掘り取られ、10月に再度定植され、約4ha分くらいの面積になるはずです。したがって2003年産は約5haの開花サイズ生産となる予定です。植え付けが最も遅いですから、今回の調査期間中最も緑が濃くきれいな状態の圃場でしたが、前年作があまり良くないことなどから来年作についても多少心配されます。

 

 本年はこの地域からは日本向けの球根は出荷されてきません。来年以降の予定です。

 

 

ゴア地区(本年はタパヌイの西北、ゴアより北に約50km)4月9日訪問

 98年〜01年にかけて生産していた地域から北に移動。酪農家との賃貸交渉が上手く行かずやむを得ず移動したのですが、結果として「不幸中の幸い」で、オリエンタル系栽培には前の場所よりも良いと思います。土もやや軽めになったようで、掘り取り時に大変苦労する地域だったわけですから本当に良かったと思いました。ただし、球根栽培についての認識の乏しい国で、良好な土地を探すこと/借りることは相当大変なようで、「なんとか自分の農場が買えるくらい利益が出ればよいのだが」という話を聞いたわけですが、生産農家数の増加、面積の増加はやはり簡単ではないのだと思いました。今後他地区の生産が増えて球根価格が下がってきたとき、耐えていける経営をしてほしいと思いました。この農場のオーナーは本当に良い人です。

 

ラカイヤ地区同様、生産は良好だと思います。この地区から約1,900,000球+α出荷される予定です。

 

 

Chile産百合

 

2002年産

 

 5月下旬〜6月上旬出張予定。レポートはその後。

 

 

 

オランダ産百合

 

2002年産

 

販売状況

 

01年産4月23日の発注量

昨年4月23日の受注量

 

   約 21,200,000球

  約 18,800,000球

 

02年産4月23日現在の発注量

4月23日現在の受注量

 

   約 27,200,000球

  約 23,400,000球

 

 

 受注はまだ「参考価格表」と概ねの傾向しかお伝えしていないながらも、必要と思われる品種を適切に押さえられていますので、大変良い状態だといえます。今週中には正式な2002年産オランダ産価格表発行予定です(価格は4月22日現在のオランダ相場と当社仕入価からの策定となります。したがってそれ以前に受注した単価と違っている場合がありますのでご注意ください。上昇もあれば下降もあります)。以降、毎月在庫表形式で情報を繋いでいきます。透かし・L.A.・一部のオリエンタルで、早めに導入計画を立てられた方がよい品種があります。

 

 

 5月13日〜20日まで現地出張してきますので、作況その他につきましてはまた次回お知らせいたします。